コルデという女~前編~
涙が止まらない。
王妃という、国で一番偉い女性になれたら、二度と誰からも、あのような視線を向けられないと思っていたのに。それなのに、また……。
◇◇◇◇◇
陛下に気に入られてから、どれだけの場面、頻度で馬鹿にされてきたことか。
金で爵位を買った、成り上がり者の娘。歴史も功績もなく、ただ陛下から愛されているだけのくせに。犯罪者の娘。そんな事実と嘘の混じった陰口や悪口を、多く言われたことがある。それが悲しくて泣いたら、さらに馬鹿にされたことも。
だけど陛下から愛を向けられる日が続くと、優しくしてくれる人が増えた。陛下の子を身ごもると、さらに下手に出る人が増え、それに一番喜んだのは、お父様だった。
「コルデ、よくやった! このまま側妃の座を狙うのだ!」
「狙うと言われても……。そんなに上手くいくかしら」
二人の気が強そうな側妃たちを思い浮かべる。
仮に一人蹴落としても、どちらか片方は残る。どちらが残るにしても、親しくできる自信はない。そしてその残った一人が去り、新たな側妃を迎える日が訪れたら……。それは、陛下から私への寵愛を失ったことを意味するだろう。
陛下からの愛を失えば、きっとまた皆から馬鹿にされた日々に戻ってしまう。それなら側妃になりたくない。だけどお父様は違う。
「なんとかなる。なに、私には味方が多いからな。皆、階級は下だが人数がいる。なに、まずはあの法律を利用すればいい」
あの頃、王が側妃と一年間夜を過ごさなければその側妃は座を降り、新たな人物が側妃の座に就くという法律があった。しかし王妃は側妃たちを手放したくないらしく、定期的に自分の夫へ、側妃と夜を過ごせと言ってくるらしい。そして陛下もまた、王妃の言葉に従う。
「すまない。あの二人の実家は権力があり、無下に扱えんのだよ」
私は政治もそうだけれど、難しいことを考えるのは苦手としている。だけど陛下に愛されなくなったら、今の生活が終わってしまうことは分かる。陛下が甘やかしてくれ、周りが優しい『今』が好き。だから『今』を大切にし、壊したくなかった。
そんな私が恐れているのが、王妃。嫌いな人物と言っても良い。
陛下に愛され始めたころ、王妃に招かれ二人きりで茶会を過ごしたことがある。だけど王妃の話題はどれも難しい内容ばかりで、ちっとも楽しくない茶会だった。終い(しまい)には……。
「今後も陛下の側にいたいのなら、もっと知識を得なさい。陛下の隣に立っても、陛下に恥をかかせないためにも」
暗に不勉強だと言われ、この王妃と仲良くなることはできないと思ったことは、よく覚えている。
そんな王妃から、身ごもった子が無事に産まれたら城で引き取ると言われたので、反発した。
あの女に陛下の子どもというだけで、自分の子どもを奪われることが我慢ならなかった。許せなかった。
「嫌です、絶対に嫌! お腹の子の母親は私なのに、どうして母である私から、子どもを奪おうとされるのですか? 私がちゃんと育てます! ……陛下。どうして私は陛下との愛の形を、王妃様に奪われないとなりませんの……?」
この頃には長い付き合いから、どんな表情、仕草をすれば陛下に有効なのか分かっていだ。だから計算通り、陛下が許してくれ、子どもを王妃に渡すことはなかった。
「ふふっ、可愛い笑顔」
陛下という、この国一番の権力者の味方があったとはいえ、あの王妃に勝てた。勝利の証のようで、リダが成長し笑顔を見せると、可愛く思えた。
二人目となるピカロを妊娠した頃には、より陛下は王妃と側妃について、相手をするのは疲れるとぼやかれるようになった。お父様は変わらず私を側妃の座へと望まれていたので、それならば通いを止めてはどうかと言えば、陛下はいつも濁った声で同じ返事をされる。
「……色々とあるのだよ」
その言葉を裏付けるよう、法が改定された。発案したのは王妃で、その内容は側妃を守るものだった。これにはお父様の怒りが爆発した。
「くそ、あの王妃め! これではコルデが側妃になれんではないか!」
「本当に不快ですね、父上。まるでコルデが教養を積んでいない、そんな言い様だったそうではないですか」
お兄様はお父様に同意されているが、私が昔から、勉強が苦手で嫌いだと知っているくせに……。
私は『今』の立場が楽。側妃になってしまったら、きっと政に嫌でも係わることになる。会議に同席しても、欠伸をもらしてしまいそう。今のまま陛下に愛され、楽しく生きたい。
「こうなればどんな手を使ってでも、お前を側妃に……。いや、王妃にしてみせるぞ!」
無茶を言い始めたお父様を、誰も止めない。逆にお兄様は、賛成している。
「まずは、さらに味方を増やす必要があるな」
お父様が男爵という位を、大金で買ったことは知っている。それなのに、まだお金は残っていたらしい。様々な人にお金を使って接触し、交流を深めていく。一方で私には、陛下の心を必ず繋ぎ留めておくようにと言う。
女好きの陛下を相手に、難題を出されてしまった。とりあえず陛下は口がうるさい女性を好いていないと知っているので、いつも逆らわず、陛下の言う通りだと同意し、時になぐさめる。
「本当、あいつらは口がうるさくて嫌になる」
「ええ、特に王妃様が酷くて……。私も馬鹿にされたことがありますわ」
「あいつめ、コルデにまで……」
例え陛下が別の女性と閨事を行おうとも、それについて触れない。きっと陛下は、惨めに泣いてすがる女も好みではないから。だけど私が他の女性の影に気がついていることに、陛下は察しているらしい。
「真に愛しているのは、君だけだ」
「私も陛下だけを愛しております」
まるで口癖のように、毎度の台詞。それに答える私も、しなだれながら口にするのは、いつも同じ言葉。
他の女性の影がちらつくので、その言葉が事実なのか絶えず不安だった。陛下が本当に私を特別扱いしてくれている。そう実感できたのは、リダを出産してからだった。
リダを見つめる、その視線。オルグ殿下や他の御子へ向けるものと、違っている。娘を見つめる目は優しく、穏やか。口元は自然と綻ばせる。口調も仕草も丁寧で、明らかに他の御子と違う。厳しく注意もせず、お父様と同じくらい甘やかす。
リダへの態度が変わった時が、他の女性に陛下が夢中になったことを意味するのだろう。
幸い状況は変わることなく、ピカロを妊娠した。
◇◇◇◇◇
「いい? あなたたちはお父様にとって、特別な子どもたちなの」
「あなたたちのお父様は、国で一番偉いの。そう、王様。だから誰も逆らえないの」
「困ったことがあれば、お父様に相談するか、お父様に言うと相手に伝えればいいわ。そうすれば、全て解決するから」
◇◇◇◇◇
二人が幼い頃から、まるで刷りこみのように繰り返し言い聞かせる。
やがて二人は理解してくれた。自分たちは特別なのだと。
私の言葉を理解する聡い子たちなのに、王妃は言う。
「コルデ、子ども達を渡しなさい。陛下は貴女の産んだ子を気に入っています。だからこそ彼らに王位継承権を与えられた際、今のままでは苦労するのは、本人たちです。今からでも遅くありません。王族としてのたしなみを得るためにも、城で生活させるべきです」
「い、嫌です! どうして王妃様は母親である私から、大切な子ども達を奪おうとされるのですか? それが国母のされることですか?」
陛下と違って王妃に涙は通用しないことは、何度か行われたやり取りで分かっている。だから最終的に毎回、陛下に泣きついている。
「そう、私は国母です。民と国の母なる地位にいます」
否定するどころか、あっさりと王妃は肯定したので、驚いた。
「だから憂いているのです。貴女、自分の子ども達が城でどのように振る舞っているのか、把握していますか? まるで陛下の子どもということを免罪符にし、暴れる様を。他人に怪我を負わせても謝罪しない。注意すれば逆に恫喝する。このような光景、もし外遊で来られた方に目撃されたら……。ここまで言えば、分かるでしょう?」
扇子で顔の多くを隠したまま、細めた目を向けられる。
「そ、それは……」
「それは? なに?」
威圧に負け、頷きそうになった所、たまさかお父様が通りかかる。
「コルデ、どうした」
助け船だと駆け寄る。
「お、王妃様が! 酷いのよ、お父様! 王妃様ったら、母親である私と、リダとピカロを引き離そうとするの!」
ようやくお父様の後ろに子どもたちもいたのだと、気がつく。二人は泣きそうな私の顔から、なにかが起きたのだと感じ取ったらしい。
「おい、お前! 母上をいじめているのか! 国王である父上に言いつけてやるぞ!」
前に出ると、王妃を指さしピカロが叫ぶ。
「黙りなさい、無礼な子ども」
目には見えない力で押さえつけられた気分になった。たった一言の睨み。それだけで脂汗が出てくる。
「う……」
たじたじとなったピカロは、逃げるようにお父様の後ろに戻る。その間に王妃は、静かに扇子を閉じていた。
「コルデ。貴女は自分で子供たちを教育してみせる、そう言いましたね。本当、立派に育っていること」
私にも嫌味だと分かる。だけど、どう反論したらいいのか分からない。この人を前にすると、いつもこう。段々と口数が減っていく。威勢よく言い返せるのは、最初だけ。
うつむいていると、代わってお父様が叫ぶ。
「いくら王妃とはいえ、陛下の子に対し、なんと失礼な……!」
「黙りなさい、ディロ男爵。私は貴方に発言を許可した覚えはありません。それとも貴方、いつの間にか王妃である私より偉くなったのかしら。諫言なら聞きましょう。ですが、子どものわがままに付き合う気はありません」
「ぐ……っ。帰るぞ!」
王妃へ一礼することなく背を向け、歩き出すお父様。リダが王妃へ舌を見せ、お父様の後を追いかけると、遅れてもピカロも動く。私も追随した。
帰宅してもお父様の怒りは静まらなかった。
「くそ、あの女! 馬鹿にしおって! 運よく国王と結婚できただけの女のくせに!」
城でのやり取りを聞いたお兄様も、大仰に頷く。
「そもそも『母』と名乗る以上、子である民を平等に扱わないことがおかしな話だ。男爵家を見下げることも問題だ」
興奮した二人は、あの女は王妃にふさわしくないと言い始めた。ついには退場してもらおうと、そこまで話は進む。さらには具体的に毒を入手し、盛ってはどうかとまで煮詰める。
「そうだな……。毒については親しい者の中に、伝手になりそうな奴がいる」
いつの間にお父様は、そんなに人脈を築けていたのかと、これには驚いた。ますます具体的に進む内容に、ついにお母様が口を挟んだ。
「あなた、恐ろしい計画はお止めになって下さい。それに王妃様の言葉は、正当です。お気づきになっていませんか? あの子たちはすっかり、わがままに育ってしまいました。悪知恵も働きます。何度買い物先で商品を壊し、弁償を請求されました? 今のままでは無教養だと判断されても、仕方ないでしょう」
そんなお母様の言葉を、お父様は一笑に付す。
「弁償なら国王が肩代わりしてくれているし、我が家はなんら困ってはいないではないか」
「それこそ陛下に対し、なんと無礼な……! 陛下は金庫ではないのですよ?」
「相談すれば、勝手に肩代わりしてくれているだけだ。お願いはしておらん。なにより、子どもはわんぱくが一番ではないか」
お母様はまだなにか言いたげに、身じろぐ。でも結局はなにも言わず、ただお義姉様と視線を合わせる。
お兄様と結婚したお義姉様は、お母様との仲が良好だ。それは微笑ましいことだけれど、たまに私は分からない二人だけの合図で会話をされ、その点は面白くない。お母様の娘は、私だけなのに。
そして本当にお父様は、粉状の毒を入手した。瓶に入ったそれは毒だと知らなければ、まるで調味料のよう。
「問題は、どうやって飲ませるかだ」
それを一定量、一度に摂取すれば即死するという。少量を何日もかけ摂取させれば、症状が現れた頃には全身毒に犯され、寝こむ。後は命が果てるのを待つのみ。お父様は楽には殺さないと言っていたので、少量ずつ摂取させるつもりなのだろう。
「こんな物まで入手され、本当に実行されるのですか? 一体誰に牙を向けるのか、理解されていますか?」
お母様に同意だと、お義姉様も強く頷く。
「しつこいぞ、お前たち! いいか、これは革命の第一歩なのだ! 家に歴史がない? 歴史がなんだ! そんなもの、ただの家名であり、過去の名誉にすがっているだけ! 大事なのは、今、なにを為すかだ!」
お兄様が感動したように、強い拍手を送る。比べ、黙ったお母様とお義姉様の顔は暗い。
いつもこう。お父様とお兄様、お母様とお義姉様は反発するよう、意見が合わない。そして毎回最後には、お父様の意見が通る。
私は最初から意見を求められない。だから聞いているだけ。
でも、もし自分が王妃になれたら? 自由に意見でき、お父様さえ、黙らせることができるかもしれない。実際あの王妃を前にしては、さすがのお父様も逃げ出してしまったもの。陛下もよく、『王妃は口がうるさくて、嫌になる』と不満そうに言っている。
だったら、あの嫌な王妃がいなくなれば? 皆、幸せになれるのではないかしら。
だからこの日、珍しく口を出した。
「お父様、王妃には陛下のように、毒見役がついているそうです。普通に毒を摂取させるのは、難しいと思います」
「コルデ、あなた……」
言った後、お母様の顔が明るくなった気がするが、無視をして続ける。
「ですから調理の最中ではなく、毒見を終えてから混入させる方法を考えるべきです」
両親の反応はいつものごとく、反対するものだった。お父様はなるほどと頷き、お母様は信じられないと叫ぶ。
「コルデ、自分がなにを言っているのか、分かっているのですか?」
「分かっているわ、お母様」
この時、私の心は実に落ちついていた。
「私、もうたくさんなの。いつ陛下からの寵愛を失うのか不安に脅え、いつ子ども達を王妃に奪われるのかと心配し……。減ったけれど、多くの人から馬鹿にされて悪口を言われて……。だけど、もし王妃になったら? 今の王妃がいなくなれば、陛下は側妃たちを嫌っているから、どちらかを王妃に選ばない。きっと私と結婚してくれるに違いないわ」
そのことを想像するだけで、自然と笑みが浮かんでくる。
「王妃になったら、国の女性の中で、誰よりも偉くなるの! そう、国の頂点よ! そうすれば、誰にもなにも言われなくなるわ!」
うっとりとして言えば、顔をこわばらせたお義姉様が、ゆるゆると首を横に振る。
「コルデさん、違うわ。王妃になるというのは、そんな単純な話ではないの。一挙手一投足、余計に人は目を光らせ貴女を見るの。誰になにも言われなくなることは、絶対にないわ。逆に今より、厳しい状況に置かれてしまうのよ」
「そんなことはないわ! だって皆、王妃だって敬っているじゃない!」
「王妃様はそれだけの働きをされていらっしゃるの。影で泣かれていることだってあるわ。それでも人前では、毅然と振る舞われているのよ」
「そうよ、コルデ。そして貴女には、その重圧に耐えることはできないわ」
お母様まで酷いこと言う。うつむき、スカートの裾を握る。
「……だって、王妃が言ったのよ。自分より偉いのかって。人の発言を遮っても、誰も叱らない。偉い人は、馬鹿にされないの!」
どうしても理解してくれないのか、お義姉様はまたかぶりを振る。
「コルデさん、貴女は現実を見るべきだわ。いつまで夢の中にいるつもり? このままではリダちゃん、ピカロくんだって……」
「お前は黙っていろ!」
叫んだのはお兄様だった。
両親もだが、この兄夫婦も仲は良くない。
お義姉様の実家は、外国に本店があるブランドの、この国唯一の支店を任されている。そのブランドはドレスを筆頭に、扇子や帽子、手袋など小物に至るまで、主に女性向けの品を扱っている人気店。
急にお父様が外国とも繋がりを作りたいと言い始め、お金と伝手でまとまった結婚なので、お兄様曰く、互いに愛はないそうだ。
お義姉様とその実家の皆様は、もともとブランド本店のある外国出身者だからか、考えが違うのかもしれない。お父様の思惑は外れ、ちっともお義姉様の実家は便宜をはからなかった。
我が家からのお願いを優先したり、商品を安くしてくれたりしない。そのせいで、何度も人前で恥をかかされ、この結婚は失敗だとお父様がよく言っていた。それはお兄様も同意見らしく……。
「本当ですよ。普通、義理とはいえ息子の願いを無視します? 全く使えない連中ですよ」
よく結婚に対し、不満を漏らしていた。
この晩から数日後、お兄様夫婦はついに離婚を決めた。どちらも迷うことなく、書類にサインをする。
それからしばらくすると、ブランドの支店がこの国からの撤退を発表され、お義姉様とその家族の全員が、母国へと帰られた。空になった店の前で、もうこのブランドの品を気軽に買えないのかと、嫌でも思い知る。それでも諦めきれず、お母様に話しかける。
「ねえ、お母様。もうあのブランドの商品、買えないのかしら。私、大好きなのに残念だわ。お母様からお義姉様にお願いしても、駄目かしら」
「そうね、買えないわね。いいこと、コルデ。あの方はティーゴと離婚し、我が家と無関係の方です。そんな恥知らずなお願い、お母様はできませんよ。取り寄せるか、どこかの商会を介して輸入でもされない限り、二度と無理でしょうね。あの店はこの国に係わることを、避けるでしょうから」
「どうして?」
お母様の刺繍をされていた手の動きが止まる。顔を上げ、私と見つめてくるその目は、どこか寂しく哀愁が漂っていた。
「本当に分からない?」
問われ、首をひねる。
「あの子が王妃様暗殺の企みを、知ったからよ。だから逃げて、係わらないと決めたのよ」
答えるとお母様は視線を逸らし、再び針を動かす。
「逃げた? ではお義姉様、ご実家の皆様に計画を話されたの? 大変、すぐお父様に言わないと」
「言う必要はありません」
強く言い切られる。
「そのくらい、あの人も分かっているはずですから。いいですか、コルデ。この計画はあの子にとって下手を打つと、国際問題となり手に余ります。だから公言しない、なにも知らない。そう決めたので、撤退したの。だから貴女も、余計なことを言っては駄目よ」
お母様の話した内容は、よく理解できなかった。
だって、この国での出来事なのに? しかもまだ達成できていない、ただの企み。それがなぜ、国際問題となるの? その国で起きたことは、その国内で解決するべきだし。他所の国が口を出す問題ではないと分かっているから、黙っているのでしょう? だったら撤退する理由がないわ。意味が分からない
「大丈夫よ、あの子は聡いから。貴女たちの邪魔はしないわ」
色々とある不満、疑問が全て解消された訳ではない。それでもお母様の言葉に頷くしかなかった。