元狂
人は人の為にどこまで自分を犠牲に出来るのだろうか?
その中には必ず光と闇がある
果たして俺は、どうしたいんだろう?
初めて人を傷付けた事を覚えている人間は、この世界にどれくらいいるだろう?
大抵の人間は初めて人を傷付けた事など覚えてないと思う、それが幼い時なら尚更だ
言葉や暴力など、人を傷付けるのには様々な手段がある
それは例えどんな理由があろうとも、傷付けた側が常に罰せられるのがこの世の理だ
しかし幼ければ幼い程、簡単に許されるのもこの世の理だと言える
俺が初めて人を傷付けたー殺したのは俺がまだ5つの時だった
状況説明は至って簡単で、手段も実にシンプルだ
俺と同じ保育園に通っていた子供とおもちゃの取り合いになり、おもちゃの取り合いは叩き合いに変わった
そして俺はその子供を思い切り突き飛ばし、子供は散乱していたおもちゃの鋭利な部分で不運にも首の動脈を切り、出血多量で呆気なく死んだ
その事実に保育士が気付いたのはそれから数分後のことだった
保育士は他の子供の排泄を見ていた為、俺たちに気づかなかったのだ
そのせいでその保育士は責任を問われ、俺の両親も保育士と同じように責任を問われた
俺にはわからなかった、死という意味を
死という事柄を
それからの俺はいつの間にか両親にも見捨てられ、児童養護施設に預けられた
その児童養護施設に入ってからの俺は徐々に徐々に人とはかけ離れていった
人を傷つけるのになんの躊躇いもなく、何故それが罰せられるのかがわからなかった
今になればそれも納得がいく、何故ならその児童養護施設は基本からして異常だったからだ
その児童養護施設は街外れの山奥にあり、職員はみな子供に対する意識が全くと言ってなかったからだ
部屋内でイジメや喧嘩があろうとも干渉せず、怪我をしても一切処置もしない異常ぶりであった
そんな狂気の館とでも言うような施設で過ごせば嫌でも人は狂うものだ
さて、この施設の話はいずれするとしてここから先は俺が高校入学を果たした時からの話をするとしよう
非常に読みにくいかも知れませんが精一杯作り上げていきます
零とその周りの様々な出来事に目を通していただければ幸いです
どうか最後までお付き合いください、よろしくお願いします!