第16話 塵も積もれば山となる。 小強竜も集まれば強くなる。
アラバは周辺を見まわす。
「ここには、鶏肉はねぇのかな。」
孤島にいるのは、警戒している草食竜と、さっきから水玉をぶつけてくる鉄砲魚と、アラバに群がっている小強竜位だ。
アラバが群がってくる小強竜を追い払っていると、鼻に<つん>とくる匂いがした。
「この臭い匂いはあいつか?」
アラバが匂いがする方へ行ってみると、案の定小強竜の巣に凶悪龍がいた。
頭に歯形がついている。
渓流にいたあの凶悪龍だ。
今小強竜の長、長強竜5頭と小強竜約1000頭が応戦していた。
小強竜ことシャギが100頭位の塊で凶悪龍ことイルビに掛かっていくが、弾き飛ばされている。
「あの時の恨みもかねて御礼をしてやろう。」
アラバは少し離れ、気付かれないように上昇した。
そしてイルビに狙いを定め、急降下。
イルビがアラバに気づいたが、既に遅し。
アラバの角がイルビの背中に突き刺さっていた。
アラバはイルビに悲鳴を上げる時間を与えぬまま、地面にのめり込ませた。
一瞬でイルビの右半身がめり込み、辺りには赤黒い血がドロドロと流れ出した。
「よしっ!!御礼完了。」
「「「「「うおおおおおおおおおお」」」」」
「「「「「うおおおおおおおおおお」」」」」
「「「「「うおおおおおおおおおお」」」」」
「「「「「うおおおおおおおおおお」」」」」
「「「「「うおおおおおおおおおお」」」」」
ドスシャギとシャギが歓声をあげた。
すると、一匹のシャギが「俺たちのアニキになってください!!」と叫んだ。
その一言を境に、アニキコールになった。
しかも、ジャギィの長のドスジャギィまでアニキコールをしている。
アラバは照れくさそうに「いいんじゃね」と一言。
「「「「「「「「「「ウオオオ!!!」」」」」」」」」」
再び歓声があがった。
今ここに、アラバ率いるシャギ軍団が結成された。




