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第6話:伝説の家政婦レシピ、解禁 ~血の誓いと胃の悲鳴~

祖母の魂を受け継ぎ、

健太さんの胃袋を、この手で救う。


【花子視点】


祖母の遺品として見つけたノート。


その表紙には、達筆な字で

『家政婦の極意』と書かれていた。


このノートが、料理ができない自分を変える

最後の希望かもしれない、と縋るような思いを抱いた。


「家庭料理の不在は、私の存在意義の不在なのか……」。


そんな問いが、私の心で渦巻く。


私は、あの時見つけた鍵付きの木箱を開けた。


中には、祖母の若かりし頃の写真があった。


写真の中の祖母は、

優しく微笑んでいた。


その写真の下から、

詳細な「伝説の家政婦レシピ」と、

祖母がかつて政財界や裏社会の要人たちを

影で支えた「フィクサー」であったことを示唆する手記が見つかった。


私は驚愕した。


「心を掴む! 究極の豚の角煮」。


「抗争を鎮めた! 魂の特製お好み焼き」。


一見普通の、しかしどこか奥深い料理の数々が、

そこに記されていた。


調理器具も、一見普通の包丁だった。


しかし、その包丁には、

巧妙に隠された機能があることに気づいた。


隠し調味料入れ。


私はさらに驚いた。


私は包丁を握る不慣れな手元で、

小指を浅く切ってしまった。


チクリとした痛み。


その傷は、これから始まる料理修行の、

小さくも最初の代償となる。


祖母の生き様に、心を揺さぶられた。


このレシピに、私の最後の望みを託すことを決意する。


このレシピが、料理ができない自分を再定義する

チャンスだと予感した。


「私=家庭料理の不在」ではない。


「私=心を満たす料理人」になれるかもしれない。


私の心に、確かな希望が灯った。


キッチンに立ち、レシピを広げる。


「人の心を掴むには、まず胃袋から……」。


祖母の声が聞こえるようだった。


(花子の脳内風景)


「祖母のレシピ……。

これが、私と健太さんを繋ぐ、

希望の光になるんだ……!」


【健太視点】


花子が、突然、真剣な顔でキッチンに立っていた。


手にしているのは、

見たことのない物騒な調理器具。


キッチンからは、

「香ばしいけど、なんか妙に複雑な」匂いが漂い始める。


俺の胃の痛みは、限界に近づいていた。


冷や汗が、額にじんわりと滲む。


「頼むから、クックドゥに戻ってくれ……!」


心の中で、俺は叫んだ。


花子の奇妙な行動に、不安が募る。


また、変なものができたら、

俺の胃は、もう耐えられない。


不安と胃痛で、頭がクラクラする。


花子は、何をしているんだ?


その鍋の中身は、一体……。


俺は、心配でたまらなかった。


(健太の脳内実況)


「ターゲット:花子、

謎の調理器具を使用中。

発生源不明の異臭を観測。

司令部(胃)、危険領域に突入。

クックドゥによる援護射撃を要請する!」


### 【2chスレッド:嫁のメシがまずい】


1 名前:名無しの健太 2025/06/12(木) 10:00:00.00 ID:xyz789

嫁が、なんか怪しいノート見つけてから、

さらに怪しい行動を取り始めた。


変な調理器具使って、

キッチンからヤバい匂いがする。


この匂いは、クックドゥじゃない。


もう、胃が限界。


2 名前:名無しの探偵 2025/06/12(木) 10:03:15.34 ID:abc123

家政婦の極意ノート、ついに解禁か!

その匂い、もしかして伝説の始まりか?

それとも、終わりの合図かwww


3 名前:名無しのメシウマ 2025/06/12(木) 10:06:20.56 ID:jkl456

胃の悲鳴が聞こえてくるぞ、健太。


クックドゥへの切望、分かる。


その匂いが、吉と出るか凶と出るか。


4 名前:名無しの人生相談 2025/06/12(木) 10:09:10.87 ID:def456

嫁さんも必死なんだろうな。


頑張れ、健太。


愛があれば、きっと乗り越えられる。



次回予告: 花子の初めての伝説の家政婦料理。

健太の胃袋は、奇跡を起こすのか?

それとも、さらなる地獄を見るのか?

次話:第7話 最初の伝説の家政婦料理の衝撃 ~美味だが胃が疲れる矛盾~

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