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第1話
学校の帰り道、僕は一人で家に帰ろうとしていた。
なんてことのない普段と変わらない日常、そして帰り道。そう、なんてことなかったんだ、あの小道に進むまでは。
「ん?こんなところに小道なんてあったっけ?」
僕はそう言うと、人の通った形跡のない獣道を眺めた。
「なんだろう、ちょっと気になる……」
少しだけ興味が湧いたので、その獣道を進んでみることにし、僕は歩き出した。
しばらくすると、開けた場所に出た。
そこには、古びてはいるものの立派な造りをした祠があった。
「へぇ……結構綺麗なところだな」
祠の周りには花々が咲き誇り、とても神秘的な雰囲気を醸し出していた。
「あ、これって……!」
祠の近くには小さな石碑があり、そこにはこう書かれていた。"この先、
「……えっと、何々?
『この先、死者の眠る地なり』……か」
それはつまり墓地のことを指していたのだ。
「……行ってみようかな」
何故だろうか、僕はその時、そこに行かなければならないような気がした。だから
「ちょ、ちょっとだけ……」
僕の足はその方向へと進んでいた。
しかしこの時の僕はまだ知らなかった。
これから起きる出来事を……