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紅蓮の盾の誤算だらけの顛末5

「あんな状態で、マナにあんなことをするべきじゃなかった。気分に流されてしまえば傷付けると分かっていたのに箍が外れて…………だが俺はマナだからしたかった。それは分かって欲しい」


「神聖力のせいだね、気にしてないよ」と彼女に言われて自分を殴りたい気分だった。弁解がましく、そう言い募るが真に受けてくれたか怪しい。

 口付けをして本当に気にしてないのか?マナは平気なように言うが、良くも悪くもそれはそれで落ち込む。


 だから試した。神聖力の流されていない状態で、俺は抵抗されたら直ぐに離せる加減で彼女を抱き締めてみた。ビクリと身を強張らせるのが触れた部分を通じて分かった。やはり嫌なのだろうと体を離そうとした直前、安心したように深く息を吐き、ゆっくりと力を抜いて俺に凭れかかってきた。


 気を許してくれている。そう思っていたら、するするとマナの指が俺の胸を這う。教え込まれたように俺の体はそれだけでゾクゾクと期待に疼く。


「あ!お、怒ってるのか?」


 苛めるつもりかとそんな言葉が口から滑った。


「ううん、怒ってないよ」


 キョトンとしてマナが答える。彼女はただ治療するつもりで触れたのに、俺は何を考えているんだ。


「強引にしてしまって……………悪かった。嫌だったよな?」

「ううん、びっくりしたけど、い…………嫌じゃなか………った、よ」


 頬を染めたマナの口から転がり落ちた言葉。頭の中で反芻したら確信に変わった。

 マナも俺を好きでいてくれる。

 そう思うと嬉しくて彼女の肩に顔を埋めた。


「治療の間、俺がまた何かしでかさないようにこうしていてもいいか?」


 身動ぎをして戸惑っていたが、結局マナは観念したらしい。


「………………ノアがそれでいいなら」


 そう言うと、じわりと彼女の手から温かさが生まれる。


「っあ」


 また抗いようのない力に引き込まれる。


「今度は、っ、噛んでもいいか?」

「え、あ」


 襟の無い服は少しずらせば間から肩が見えるが、正確には首に近い部分にそっと歯を立てた。


「は……………んっんんん、ふ、は」

「あ!」


 快楽に任せて、むしゃぶりついた。マナが小さく悲鳴を上げる。

 この気持ちが快楽のせいでも、そうじゃなくてもいい。好きだという気持ちに変わりはないんだから。





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