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僕の不思議な物語  作者: 犬のぬいぬい
第一章
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第9話

「よし、次は雑貨屋に行ってみるか」


そうして城下町の方に歩き始めた。


「確かこっちの方にあったはず……」


僕は地図を見ながら道を進んで行った。

しばらく歩くと看板が見えてきた。


「ここかな?」


店の前にはたくさんの品物が並んでいた。中には見たこともないような物もあった。


「いらっしゃいまセ。何かお探しデ?」


店員らしき人が声をかけてくれた。なんでカタコトナンダ?


「えっと、今日から冒険者になったんですけど冒険者にとって必要なものを見繕ってほしいのですが……」


「あリますヨ!こちらにドウゾ」


そういうと店の奥へと案内してくれた。


「ここですネ。ここには冒険者に必要なものが揃ってマス」


そこにはナイフやロープ、松明など色々なものがあった。


「まず火打石デス、それとナイフ、革製の水筒、折り畳み式の鍋、素材袋、それとロープと塩デス」


おぉ、こりゃまた結構多いな。というかロープと塩って必要か?


「すみません他の物は分かるんですがロープと塩って何に使うんですか?料理?」


すると店員の目がかっと見開かれたかと思うとすらすらと喋り始めた。


「お客さん、ロープはデスネならず者を縛り上げたり、トラップ等に使用したり、流血を止めるために縛ったりと様々な用途で活躍するのデス!他にもたくさん用途があるのですが持っておいて損はないデス!」


ほぇー、ロープって意外に使い道あるんだな。


「それと塩はデスネ抗菌作用があるので料理には欠かせないデス!燻製に使ったり、栄養のために使うのデス!」


なるほど。深いな……。


「特に冒険者の人が一番気を付けないといけないのが熱中症デス!」


熱中症!?まじかよ異世界に来てまで聞くとは思わんかった。いや、むしろ異世界だからこそか……文明的には中世に近いからな。あんなに近未来の日本ですら熱中症で子供から大人まで死ぬのだから、こんな発展途中の世界なんて熱中症が一番怖いんじゃないのか。


「塩を定期的に舐めるのではなく水筒に塩を一つまみ入れて頂きますと熱中症予防になるのデス!ぜひお試しください!デス!」


最後言い忘れたかのように付け足したな……。ふむ、やっぱり現地の人に話しを聞くと為になるな……。こんなの日本人の8割ぐらいは知らないんじゃないのか……。車の中に子供やペット置き去りにするぐらいだし。


「それとお客さんサービスで低品質回復ポーションと低品質解毒ポーションを付けますヨ!これがあればちょっとした切り傷なら忽ち治りマース!解毒ポーションもC級以下のモンスターの毒を解毒してくれマース!全部で銀貨15枚デース!」


おぉ!色々サービスしてくれた!というかポーション初めて見た!すげー色してるな……飲んでも大丈夫なのかこれ……。


「ありがとうございます、それでお願いします」


「まいどありデーース!」


一通り買った物を腰に装備したり、カバンに詰めていく……。


「あ、そうだ店員さん食料を調達したいと思ってるんだけど冒険に出るならどんな物がいいかな?」

そう聞くと少し悩んだ末に答えてくれた。


「そうですネー。ワタクシ食材などを取り扱ってるわけではないのでしっかりとしたアドバイスが出来ませんが干し肉とチーズ、黒パンがオススメデース!」


え、チーズ?常温で大丈夫なのか?というかそれしかダメなのか。


「どうしてチーズなんですか?溶けません?てか腐りません?」


それを聞いた店員さんはちょっと驚いた顔をしてから笑っていた。


「HAHAHA、お客さん面白い人デスネ!チーズは高温殺菌した後に乾燥させたチーズだから大丈夫デース!水分があるチーズは保存できないし高いので貴族や王族しか食べないデース!」


そ、そうなのか!初めて知った……。チーズは全部冷蔵だとばかり思ってた……。あれ、そういえば粉チーズって常温でもOKなんだっけ。まじで僕、世間知らずだな……。


「知らないことばかりで驚きの連続でした、ありがとうございます」


「いえいえ、気にしないでくださーい。それよりここまで知らないなんてもしかしてお客さん貴族だったりしないですヨネ?」


今度は店員が青い顔し始めた……。この人喜怒哀楽激しいな。


「貴族じゃないから大丈夫ですよ、すごいド田舎から来た世間知らずな若者です」


そういうと店員は安堵した。


「ヨカッタヨー、これで貴族だったら首が吹っ飛んでたネ!」


そういってケラケラ笑っていた。


「ではお客さん、また必要なものあったら来てくださいネ」


めちゃくちゃ手を振りながらお見送りしてくれた。


「はい、また来ます」



僕も手を振りながら店を後にした。


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