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僕の不思議な物語  作者: 犬のぬいぬい
第一章
5/9

第5話

チュンチュン……チチチ……

小鳥の囀りが遠くから聞こえる……

ふわぁ~……すごく気持ちがいい……

なんだろうこの気持ちどこかで……すごく身に覚えが……

まぁいいか……もうひと眠りしよう……zZZ


「……?」


何か忘れてないか?


「はっ!?」


起き上がると草原のど真ん中で寝ていた。


「どこだよここ……」


僕は混乱しながら立ち上がってあたりを見渡した。


「……はぁ、夢落ちとかそういうオチはないのか……」


完全にあれだ、あの女の人が異世界に飛ばす愉快犯だったって訳だ。


「勘弁してくれ……」


どうやら異世界に飛ばされたようだ。


「とりあえず人のいる場所探すか……」


そう思い、歩き出そうとすると……


「ん?なんだこれ?」


青い水球のようなものがぽよんぽよん跳ねながら進んでいる。


「すげー、水が弾んでる……もしかしてあの有名なスライム?」


RPGゲームによく出てくるやつと同じ動きをしている。


「ぷるっぷるっ」


しかも鳴き声まで聞こえてくる。


「可愛いなぁ……」


そう思って近づいてみると


「あっ!」


バシャッ!


「ぶべら!!」


勢いよく体当たりされた。


「いっって~……こいつ……」


「ぷる?」


不思議そうな顔をしてこちらを見ている。


「おい、何すんだよ」


僕は怒りをぶつけるようにスライムを掴もうとした。


「ぷるっ!?」


「え?」


スライムは逃げるように僕から離れていった。


「くっそ~、逃がさないぞ」


僕は逃げた先に回り込んだ。


「捕まえた」


僕はスライムを捕まえようと手を伸ばしたが、スライムは素早い動きで僕から距離を取った。


「なんだこのスライム、動きが早すぎる。普通スライムって最弱モンスターじゃないのか?俺が弱いだけ?」


そんなことを思っているとまたもや突進してきた。


「うおっ、危ない」


僕はそれをなんとか避けて、改めてスライムを観察した。


「はは、こいつめっちゃ怒ってるじゃん」


僕に攻撃を避けられたのが相当悔しかったらしくすごい形相で睨みつけてきた。


「ほれ、来いよ」


挑発するように手招きをしたが、スライムは何もせずにじっとしていた。


「あれ?なんで来ないんだ?」


そう思っていると、スライムはいきなり僕に向かって飛びかかってきた。


「うわっと、ちょまっ」


間一髪避けることが出来た。

(あぶねー、今の当たってたら絶対痛いじゃ済まないだろ)

僕は冷や汗を流しながらもスライムに視線を向けた。


「ん?」


よく見るとスライムの中心を宝石のようなものが浮かんでいる。

(もしかするとあれが弱点だったり……?)


「一か八かだけどやってみるか……」


そういうと僕は下に落ちていた木の棒を手にした。


「いくぞ!」


僕は木を振り上げ、そのまま振り下ろした。

驚いたスライムは回避が間に合わずそのまま当たった。

パキッ……ドサッ……


「え?」


一瞬の出来事だった。スライムは抵抗することなく呆気なく死んだ。


「嘘だろ……こんな簡単に倒せるなんて……」


僕は驚きつつもスライムが消えた場所に近づき、さっきの宝石を手に取った。


「へー、ちょっとヒビが入ってるけど奇麗だなぁ」


スライムのコアは赤色の奇麗なビー玉のような形をしていた。

宝石を眺めていると急に身体がすごく軽くなったような活力に溢れた。


「なっ、なんだ!?めちゃくちゃアドレナリンが沸き上がるような感じがする!」


身体が火照ってる、今なら何でもできそうだ。


「もしかしてこれがあの異世界でいうレベルアップってやつなのか?」


僕は試しに近くにあった岩を殴った。すると……

ゴキィ……


「い、いってぇ!!!」


流石に俺TUEEEとはいかなかった。


「ぐぅぅ……血が……流石に割れるわけないよな……はぁ……あ、でもよく見ると岩がえぐれてる、まじか……」


壊れるまではいかなかったがハンマーで殴ったような跡ができていた。


「すげぇな……レベルアップ、このまま上げたらいつか割れるかな、ちょっとかっこいい……」


意外に年相応なところもあった。


「てか、このままだと流石にまずいよな。言っちゃえば今サバイバル状態じゃね?カバンに飲みかけのお茶とプロテインバーはあるけど1日ぐらいしか保たないし早いとこ人の居るところに行かないと……」

(というかここって人いるのか?)


何かないかと草原を見渡してみる。すると遠くに城壁のようなものが見えた。


「ん?あれ壁じゃね!?すげー遠いけど」


かなり離れているためはっきり見えないがどうやら壁のようなものがあるようだ。


「よし!とりあえず行ってみるか!」

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