第三の生の始まり
ここは何処だ?確か俺は戦で死んだはず。
ここは見たところ森の中のようなんだけど。落ち着け、俺。
俺は忍者だ!こんなことで慌ててられるか!まずは情報収集だ
な。ここがどこか分からなきゃあ何も使用が無い。
森の中を歩いていると、
あ!木に登って回りを確かめればいいじゃん。
俺は木に登る。このぐらいは毎日当たり前のようにやってた
から普通に出来る。
体を使ってもなにも異状はないな。
木の頂上にたどり着くとそこには遠い昔に見た自分の故郷に
似た風景が遠くに見えた。
!!!
あれは!あれは俺が生前に見た建物!俺は帰ってきたのか!
?
そういえば前も気が着いたら森の中だったよな。あの時は親 父に拾われて、北条の忍者になって、何か風を操れるように
なって、最後に戦で死んで。
訳分からん。
う~ん。この時代だと俺の服目立つよな。悪けりゃ警察行き
か。
そう、戦国時代を生き抜いた俺の服装は親父が着てた服を少 し小さくして、背中に二本の短刀を持ってる。
これはやばい、銃刀法違反だし、戸籍無いし、助かる術も無 い。あるのは砂金が入った袋・・・。
はい!?なんで砂金が入っんだよ!俺は戦場に何持っててん
だ!
たっくよ~道理で懐が少し重いと思ったぜ。俺バカだ。でも
まあそのおかげで今回は助かったかも知れないけどな。
そんな事を考えながら森を出るために森を歩いて、しばらく
、人の気配がした。
人だ!と思ったけど、この服装で会ったらまずいよな。でも
見るだけ見てみるか。
俺は気配を自然に同化するように精神を統一し、足音を消し
走る。
少し走っていると人が見えてきたので、木の上に乗る。
そこにいたのは一人の女と三人の男だった。真ん中の男がなに やら話してるようだった。
「おとなしく着いてきてくれませんかね?我々も女性相手に
手荒なまねはしたくないんですけどねえ」
「断る!誰が貴様の様な奴らに従うか!」
(何か不穏な空気だな、それにあそこに居るの女性って言う より女子だな。年も俺と近い15~16だろ)
「そうですか。ならしかたありませんね。少々痛い目にでも
あってもらいましょうか!」
その言葉を合図に左右の二人が女子を囲む用に移動する。
(まずいな。この世界のこと色々と聞きたいんだけどなぁ。
実力も分からない相手と正々堂々は愚の骨頂。なら!)
俺は、木から木え音もなく、飛び移り男の一人の背後を取る
。煙球無いけどまあ大丈夫だろ。
トン
乗ってる木の枝を蹴り男の背中に蹴りを入れる。
「なにも!」
もう一人の男が驚いてる隙にみぞを殴る。
「ぐぼぉ!」
うめき声を上げながら男は倒れ付す。
「何者ですか?あなた」
最後の一人が俺に問いかける。
まあ戦闘中に喋るほど俺も馬鹿じゃないんで無視する。
「無視ですか。なら力ずくで!」
男の姿が消える。
(!!!消えた!高速移動か!?違う走ってる気配がしない
。っ!!)
俺はとっさに横に飛ぶ。するとさっきまで俺の首があった位 置に男の足があった。
「おや?私の短距離瞬間移動を避けますか」
(こいつ、手の内明かすとか馬鹿じゃないのか?でも方法が
分かれば避けるのはそう難しくは無い。おそらくあいつは
次は俺の死角から攻撃するはず)
シュン
男が消える。
(そこだ!)
俺はしゃがみながら体を捻って後ろを向き、背中にある小太刀
を抜き前に突き出す!!
ザクッ!
すると肉を刺す感覚が手を襲う。
「ぐぅ!」
小太刀は男の脇腹に刺さった。
「げほっ!ごほ!っく!今日は退きます!」
男は能力を使い、倒れている男二人を回収して消えて行った
。
俺は小太刀に付いた血を掃い鞘に戻す。
俺は助けた女子の方に向き直る。すると女子が頭を下げてき た。
「助けてくれて感謝する。貴方が着てくれなかったら私はあ いつ等に連れ去られていただろう。お礼がしたいのだが名 前を教えてくれないか?私はほうじょ――――」
「ぐぅ~」
彼女の自己紹介を俺の腹が遮った。
自重しろよ俺のはら!
二人の間に沈黙が流れる。不味い!気まずい、こんなときど
うすれば・・・
そんな事を考えていると、
「お嬢様ーーーーーーーー!!!!」
執事服を着た青年がもの凄い速さで走ってきた。
「貴様ぁ!お嬢様に何お!!」
青年は俺を見るなり殴りかかってきた。
俺はそれをしゃがんで避ける。
青年は地面に着地すると体を俺に向ける。
「お嬢様から離れろ!」
青年は俺に再び襲いかかろうとするが、
「やめろ!」
後ろにいる女子からの怒号で動きを止める。
「この方は私の恩人だ!私が危ないところを助けてもらった
のだ」
「な!」
青年はわなわな震えている。
どうしたんだ?
「す、す、すいませんでしたーーー!」
青年は叫びながら土下座した。
「いや別に、気にするな」
「しかし、私はお嬢様の恩人になんてことを!かくなるうえ
はこの腹をかっさばいてお詫びお――」
めんどくさくなりそうなので、気絶させた。
「うちの者がすまなかった。取り合えず家に来てくれないか
?そこでお礼がしたい」
「わかった」
行く当ても無いし、俺は素直についていく事にした。
三十分ぐらいだろうか?歩いていると、かなりでかい屋敷が
めに留まった。まさかあれか?本人もお嬢様って呼ばれてた
し。
「さあ着いたぞ、ここが私の家だ」
女子はそういいながら、大きな門の近くに立ち呼び鈴のよう
なものをならす。
すると、
屋敷の中から、一人の老年男性が出てきた。
「お帰りなさいませお嬢様。こちらのお方は?」
「詳しい事は中で話す」
「畏まりました。お客人もこちらへ」
俺はその人に従って屋敷にはいる。
「しばらくこちらの部屋でお待ちください」
俺はが入れられた部屋は大きなリビングのようなものだった
。
そういえば、俺この格好で街歩いてたけど大丈夫だよね!お
嬢様って言ってたから護衛って思われてたらいいけど・・・
そんな事を考えていると扉が開いた。
そこには40代ぐらいの男女と、助けた女子がいた。
「このたびはわが娘を助けてくれた事に感謝する」
「私からもお礼を言います。ありがとう」
どうやらあの二人は両親のようだ。
「お礼に関してなんだが――――」
「ぐぅ~」
俺の腹がまた遮った。もう簡便してくれ。
「その前に飯にするとしようか」
「すみません」
しばらくして料理が来て、俺はそれを全て平らげた。
「それでお礼の事なんだが、おっとその前に名前を教えてく れないかな。私は、北条雅時<まさとき>という」
えっ!北条って!
「私は妻の北条昌美<まさみ>といいます」
「娘の北条朱里<あかり>だ。あの時は助けてくれた事に本 当に感謝する」
俺が少し驚いている間に自己紹介は終わったようだ。
「俺は―――政―――風魔 政<まつり>だ」
その瞬間空気が凍ったような気がした。




