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2098  作者: 猪介 -Isuke-


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【第4話】 Follow My Lead ー俺についてこいー

早くも5本目となりました。

見ていてくれている方ありがとうございます。

こちらの作品の歌が下記より視聴できます。聞くのであればたぶん内容を見てから聞いた方が良いかなと思います。

●YouTubeリンク先

https://youtu.be/rponD59R2Eg


第4話 Follow My Lead ー俺についてこいー


12月21日木曜日

今日は行燈ゆきひとの誕生日である。昼から仮想空間内にて、響歌きょうか秋友あきとも陽菜ひなの4人で仮想空間内でのパーティーをおこなうことになっている。


20:00ヘッドセットをかぶり、時間通り響歌きょうかに言われていたアドレスにログインする。

いつもの通り視界が一瞬閉じ、明るい見知らぬ一室にログインした。

サプライズパーティということで、今回行燈ゆきひとは何をやるのかは全く聞かされていなかったが、周りを見ると既に他の3人はログインしており、行燈ゆきひとの姿があらわれると祝福の声があがった。

行燈ゆきひと誕生日おめでとう!」

派手な音楽や照明とともに4匹エコーが飛び回り、行燈ゆきひとにお祝いの花火を振りまいていた。

行燈ゆきひともいよいよ18才。年齢制限も解除されこれまで入れなかったイベントも利用可能となる。まあ実際は高校卒業までは親の許可がないと利用できないのだが、成人検査を含め大人への仲間入りは仲間入りである。皆の顔を眺めながら、彼らと以前話していた制限解除後のことをしばし思い出していた。


行燈ゆきひとあらためておめでとう!」

秋友が良からぬ顔をして近づいてくる。


響歌きょうかちゃん、ゲン、今日で行燈ゆきひとも大人の仲間入りだから、しっかり監視してあげてね」

「監視ってなに?」

「あ、こいつねこの前ヴァースの限定解除後、どこに入ろうか話ししてたんだけどwww」

ヴァースとは仮想世界のことである。


「おい!秋友あきともそんな話してないよな」

「ああ?そうだったかなww」

女子2人からの冷たい視線と、コハクからの痛い視線が行燈ゆきひとを突き刺す。

「えー、そんなことないよ。なあ、ゲン」

『はい、行燈ゆきひと様と秋友あきとも様との間でそのような会話の記録はございません。』

「ほーら、ぜんぶ秋友あきともの作り話だから」

ゲンとコハクの間で何やら通信がおこなわれたようで、コハクがうなずく。コハクの表情が緩み、それを見た女子2人は安堵の表情を浮かべ、一斉に秋友あきともの方に視線をぶつける。

「あ、そうだったかな?ちょっと刺激が強すぎたかな。あはは」

「あははじゃないわよ!」

陽菜ひなが言葉を続けようとするのを遮るように、秋友あきともが大声で話をはじめる。

「え―それでは皆さんこれから行燈ゆきひと18才のパーティーを始めたいとおもいます。」

「もう!」

女子達よりボヤキが出たものの、お祝いでもあるのでそのまま話しを静かに聞き始める。


行燈ゆきひと、これから何をやるかわかるかな?」

行燈ゆきひとは、周りをみまわすが、そこは20帖位のありきたりの部屋で、誕生日を祝うような装飾もなく全く想像つかない。

「全くわからん」

「そうだよね」

秋友あきともがニヤニヤしながら受け答えをする。周りの女子達も含めちょっとなんかいやらしい感じだ。

「それではゲン、予定通り行燈ゆきひとにあの情報をオーバーレイしてくれるかな。

秋友あきとも様、承知致しました。

ゲンが行燈ゆきひとに情報をオーバーレイする。

「歌?」

全部で9曲、誕生日に関する歌が1曲と行燈ゆきひとが知っている曲が5曲。はじめて聞く歌が2曲。

「なに?ここで歌でも歌うの?」


「フッ、行燈ゆきひと君。ここまで準備するのは結構大変だったんだよね」

「そうそう、もう大変だったわねww」

行燈ゆきひと以外のメンツは顔を見合わせワクワク感満載だ。

「え、なに?」

「それじゃ行こうか!」

響歌きょうかの合図とともに、秋友あきともが移動し奥の扉を恭しく開いた。


扉の奥には薄暗い廊下があり、廊下の先は暗闇に包まれていた。

行燈ゆきひとうながされるまま扉を出て先頭で進む。

そして、廊下奥の階段を数段上がり、暗闇の空間へ1歩を踏み出した。



暗闇に足を踏み入れ数歩進むと、行燈の足元に淡い光の輪が広がり前方に青い光のラインが走る。そして、強いスポットライトが行燈ゆきひと照らし出した。

ライトがあまりに眩しく、一瞬戸惑う行燈ゆきひと


『ギターです』

肩にいるゲンが伝えると、手元にエレキギターが現れる。

みると衣装も変わっている。


響歌と陽菜も後に続き、それぞれに楽器を抱え静かにたたずむ。

そこで、スポットライトの外から低くうねるような振動音が伝わってきていた。

「?」

振動は低く重く波動となって、重低音が波のようなうねりとなり押し寄せてくる。


後ろを振り返ると3人がニヤニヤと笑っていた。

「俺たちからのプレゼントな!一応ギターは補正ありで、どんなクソでもうまく音が鳴るようになってるから。あと、歌は補正かけてないから地で歌ってくれwww」

「頑張ってね行燈ゆきひと!友達もたくさん呼んでるからwww」

「あと、曲順はさっきオーバーレイした順だからなー」

「ユッキーいけ!」


スポットライトが消え全体が淡いライトで照らし出される。

そこにあったのはドームに集まった群衆であった。超満員演出のようで先程の重く響く波動のようなものはこの群衆のざわめきだったのだ。

「ユーキーヒトーーーー!!!ユーキーヒトーーーー!!!」

「ハッピーバースデーイ!ユキヒトー」

「キャーー」「ワーー」「オーー」

怒涛の歓声がステージを襲う。

何がなんだかよくわからない。


約30,000人、熱狂的な行燈ゆきひとファンからの歓声が熱気とともに体にビリビリと響く。


そういえば今日の両親から貰った誕生日プレゼント。以前から欲しかったナノスーツだったのだが、もしやこのためだったのだろうか?プレゼントの内容を知らないはずの秋友あきともが絶対にナノスーツ着てこいと言っていたので、かなりその線が強い。


行燈ゆきひともこの体感ライブ自体は良く知っていた。もともとは社交不安障害、いわゆる「あがり症」の対策に組まれ、人前で話すことに慣れるためのプログラムであったのが、カラオケと組み合わさり体感ライブとしてのアミューズメントプラグラムに発展したものである。

観客設定がノリノリのためドーパミン放出が半端なく、脳が焼けるので、成人でも高校を卒業していないものは親の許可がないと利用は不可なはずなのだが、我が家の親はかなり頭がハネているのである。


行燈ゆきひとも年齢上限ギリギリの50人までのライブカラオケは秋友あきともたちとやったことが何度もあった。ただし、レベルが違う。しかもナノスーツを着ているので臨場感がハンパない。


しかし、観客の声援がいっこうに止まない。

ライブでの流れは2つ。

登場にあわせていきなり前奏曲が始まるか、観客に対して何かをやるか。それが始まりのスイッチになる。いわゆるパフォーマンスである。

「・・・」

曲がはじまらない・・・。何かを言わないと始まらない設定である。

「おのれ・・秋友あきとも

この設定を組んだのはおそらく秋友あきともなのである。


別にプログラム上の観客なので、あまり関係ないのだが、他の友人たちもたくさん来ているといわれるとやはり緊張する。


普通のカラオケは少人数で歌って楽しむものだが、訓練プログラムと手を組んだライブカラオケは歌って楽しむだけでなく、自分のパフォーマンスと歌や楽器の演奏で、観客の流れをコントロールし、その反応の流れを楽しむゲームでもある。

設定によっては観客ドン引きの設定もあるようだ。たぶんそこまではしないだろうと祈りながら、秋友を見ると、ニコニコしながら中央に行けとうながしていた。


コイツ何も考えてないなと諦め、心を落ちつけるようにゆっくりと中央に歩を進める。


――――――――――――――――――――――――――――――――


足元の光のラインに沿ってゆっくりと進む。

行燈ゆきひとがステージ中央に入るとステージの床が淡く光り、足元から波紋が広がった。その波紋とともに観客側照明は消えていき、観客のスイッチが歓声から静寂へと切り替わる。

観客は行燈ゆきひとの声を求め緊張とともに歓声にかわる機会を固唾を飲んで待っていた。


「えーー・・・・・今日は私の誕生日のために集まってもらいありがとうございます。」


ゴゴゴ・・・地鳴りとともに

「キャーー」「ワーー」「オーー」

「ユーキーヒトーーーー!!!ユーキーヒトーーーー!!!」

「ハッピーバースデーイ!ユキヒトー」

割れんばかりの歓声。

物凄いハッピーバースディコールがコダマする。

きっと英雄補正でも付いているのだろう。もう何でも盛り上がる設定なのである。


振り返るとドラムの位置にいた秋友あきともがゲラゲラ笑っている。

行燈ゆきひと固いわwww。もっとノリノリでやってくれないと!」


行燈ゆきひと18才。

まあ、確かに気持ちいいwww。

しかし、1曲目がいきなりこの曲とは完全にハメられているのである・・・・

でももう仕方がない・・・・


ここは一発やってやると意を決し。

叫んだ


「うおおお、お前らいくぞ!俺についてこい!」


行燈ゆきひとの一言はマグマを呼び起こし、30,000人のボルテージは一気に最高潮に。

ステージから爆炎が燃え上がり、熱き歌声が聴衆に向けて響き渡った。


そしてこのライブからまた1つ英雄伝説が誕生したのである。



見ていただきありがとうございます。

次回よりやっと展開が動きはじめます。


こちらの作品の歌が下記より視聴できます。

●YouTubeリンク先

https://youtu.be/rponD59R2Eg


※こちらの曲、主人公行燈が一曲目に歌った曲を想定して作っています。

歌の方向性は、捨てられたエコー、主人を失い記憶も電源も限られギリギリの状況。それでも捨てた主人が戻ってくることを願っているというエコー。ある男がそれを見て我慢できず、ハッキング等の可能性も理解して引き取ってあげるという内容の歌です。

まあ、この時代ではこんな歌が流行っているのかなと・・・


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