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6、狸的ダイエットの方法

一晩遠赤外線と肉布団の暑さに我慢して、空が薄っすらと明るくなっていく景色を見た時


乗り切ったぞー!


意味の分からない達成感に満たされていた。



ピンポーン


えっ?玄関ないのにチャイムの音が•••?

キョロキョロするも変わりない。


ピンポーン


さらに鳴ったチャイムに恐怖を覚えて、思わずキューちゃんがやや細長くなるほどの力を加え抱きしめてしまった。


『ぐぇぇえ!何なのだ••!

吾の可愛さの虜なのは分かったから•••

ち、力を緩めるのだっ!!』


はっとして、力を抜き深呼吸

すぅー はぁ〜 すぅうー はぁぁあ〜〜


(どなた様でしょうか?)


(シュリムイカイから返礼品をお届けに参りましたー)


頭の中で返事をすると、これまた頭の中で声が返ってきた。


その言葉に、恐怖に支配された気持ちが突如現れたトキメキによって•••微塵も感じなくなった。トキメキWIN。


(ぬぉー!大歓迎します!!)


そう答えた瞬間に目の前に見た事のある小さめの箱が現れた。


そっと、丁寧に梱包を解くと中から出てきたのは




「コンニャクラーメン!!!」




コンニャクラーメンが器に入って湯気をたてた状態で出てきたのを、感動で涙をウルウルとさせながら眺めていたのが間違いだった。


『吾のご飯か!?大義であるぞ!!』


なっ!?食べた事無い物は出せないのに、この漬物狸は!!!


キューちゃんと争うようにコンニャクラーメンを食べ、あっという間になくなってしまった。

そう、跡形もなく箱と一緒に消えた。


感動しながらゆっくりと味わうのが、ダイエッターのモットーなのに•••!



それにしても返礼品て•••

異世界に来ても貰えるなんて思わなかった。異世界神様が私の願いを聞き届けてくれたって事なのかな?

だとしたら、この返礼品は一晩寝苦しい夜を耐え抜いてダイエットモニターを完了した事へのご褒美と捉えて良いのかな••?


良く分からないけど、ヤル気が出てきた!!


取り敢えず腹ごしらえをしたから、移動する準備でもしよう。


「キューちゃんここから人がいる所まで行くにはどうしたら良いのかな?」


それまでご機嫌に毛繕いをしていたキューちゃんが、びっくりした顔をしてからとても悲しそうな表情で


『ここを出て行くのか?吾はまた1人ぼっちになるのか•••?』


何だこの可愛い中年狸は。


「もちろん、キューちゃんも一緒に行くに決まってるじゃない!

(自称)森の主が外に出ちゃいけない決まりがないのなら、一緒に行こうよ!」


キューちゃんは嬉しさで手足をバタバタさせ尻尾もブンブン。

うんうん、嬉しいんだね〜

でもね、キューちゃん••••



その全てが私には凶器です!!




一通り嬉しさの表現をしたキューちゃんは


『吾が案内してやろう!』


そう言ったかと思ったら、キューちゃんの体が青白い光を浴びてーー



「どでか中年狸••••!?」



今までの大きさが体格が太めの中型犬ビーグルサイズなら、今の大きさは大型の中の大型犬セントバーナード。


『吾は普段力を温存する為に、庇護欲をかき立てるほど小さな姿でいるのだ。

本来はこれよりも大きな姿であるぞ!!』


ドヤっとしてる巨大キューちゃんを見て思う。

いや本当に小さい姿(中型犬サイズ)で良かった。

今の姿で喜びのバタバタダンスされたら私

死 ん で た!



そんな事を遠い目をして思っていたけど、待てよ••?


案内してくれる+巨大化=???


何て、何て優しいキューちゃんなんだ!

馬にまして狸になんて乗った事もないけど、態々乗せてくれる為に巨大化してくれるなんて•••!

私の心はキュンキュンだ。キュンキュンキューちゃん。






何て思った時期があったなー••


「ひぃっ、ふぅっ••!へぐー、はぁーー!」


()乗って森を進むはずだった、それなのに何故•••


『この先だぞ!そらマオ止まっていないで進むのだ。』


()乗って森を進んでいるのでしょうか!?



「ハァハァ、キューちゃん•••何故巨大化したのかな?ハァハァ••」


『ん?マオに吾の真の力を見せる為だぞ?』


見せる為だけに巨大化するなら、また小さくなっても良いんじゃないかな!!?

しかも無駄にでかくなったせいか、体重も重くなってるじゃないのー!


小型犬を抱いて散歩するご婦人を見た事あるが、セントバーナードを負ぶって散歩するご婦人なんているか!?


この肉狸めーーーーー!


閲覧いただき、ありがとうございます。

誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。


小型犬も好きですが、大型犬のあの抱きついた時のフィット感と包容力のある安定したボディ。

たまりません!多少の臭さと重さと力負けする体を目一杯使ったアタックさえ我慢すればですが。


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