4 : クラスのウワサ
「おはようA」
「おー、おはよ お前昨日の竹添さんの爆弾発言聞いた!?」
こいつの名前は栄田栄太。通称A。目、鼻、口、人間の五感のいつくかを失った代わりに顔にAという文字が映し出されている。あれ、このAなんか立体的。
「ああ聞いた聞いた。ヤバイよな」
「一体誰に料理作ってるってんだよぉ!おれぇは...おれぇはぁよお..
」
こいつは紗英が普段うちに来て家事全般してくれる事を知らない。うちの父はここ1ヶ月は仕事先近くの賃貸に行かないといけなく、それに母もついて行った。紗英がい無かったら俺も連れていったんじゃないかという具合。
「まあ、ヤリサーの男とかじゃないはずだし、チャンスぐらいあるだろ」
Aは紗英にベタ惚れだ。恋だ。焦がれる思いと書いて恋。
モブ男の恋愛に本気を出しても撮れ高ないぞ俺!
「え、紗英ちゃんがいつも料理作りに行ってるのって弓波くんのお家じゃないの?」
「「え、」」
バラシやがった!
「ちょ、モブ男の夢を壊すなよ!可哀想だろCが!」
「Aだ!つか聞こえてんだよ!」
「あれ、知らなかったの?周知の事実じゃない」
このバラシやがったバカ女は多摩川 小冴。
彼女の紹介は...まあ別の機会に。
「なんだとー!?ホントなのかよ圭!」
「...まあ本人に聞くのが1番信憑性高いだろ。本人が否定したのならそれを信じて縋ってればいいし、認めたのなら絶望してろよ」
「辛辣すぎじゃないのよ」
タイミング良く紗英が教室に入ってくる。一緒に登校したが用事があるとかで先に俺が行く事になった。
「俺は一筋の明るい希望のために飛ぶぞ!人類の!」
「明るいミライを!」
「テラシマショウ!いっくぜ!」
勢いづいて駆け出したN。その背中には背水の陣とでも呼ぼうか、失うものは何も無い。負ければ死ぬ。それだけだ。と言った武人の思想が伺える。
「竹添さん、君がいつもr「あ、圭くん。さっき農家の先輩からこの前のお礼にって春キャベツ貰ったんですよ。今日は午前授業だから状態も悪くならないし、夕飯はロールキャベツにしませんか?」グぼガハァっ!」
あ、死んだ。こんなんだったら予め「オイオイ死ぬわアイツ」って言っとくべきだったわ。
しかしこいつは四六時中、家事のこととか料理のことばっか考えているのだ。
なんというかオカン属性というか...そうだ
「ロールキャベツか。いいねママ。俺それがいい」
「...!」ゾクゾク
何となくママと呼んでみたが高揚してるように見えるのは気のせいか?
「ねえアンタ」
小冴が顔を寄せて、他に声が盛れないように話しかけてきた
「アンタ紗英ちゃんになんかした訳?発情したみたいにゾクゾクしてるじゃない」
発情?は?まじかよ
いや、ぶっちゃけ予感はあった。過去にも
過去の記憶を思い返す。
「................................................................................................」
うん、色々あった。逆になんで勘づけなかった俺。というレベル
これからママ呼びは原則にしておこう。そう俺は未だ顔が赤くどこか遠くもみながら妄想の世界にいる紗英を見て。心のメモ帳に書き記した。
ルーズリーフなので破って捨てるまではお約束。
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タイトルまだ仮名なので、なんか良さげなのあったら教えてください!