5、サウナダイエットの方法
異世界神様からのメールにゲッソリして、移動する気力も失せた。
暗くなってきたし、今日はこの森で1泊しよう。
魔物がうろつく森だとて、自称森の主様ことキューちゃんがいるんだから大丈夫でしょ。
「何か食料と眠れる物ないかなぁー」
数あるダイエットグッズの中から、今欲している物と近い物を思い浮かべ考える。
そして出現したのが
「美味しそう〜!五穀米雑炊!!ちゃんとすぐ食べられるようになってるし!
それに、夜寒いか分からないけどサウナ寝袋に入れば安眠出来そうだよね〜」
いやぁ、こういったダイエット食品てちょっと便利だけど値段がお高めだからあまり買えなかったんだよ〜!
ダイエット魔法、ありがとう!!
さっきはどうにもならないって文句言ってごめんね。頼りにしてるよ!
でも、本当はコンニャク使ったラーメンとかを思い浮かべたのに、食べた事ない物だからか出現しなかったんだよね•••
食べてみたかったなぁー•••。
『何だこれは!吾も同じ物を所望する!』
ダイエット食品だけど、キューちゃんが食べても意味なさそうだ•••
いや、これは中年狸がどれだけ痩せれるかのプロジェクトになるかも?
そしてスマートで軽いミニサイズになったら、もしかしたらトキメキがこの手に•••!?
そうと決まったら、同じ物をイメージ!
再度出現させた思惑たっぷりな五穀米雑炊をキューちゃんに渡した。
「はい、熱いから気をつけてお食べ。」
『キュー!美味しそうな匂いだ!!
シラタキよ、大儀である!』
•••これがかの有名なブーメランという物なのだろうか。
胡瓜に白滝•••見た目に反して物凄いローカロリーなコンビじゃないか。
「マオと呼んでくれると嬉しいな。」
『ふむ、マオか。吾の事はシンーー』
「キューちゃん!」
『うむむ••、それで良かろう•••』
そんな事を食べながら話していたら、あっという間に完食!
思えば誰かと一緒に夕飯を食べるなんて久々かもしれない。
まぁ、相手は中年狸だけど。
食後お喋りをしてからサウナ寝袋を広げた。
この世界での季節感が分からないけど、夜はやっぱり少し冷えるなぁー。
そんな事を思いつつ寝支度を整えて
「キューちゃん、そろそろ寝るねー。
おやすみなさいー」
キューちゃんに就寝の挨拶をしたら
『吾もその中で寝たい!』
何とも好奇心旺盛な狸がいたものだ。
態度からして雄だと思うが、これって••••
"同衾"と言うものだろうか•••!ドキドキ
なんてドキドキ甘い雰囲気を微塵も感じないこの狸と寝るのは、あれか、愛犬と寝るようなものだろう。
寝袋自体はまだ隙間に余裕があるから大丈夫かな?
「ぜんっぜん余裕じゃなかったーーーー!」
そもそもこれはサウナスーツの寝袋版
そして、引っ付いて寝ているのは天然脂肪100%の中年狸。
「あっつい!何この尋常じゃない汗は!」
家で試していた頃とは比べものにならないほどに出る大量の汗。
水分が全てもっていかれてるんじゃない!?
痩せる云々でなく、脱水になるわい!
ダイエットのお供とも言うダイエット水を出現させ、一気飲み!
「プハァ〜!水がやたら美味しい•••!」
水の美味しさに感動して、食事ダイエット中にこの水の文句ばかり言った事を心から反省する。
そしてこんな最中でも爆睡しているキューちゃんを見て決意した。
絶対にキューちゃんを痩せさせる!と。
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