日常5
今日はいつも通り平和な日常が過ごせると、池袋駅の中にいる人々は全員そう思っていましたが、今日は彼らの人生の中最も最悪な日でした。
誰もがインターネットを使用している現在、池袋駅の中に巨大な怪物がいることは凄まじい速度で駅の中にいる人々に知られました。この情報が最初に流された時、嘘だと考えている人は多くいましたが、助けを求めている声が次々に聴こえる今、誰もが怪物がいるのを本当だと分りました。
正体が謎の巨大怪物に命が奪われないように、池袋駅の中にいる人々は秩序を忘れて、誰もが外へ向かって慌てて逃げました。そのせいで、池袋駅の中は大混乱になっていて、地上へ倒れた人は次々に現れましたが、その人達を助ける余裕は誰もなかった。
「いいね、この景色!すごくいい!」
池袋駅の中に一生懸命逃げ回っている人々の情けない姿を見ているバッファはすごく喜んでいました。
「力がない奴らが必死で逃げ回る情けない姿、最高だな!何度も見ても飽きることはない!」
バッファが徳永礼慈を探している一方、トイレの中から出た徳永礼慈は周りを見渡しながらできるだけ多くの人を助ける方法を考えていました。
「今から俺ができることに全力を尽くすんだ!」
次のすべきことを思いついた時、徳永礼慈は助けを求めている男性の子供の方へ一生懸命走り出しました。
「おい!!!早くHOーOHを渡せ!!!これ以上僕の時間を無駄にするな!!!」
徳永礼慈を長い間見つけられなかったため、バッファは大声で叫び出しました。
バッファの叫び声を聴こえた途端、徳永礼慈は再び強烈な恐怖を感じましたが、彼は身体を全力で動かして、男性の子供を背負って、トイレの中へ戻りました。
「この中は安全です!ここで隠れて、絶対に外へ出ないでね!」
子供をトイレの中に下ろした後、徳永礼慈は彼の頭を優しく撫で撫でをしていました。そしてその次の瞬間に、榊原栄生は何かを言おうとしましたが、徳永礼慈は再びトイレの中から外で出ました。
「どう叫んでも、あの二人は僕の前に現れないね!僕がこれ以上鬼ごっこに付き合ってもいいが、この駅は無茶苦茶になりますよ!」
徳永礼慈や榊原栄生が自分の目の前に現れるように、再び大声で叫び出したバッファは彼の頭で周りの壁を強く叩き始めた。バッファのこの行動により、池袋駅の崩壊速度は凄まじく増速しました。
「はあぁ、はあぁ。。。まだだ!助けを求めている者はまだたくさんいる!」
二人の女性の子供をトイレの中へ運んだ後、少々休憩をした徳永礼慈はトイレの中から外へ出ようとしました。徳永礼慈は急いでいるんですが、今度は榊原栄生に止められました。
「何をしているんです、じいさん!?早く俺を離してください!やらなければならないことがあるんです!」
「礼慈、君は何がしたいんだ!?こんなことをいつまでやるつもりだ!?君には戦える力を持っていない!これ以上危険なことをするな!」
赤色箱を強く抱いている榊原栄生は徳永礼慈に大声で叫び出しました。
「それはできませんよ、じいさん!俺は助けを求めている人を全部一人残らず、助けます!」
「バカ言え!君にはそれができないんだよ!力を持っていない君に、何ができる!?いい加減、夢から目を覚ませ!」
「たとえ力を持っていなくても、俺は助けを求めている人を見捨てません!たとえこの身体がボロボロになっても、俺は自分のできることを全力で尽くす!もしこの場で、俺が自分の全力を尽くしていなかったら、俺は一生後悔する!俺は後悔したくない、俺はここにいる全員を救いたいんだ!」
徳永礼慈が大声で己の決意を叫び出した時、HOーOHは彼の覚悟に反応をして、赤色箱は眩しく輝いた。