思いはどこへ
普通高校に通う部活を頑張っていた普通の高校生富島理沙。高校三年生になり、部活が終わった事で恋をしたい衝動にかられる恋愛経験0の女の子のちょっと切ないホッとするストーリー隣の高校に通う隅田川 咲に恋をした。
ブーーー。次は桜ヶ池。お降りの際は押しボタンをおおし下さい。次、停まります!
彼は何も言わず降りていった。
彼と出会ったのは高校三年の秋だった。一年から三年の夏まではバレー部で部活部活の毎日だった私は。恋愛に寄り道もせず、ただ、学校、家学校の繰り返し…
夏が終わり、私がいた東部第三高校のバレー部は県大会でベスト16。決して強いわけてはなかだか、それなりに高校の青春を純粋にバレーと仲間と汗と涙…に注いだ。
私は、解放された。部活。上下関係。縦社会。顧問の先生からのプレッシャー。そして、汗臭さ。
今日からは私はら女子になる。
メイクも覚えてオシャレもして…恋もして…
これからが本当の高校生活‼︎
エンジョイするぞ〜‼︎
あー。放課後部活なしで帰るのなんて〜こんなに贅沢な気分初めて〜
「ブーーー。柳下。柳下。」
背の高い男の子が入ってきた。バスはわりと満員。私の隣が空いていた。
「隣いいですか。」
「はい。」
男の子とこんなに近い‼︎‼︎初めてだっ‼︎
なんでだろう。クラスには男の子もいるのなんでこんなに緊張するんだ。近いからか⁈
久しぶりだからかな。
バスの窓からは夕方の西日が当たる秋の暖かい日の午後。
私はだんだんと眠たくなってしまった…
ふと目を瞑ると、幼稚園の光景が思い浮かんだ…
私は家の近くの幼稚園には通わず、親が決めたキリスト教の幼稚園にバスで通っていた。
バスは毎日幼稚園の指定のランドセルに定期が付いていて運転手さんにそれを見せてバスに乗り、降りる時もその定期を見せて降りていた。
私は、いつも後ろから2番目の席が窓が変わっていて好きだった私はいつもその場所に座っていた。そこから家に帰るまで外を眺めて帰っていた。
ある日私のお気に入りのバスの場所に知らない男の子が座っていた…
あーぁ。いつもの場所取られちゃった…
残念と思ってその前に座った。
すると、後ろから椅子の上に顔がひょっこっと出てきた。
ねーね、
と男の子が私に話しかけてきた…
君…いくつ?年。
4歳。
君はいつもこのバスに乗るの?
うん。
僕も4歳だけど…バスに1人で乗ったのは初めて…
すごいね。
とても優しい笑顔で微笑んでくれた。
ハッ。夢⁈
寝ちゃった…
しまった…
アレ?なんと…
隣の男の子…の肩ではないか…
大変申し訳…
あれ?寝てる⁉︎
よくよく顔を見たら
ん?
なんか見覚えあるような…
すると、彼が何だか演技がかったセリフで…
「ふぁ〜ぁよく寝た…」
うわ⁈
「あれ?ここどこだろー。オレ寝ちゃったんだ…」
目があってしまった…
「ここは…ひまわり通りです。」
「すみません。私が寝てしまってたので…起きるに起きれなかったんじゃないですか⁇」
思い切ってたずねてみた…
「いやぁいゃ。今ちょうど起きたところだから〜全然そんなことないよ〜」
と笑顔で答えてくれた。
そして彼はひまわり通りの外れのバス停で降り、反対車線に向って歩いて行った…
申し訳ないことをしてしまった…
またどこかで会えたらしっかりお詫びをしよう。
心にそう声をかけた。
あれから同じ時間に同じように帰っても彼には会えなかった…
あの子もきっと部活だったのだろう…
年下ぽかったしなぁ〜
また、いつか会えるかな〜なんて思って
1週間がすぎた頃
「ブー。次柳下。お降りの際は押しボタンでお降りください。次、止まります。」
その時だった…
彼が入ってきた…
しかし、彼女らしき人と仲良く入ってきた…
なーんだ…彼女いたのか…
まぁーそぉだよなぁ。
年下だし、合わないだろうし…
あんまり好きになる前で良かった。私の悪い癖が出てしまう所だった…
彼は彼女と話をしていて私には気がついていない。
まぁー知り合いでもないし、気がつく方がおかしいのか!
逆に気がついた私は…何だろう?
ー次、桜ヶ池。
ー降りる際は足元にお気をつけください。
「アレ?降りないの?」
「あっぁ…ちょっと寄るところあって…」
「へぇ〜どこ?」
「いいだろ⁈お前には関係ない…」
楽しそうにイチャイチャしている様子が見てとれた。
彼は次の桜ヶ池では降りなかった。
ー次ひまわり通り 降り
ーピーポーン!
ー次停まります。
ひまわり通りで彼女さんと見られる子は、降りていった。
また明日ね〜
ー次、横溝団地 降りの際は押しボタン
ーピーポーン
ー次停まります。
横溝団地はたくさんの学生や子ども連れの主婦がごっそり降りていった。
バスの中は一気に静まり返り運転手さんと私たちだけのようだった。
後ろが見れない。あと何人乗ってるのかな?
彼はまだ乗ってるのかな?
見れない。
すると、
「隣いいですか?」
彼が話しかけてきた!
どこか見た事のある他校に通う男子高校生にどこか目を奪われてしまった。これが初恋?なんて思いながらも、彼女がいる事をしり、恋愛や恋する事に臆病になる情けない自分を見つめ直して前に進めるか…恋愛がしたいあなた?勇気をもらえるような恋愛ストーリーならコレに決まり‼︎