第28話 ヨハマ村にて
今、アラバ達はヨハマ村に近づきつつあった。
「ところでナリア?その背中の光るものは何?」
アラバがナリアの背中にある銀色の卵に注目する。
「あぁ、これかい。これはさっき戦った狩人から奪った銀の卵よ。」
「何の卵なんだ?」
アラバが頭に?を浮かべている。
「良かったら育ててみるかい?
私達には必要のない物だし。」
アラバはナリアから銀の卵を受け取り、角と角の間に挟んだ。
そして、移動中に所々で偵察中のジャギィに会ったり別れたりを繰り返しつつ村に向かって進んで行った。
村に到着。
アラバの後ろには10メートルの大和と霊真が2体、狼の姉弟が4体、少し弱気なクロスが1体。
普通なら村人は逃げ惑い、ハンターの痛い歓迎を受ける筈だが、
「ん、アラバの友達か?」
と、全く驚かない村長と、
「遊ぼ~!!」
と、サンとコウとファイに向かって走っていく村の子供達。
すっかりモンスターへの警戒心が薄れてきている。
そして、6人の村の子供達と、サンとファイとコウがモンスター用の増築したスペースでじゃれあい始めた。
「なんだろう、この和やかな感じは・・・」
アラバが周りを見ると、村長と村長のせがれと村人、看板娘に、クロス、ナリア、大和、霊真の全員が、子供達とコウとファイとサンのじゃれあう様子を物凄く柔らかい目で見守っていた。
「そう言えば、村長に質問と報告がありますが。」
「なんじゃ?」
「地響きの原因は海竜ではありませんでした。
彼も被害者であり、犯人ではありません。」
「なるほど、わかった。
で、質問は?」
「紅蓮は何処ですか?」