3、ダイエット仲間を作る方法
私は今、夢を見てるのかもしれない。
ダイエットモニターをし過ぎてきっと、疲れて眠ってしまっているのかも。
それじゃなきゃ•••
『吾は中年太りではない!聞いているのか?
お主、何をぼーっとしておるのだ!』
きっと気のせいだね。
見た目狸な動物が、随分と尊大な態度と言葉で話すはずがないもの。
森の開けた場所で休憩していたら、カサァ..カサァ..ゴロ..ゴロ...と随分と鈍臭そうな音が聞こえて見に行ったのが間違いだったのかもしれない。
行った先で、見た目狸なんだけどマンガの世界で描かれているような、中年おじ様のお腹みたいにパンッパンに膨らませて仰向けでいる狸を初めて見た。
「あなたは小太りでなく、中年太りだね〜」
思わずの感想を漏らしたのも仕方ないよね?
でも、中年狸がいきなり話しかけてくるなんて、誰も思わないよね!?
『おい!それよりも吾を起こすのだ!』
短い手足で空を掻くもお腹に邪魔され、まるで泥酔しているようだ。
うんうん、こんな可愛げのない中年狸は気にせずに今後の事を•••
『おーこーすーのーだーー!
うつ伏せになると、体が弱いせいで息苦しくなるから仰向けで寝るしかない可哀想な吾を見捨てるのか!!』
いやそれ、うん。太っているからだよ?
仕方ない、自分の体型にも気付かない我儘中年狸に手を貸してあげるかぁー••。
「よっ•••重っ!!!何この漬物石のような重さは!」
『ふんっ!これは筋肉だ!!』
何だろ、そろそろ本格的に現実を考えないといけないのに、それを無にするこの存在は。
それにしても中年狸のブニブニな脂肪、いつまでも触っていられるくらい気持ちが良いなぁ〜〜。
『や、止めるのだ!ふひっ!キュキュー!
擽ったいからムニムニするでない••ウヒャー!』
中年狸の脂肪(本人曰く筋肉らしい)を堪能し過ぎてグッタリとしてしまった狸に、自己紹介をした。
「ところで、中年狸さんの名前は何て言うんですか?
私の名前は白崎真央って言います。」
『良くぞ聞いた!聞いて驚け!吾の名は森の主、シンラクである!伏して跪くが良い!』
•••私の腕に抱えられていないと起きていられない中年狸が何をいっているのだろう?
このまま前に倒したら、うつ伏せで起きられなくなって伏して跪くのはこの狸では??
何なら、たぬき汁にしてやろうか•••?
『何だこの悪寒は•••お、おい••変な事考えるでないぞ?』ブルブル
ギュルル〜 あらやだ、食べ物を思い浮かべたらお腹が鳴って恥ずかしい•••。
恥ずかしさを誤魔化す為に無心でナデナデ。
『吾を食う気なのか!?や、やめい!!
吾は食えないからな!!?
こんなに可愛い吾なのだぞ???』ブルブル...
無心で撫でる私の手に頭を擦り付けてきた。
どうやら中年狸と仲良くなったようだ。
それにしても、何でこんな事になったんだろう•••?
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