理由
3章まで名前募集しております!
ーー時間は双馬が散歩に出かけたすぐに戻る
「ソーマさ〜ん、散歩にでも行きましょうよ〜」
フィーユは起きてすぐ身支度を整えて双馬に会いに行った
双馬の部屋に行くとそこに居たのは昨日買った奴隷達だった
「あれ、ソーマさんもう散歩に行った後でしたか......」
フィーユはドラゴンを双馬が倒してから双馬に対して特別な感情を持っていた
これが恋なのかは自分にもを分からなかったが、とりあえずアプローチをかけてみることにした
双馬はよく散歩に行くのは村にいる間になんとなく分かっていた為、散歩に誘うくらいなら簡単に了承して貰えると思ったからの行動だったが
「ソーマさん結構起きるの早いんですね、次はもう少し早く起きてソーマさんと一緒に散歩に行きましょう!」
1人で気合を入れているが薬を買って王都を観光した後、村に帰るということを覚えているだろうか?
「そこにいるのはフィーユ殿だな」
「へう!?」
フィーユが双馬の部屋で気合を入れているといきなりミリアが話しかけてきた
「お、おはようございます、ミリアさん」
少し動揺したがすぐにいつも通りに接した
「フィーユ殿は主人の部屋で何をしているだ?」
当然の事を聞かれてフィーユは
「べ、別にソーマさんに朝ご飯の時間を知らせにきたんですよ、そういうミリアさんはどうしたんですか?」
「何、私も朝飯を食べに行こうとしただけだ、主人はどうしたんだ?」
「ソーマさんは散歩に出かけて行きました、どうせならソフィアさん達と一緒に朝ご飯を食べませんか?」
「ああ、別にいいぞ」
そうしてフィーユ達は食堂でご飯を食べに行った
〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜
朝ごはんは双馬がいないと静かなものだった
その沈黙を破ったのは
「..........ミリアさんはどうして奴隷になったんですか?」
ーーフィーユだった
「主人に聞かなかったか?私は主人との決闘に負けて、決闘するときに約束した『負けたら奴隷にでも何にでもなる』という約束の為、私は奴隷になったんだ」
「......ソーマさんは別にそこまでしなくていいと言ったそうですが?」
「それは、一度言ったことを履き違えるのは騎士としての恥だと思っ.....」
「建前はいいんですよ!!」
フィーユが机をバン!と叩き
「本音を話してください、いい加減、演技はやめてください」
そういってミリアを睨む
「......どうやら気付かれていたようだ、流石、狐人族というところか?」
「あまり亜人の<本能>を舐めないでください」
一部の亜人には<本能>という固有能力を持っている
<本能>の能力はいわば『勘を強くする』スキルだ
ただし、亜人でも<本能>の力は個体差があり
その<本能>が一番強いのが狐人族だ
ただし、発動するには一定条件があり、《自分》か《自分の大切な人》という条件内のみ発動する
「それで、君はどうするつもりだ?私を主人に突き出すか?」
「それは内容次第ですね、話してください、なぜあなたはソーマさんについていくのか」
「それは簡単だ」
一拍区切り
「ーー面白いことが起こりそうだからだ」
「それだけ、ですか」
フィーユの問いに対し大きく首肯し
「ああ、それだけだ」
訝しげな表情で
「......嘘は言ってないですね」
「何でそんな嫌そうなんだ?」
「なんか邪なことを考えていて欲しかったですね、それなら簡単にソーマさんに突き出すことができたんですが」
「そんなに、私が嫌か?」
「嫌ですね」
はっきり言った
「ひどいな、私が君に何をしたんだ?」
「何もしていませんよ、ただ」
一呼吸し
「ーーそんな、後先考えないで行動しているのが嫌なんですよ」
「あまり『勘』を馬鹿にしないほうがいいぞ、フィーユ殿の<本能>だって『勘』を強くするスキルじゃないか」
「私が嫌なのは『勘』ではありません、あなたはソーマさんについていってもしその『面白いこと』が起きるとします、そしたらあなたはどうしますか?」
少し思考し
「それはその『面白いこと』が何かによるな」
「そういうところですよ、あなたは曖昧なんです、『起きてから考える』じゃ遅いんですよ、そういう理由でついてくるのはやめてください、ーー後悔、しますよ?」
「フィーユ殿は何かわかっているのか?」
「まあ、<本能>のおかげでなんとなく、本当にこれから起こることはとんでも無いことになるんです、それだけははっきりとわかります」
だから、と言い
「『面白いことが起こりそうだから』という考えはやめてください、人生は巻き戻れないんですよ?」
「そんなことは百も承知だ、ーーそんな覚悟、とうにできている」
フィーユは大きなため息をつき
「警告はしましたよ?」
「ああ、それも含めて私の覚悟の上だ」
「私は何が起きても責任は取りませんからね」
そう言って食器を片付けようとしたとき
「か、帰ったぞ〜」
そういって双馬が宿屋に戻ってきた
なぜか幼女を連れて
「ソ、ソーマさん、その女の子どうしたんですか.....?」
フィーユはただただ驚くことしかできないのであった
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