表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
晴天の霹靂  作者: 菊花
本編
3/22

2



まずは話を、と中庭の東屋へ向かった。

正面に座る彼女からは困惑しか伝わらず、少しばかり落胆する。

まあ、そうだ。

だからこそ馬鹿な真似をしてでも彼女の婚約者という肩書きを手に入れたわけだ。




「冗談…ではないのですか?」

「冗談に見える?これでも必死に勝ち取ったんだけどな。」

「必死…?いったいどんな賭けをしたのですか?」

「それはちょっと言えないな。男のプライドもあるし。レイにも聞かないで貰いたいな。」

「お兄さまも知ってらっしゃるの…。」



呆れた声から程なく恐る恐るといった雰囲気で訊ねられた。


「理由を聞いても良いのでしょうか?」

「理由…ね。普通だよ。君が欲しかったから。」

「私を?何故?」

「何故?本当に分からない?私が君を好きだからだよ。」


そんなにびっくりするのか、という程に彼女は驚いていた。

少しもそんなこと思ったこともなかったと言わんばかりだ。

これでも、家柄容姿と自分自身が多くの貴族令嬢からみて優良物件である自覚はある。

その優良物件を目の前にしても変わらなかった彼女に惹かれた。


だから…意外!という態度に傷つくのはおかしい。

でもやはり少なからずダメージを受けた。



「困っているのは私の事を意識していなかったから?それとも他に意中の人がいる?」

「あ、いえ、思いを寄せるような相手はいないです。」

「もうひとつのは否定しないんだ?」

「えっあのっ本当にごめんなさい…急だったから…。ずっとお兄さまと同じように思っていましたし…。」

「いいよ。君の意識にないのは分かっていた。だから…そうだな、まず兄の親友とか、兄のような、ではなくひとりの男として意識してもらえない?」

「男の人として…?」

「そう。難しい?」

「うーん…わからないです…。それに…なんで私を…?カート様なら他にふさわしい方がたくさんいらっしゃるのに。」


俺にふさわしい方…ね。

本来なら家柄に見合う、もしくはお互いの家に利益がある結婚が普通だ。

客観的に見ても容姿は釣り合い、家柄もさほど問題ない。

気になるのは利益のほうか。


「私に好かれるのは迷惑?嫌かな?」

「いえっ!気持ちはっ気持ちは嬉しいです。迷惑とか、嫌とかではないです!」

「そう…良かった。気持ちが悪いとか言われたら立ち直れないな。」



…だからそんなに驚かなくても。






ちょっとだけ文章を変えました。

カートの心情に少し矛盾が(汗)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ