ハロウィンのお菓子なおかしな、お話
こんにちは。お久しぶりの方はお久しぶりです。
ハロウィンにちなんだ、怖くない話を書きたく書きました。
元々、幼く作っていたので少々改良しました。
どうぞ、よろしくお願いします。
10月31日はハロウィン!
子どもたちは仮装して近所の家のチャイムを鳴らして合言葉の「トリックオアトリート!お菓子をくれないと悪戯しちゃうぞ」と言って、家の人からお菓子を貰います。
ハロウィンは魔除けでもあり、魂を成仏させたり、秋の収穫に感謝する儀式です。
そのためにハロウィンに参加できない子がいます。
その子は幼い魔女の子です。
ハロウィンの日は、魔女の力が強くなり、いろんな人の魂を抜いたりしてしまいます。
大人の魔女は制御できても幼い魔女の子は制御できないので必ずといっていいほど、ハロウィンの日に外に出れば死人が出るのです。
それを分かっていても、幼い魔女の子はハロウィンに参加したかったのです。
この魔女の子サナは人一倍、魔女の力が強くて、ハロウィンの日に一歩外に出ればたちまち街は崩壊する。窓から外を見ても死人が出る。 なので、母上からも伯母上からも言い聞かされ、当日は真っ暗な部屋に監禁されます。ハロウィンがの日ががんじがらめの拘束の日なので、その分、欲も強かったのです。
サナが10歳の今年。サナは「もう10歳なんだから」と親に抵抗しましたが首を横に振られるだけ。
その様子を見た猫のおともは言いました。
「その力を全てキャンディにかえるんだ!
勇気があれば魔女の力も変えられる、頭の中をキャンディいっぱいにするんだ! 君の膨大な魔女の力なら出来るさ。試しにやってごらん」
猫はそう言うとでっかいかぼちゃを魔法でポンと出しました。
「難しいよ」
「できるよ。 何かあったら僕が補助してあげる。だから、勇気を出して」
「・・・うん・・・」
サナは無理無理言いながらも猫に背中を押されながら杖を振り「ケーキにな~れ」と言うとかぼちゃが動きだしたではありませんか。
「やあ、僕はジャック・オー・ランタン!
君の願いは聞いたよ! じゃあね、ハロウィンの夜に僕と一緒にお外に出てトリックオアトリートと唱えてね!そしたらハロウィンの特別な魔法をあげる」
ポン!
かぼちゃがそう言うと、元に戻りました。
「う・・・うん」
半信半疑でサナはハロウィンを待ちました。
そして、31日。ハロウィン当日。
親は猫に説得され、サナはかぼちゃを持って外に出ます。近所の子どもたちは、「出てこない子がでてきたぞー」となんだなんだと言わんばかりに集まってきました。サナは周りの目線を気にしながら不安になりながら杖をふりあげました。
「トリックオアトリート!」
その途端、子どもたちは逃げて行きました。
が、同時にかぼちゃが動き出し頭がぱかーんと割れてキャンディが出てきました。
「僕を信じてくれてありがとう!じゃあ、特別な魔法をプレゼントするよ!」
そう言うとかぼちゃの開いた頭がふさがり飛びました。
「ハッピーハロウィン! 良いハロウィンを!」
パーン
かぼちゃがそう言うと、消えてキャンディの雨となりました。
家の中に逃げた子どもたちはいっせいに出てきてキャンディをむさぼります。
そして、サナは良い魔女とされハロウィンに打ち解けていきました。
楽しいひと時を過ごしました。
その夜。楽しいひと時を終えて、寝室に入りました。
部屋に置いてある動かない、ただの置物のジャックに魔法の呪文をかけましたが反応はありません。
「ジャック・・・・ジャック!」
呪文をかけても動かぬ、かぼちゃ。 そして、今、サナは悟りました。
―自分を犠牲に良い魔女にしてくれた―
その事に気付き、涙がとまりません。
泣いていると目の前のかぼちゃはカタカタ動き出しました。
「ジャック・・・」
「君が幸せなら僕はいいよ!
僕はね昔、悪いことばっかりしていたんだ。それで僕は天使様の所にいけなかったの。天使様の傍に行きたかったら良いことしないって言われたの。だから僕はこれで天使様の所に行ける! ありがとう!」
「ジャック! 私の傍にいたら・・・あああ・・・消えちゃった」
ジャックはそう言い、サナの言い分を聞かず消えました。言う通り、天使様の所へ帰っていったのだろう。
「ジャック・・・・ジャック・・・え?」
しばらくして、サナの体から何かが抜けました。
「あれ?」
魔女の子は杖をふってみましたが何も起きません。
「まさか・・・にんげんになったの? これでハロウィンに来年から普通にでれる! ありがとう・・・ありがとう・・・ジャック・・・こんな素敵なプレゼントまで・・・」
サナの体内にある魔女の力がジャックによって抜かれたようです。
サナは哀しいお別れと引き換えに奇跡を手に入れました。
それからというもの、魔女の存在は悪い物でなくなり、魔女の力を持った魔女も人間に打ち解けていきました。それは、紛れもなくジャック・オー・ランタンのキャンディの雨のおかげです。
ジャック・オー・ランタンが起こした、おかしなお菓子のお話でした。
―終-
最後まで読んでいただきありがとうございます!
お疲れ様でした。