そんな綺麗には終わらない
一章ももう終わりです
「オイ、一体これはどういう事か説明してもらおうか」
俺らは王都の騎士に捕まり事情聴取を受けていた
「だから説明してるじゃないですか」
「ドラゴンが勝手に破裂したなんて戯言、誰が信じるか!」
ごもっともで
「吐け!お前らは一体あのドラゴンに何をしたんだ?」
これ、どう説明したらいいんだ?
馬鹿正直に『持っている神話級の武器で倒しました』なんて言ったらまたさらに面倒なことになる
問い詰められて困っていると
ガラっ
「こいつだな?あのドラゴンを倒したというのは」
騎士団の格好をした女性が入ってきた
「は、こやつがドラゴンを倒したものでございます」
さっきまで俺に問い詰めていた騎士が答える
女騎士が俺を見て
「.........能力値は一般人と変わらないな、おい、本当にこいつが倒したんだろうな?戦って勝つ勝率だったら横の亜人の方がまだ高いぞ?」
「はい、能力値は魔力がやや平均より高い程度で、あとは普通もいいとこの能力値なのですが確かにあのドラゴンはこいつが倒したと出てくるんです」
すごい馬鹿にされているが倒したと出てくるってどういうことだ?
こっそりフィーユに聞いてみる
「なあフィーユ、倒したと出てくるってどういうことだ?」
「そんなことも知らないんですか?生き物にはスピリットカードというものがあるんですよ、それには今までやってきたことや功績、犯罪、倒したモンスターなどが記録されます、それを見ることができるのは自分と稀にいる<カードオープン>のスキルを持っている人が見れます、多分騎士団の人の中に<カードオープン>のスキルを持っている人がいたんじゃないでしょうか?」
そんなスキルがあるのか
自分も見れるらしいからなんとなく念じてみる
すると胸の中心からウィンドウが出てきた
俺はそれを見てみた
【風薙双馬】
年齢:17
身長:171
体重:52Kg
功績:勇者を裁く監視者、狂人、ドラゴンバスター
犯罪:
倒したモンスター:ドラゴンエンペラー
こんな感じだった
あのドラゴン、ドラゴンエンペラーっていうんだ
めちゃくちゃデカかったしエンペラーでも頷ける
あと、功績の“狂人“って懐かしいな
前にいた世界で呼ばれてたっけ
めっちゃ勘違いされそうだけど
(お前はやっぱり狂ってるよ、この狂人が)
ーーまあ、俺にはお似合いだよな
前の世界の出来事を思い出していると
「おい、お前はあのドラゴンを倒したんだよな?」
突然女騎士が話しかけてきた
「はい、そうですけど」
「じゃあ、私よりも強いよな?」
「はい?」
「何、あのドラゴンを倒したというのならこの私よりも全然強いということだ、だから少し戦いたいと思ってな?」
唐突すぎません?
「いやだ、と言ったら?」
「ドラゴンを倒した方法を言うまでひたすら永遠と問い詰めるだけだが?」
つまりこう言っているのだ
ドラゴンを倒した方法を言いたくなかったら戦って勝てと
「いいですけど、俺が勝ったら何をしてくれます?」
「なんでも言うことを聞こうじゃないか、なんなら奴隷にしてもいいぞ?ただし、私が勝ったら倒した方法を洗いざらい吐いてもらう」
これは戦うしかないか?
フィーユも一緒に戦っていいんだったら勝機がある
「ちなみに1V1だ、文句はないよな?お前一人で倒したと出てきたんだから」
言う前に潰された
じゃあもう戦うしかないのか
「わかりましたよ、戦いましょう」
「決まりだな、じゃああと一時間後に練習場に来い」
そう言うと取り調べ室からから出て行った
やっと終わったと思ったらすぐに来た面倒事に双馬は深いため息が出るのだった
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