11、ステータスの活用方法
ドキドキする心臓に、気分は小学校を入学した子供のようでソワソワ落ち着かない!
私は今、教会に来ている。
明らかに私よりも年下のお子様が洗礼に並ぶ中、頭1つ分飛び出た身長の私が一緒に並んでいると、引率の先生になった気がする。
「お姉ちゃんも洗礼受けにきたの?ぼくと一緒だねー!」
何やらお子様に大人気。
お子様からモテモテでモテ期が来たようだ。
どうか大きくなってからも変わらぬ気持ちでいておくれ。
「次の方来なされ。」
優しそうなお爺ちゃんが声を出し次を促されて順番が来た事を知り、またドキドキとしながらも祭壇まで歩いて行った。
「では、このプレートに手を置いて魔力を流しなされ。」
机の上に置かれたA4サイズのプレートに手を置いてから、はたと気づく。
魔力とはどう流すのだろう?
あれか?バボ君を顕現させた時のように念じれば良いのだろうか?
取り敢えず念じてみよう。
私が念じた瞬間、机の上のプレートが淡い光を帯びた。
おお!まさにファンタジーだ!!と1人感激していたら、お爺ちゃんが1枚の紙を手渡してくれた。
「マオさんは、無属性の魔力があるようだ。
•••うむ。もう幾つか魔法を使う事が出来るようじゃの。
これがマオさんのステータス、今現在の能力値とも言うものじゃ。」
ス、ステータス!!RPGでお馴染みのあれか!?
お爺ちゃんから受け取りお礼を言って、待っていてくれた両親の元へと戻った。
「お帰りマオ。どうだった?」
「無事洗礼受けれて、これ貰ったよ!」
お爺ちゃんから受け取ったステータスの紙を両親に手渡して一緒に覗いた。
マオ 年齢23歳 父ビーン•母スプラ
シュリム国民
ギルド所属 なし
契約獣:シュリム狸
HP:120/120 MP:345/350
属性:無 本人独自の想像魔法のみ可
覗いたは良いが、基準が分からない。
創造ではなく想像魔法と言ったら怪しい魔法になるのは何故だろう•••
だけど
「おー!マオは魔力値が高いなー
これなら冒険者をする事が出来るぞ!」
「マオちゃん凄いじゃない!良かったわね〜!」
両親が喜んでくれたところを見ると、悪くはないみたい。
『何故吾の名が書いていないのだ!』
ただ1匹を除いて皆んなが笑顔の中、キューちゃんは自分の名前が書かれていない事にご立腹で、ステータスの紙を前脚でペシペシと叩き始めてしまった。
ふむ、これは使える?
紙を右に左に上にと移動するごとに、キューちゃんの猫パンチならぬ狸パンチが炸裂。
その度に擦りもせずスカスカ!スカスカ!とシャドーボクシングのようだ。
この紙は狸ジャラシに利用しよう。
そこそこに運動したせいか、帰りはすっかりお馴染み腕狸となって家まで帰った。
家に着き少し休んでから両親に私の魔法を披露すべく伝えると、何やらお遊戯発表会の如く2人ソファーへ座り目を輝かせてこちらを見て来た。
そんなに見つめられたら照れるじゃない•••!
「えと、その•••いきます!バボ君ー!」
バボ君を呼ぶと安定のボヨンボヨンが顕現。
両親は初めて見るその魔法にもバボ君にも興味津々で、さらに興奮していた。
お義父さんをバボ君に乗せボヨンボヨンと動かしてみたり、本来の使い方バランスボールとしての役割を教えた。
シェイプアップと言う言葉はお養母さんの心をメラメラとさせたようで•••
あの優し気で母性の塊のような雰囲気はどこにいったのだろうとお義父さんと2人抱き合って震えてしまった。
いつの世も、シェイプアップの響きは女性を豹変させると覚えておこう••ブルブル...!
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