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エピローグ
結婚を1ヶ月後に控え、あとはもう当日を迎えるのみになったある日。
「カート様。」
「なに?」
「賭けって何をしたんですか?」
「っ!!」
思わず飲んでいたお茶を吹きそうになってしまった。
「ふと思い出してお父様に聞いたのですが、教えてくれないのです。」
そうだろうな。
俺だって言いたくない。
「あー…まあ…その…内緒でお願いします。」
「何故です?」
「端的に言うとだいぶかっこ悪いので。」
「教えてくれないのですか?」
「いや、駄目。絶対教えない。」
むう。とカテリーナが膨れた。
…可愛い。
ちゅっと音を立てて口付ける。
「っ!!なっ!?」
「可愛くてつい。」
あの時、諦めず馬鹿みたいに足掻いて良かった。
そんなので誤魔化されませんからっ!!と叫ぶカテリーナを抱きしめ幸せを噛み締めた。




