ここは…
「ここはどこだ…」
辺りを見渡し、私の遥か頭上に存在する地球を見つけ、ここが地球ではないどこかである事を理解する。次の瞬間、そんな私の問いに答えるように声が聞こえた。
「ここは月だよ」
声のする方を見ると、自分と姿形の同じ者がこちらを向き立っていた。私は思わず尋ねる。
「月…?」
「そう、月。…僕らは亡くなると月に来るんだ」
と、一匹のウサギは答えた。
「ここはどこだ…」
光も熱もほぼない冷たい世界で私は呟く。どこからか声が聞こえた。
「ここは海王星だよ…。僕らタヌキは亡くなると…」