弾丸切りを受け継ぎたい
こちらが最後の物件(牢屋)となっております
おぉーええやん
ベッドついてんやな
こちら、(一部屋辺り)14万3000円となっております
…うせやろ?
いえ、本当です
こんな狭い部屋(牢屋)で14万3000円って…
ええやん!
捕まったぜ。
投稿者:変態糞模範囚
8月16日水曜日7時14分22秒
去年の7月に、いつもの浮浪者のおっさん(60才)とわし(53才)の二人で歩いてた兄ちゃんを襲ったぜ。
それからはもう、滅茶苦茶やったんや。
気付いたら、兄ちゃん死んでたぜ。
そして、わしもおっさんも捕まったぜ。
こんな模範囚と、労働しないか?
東京の留置所(裁判済)で会える奴なら最高や。
わし(主犯)は163(刑期)・90(執行猶予)・53(囚人番号)
おっさん(共犯)は165(囚人番号)・75(刑期)・60(執行猶予)や。
一緒に刑期を送りたい奴、至急手紙くれや。
囚人服のまま労働して、汗まみれで(飯を)食おうや。
――――100数年後――――
やっと…刑期が終わったんやなって…
特に何事もなく昼休みまで来たが、警戒してるのを見られて変な目で見られてしまった。
「本当に長かった…」
「おい、まだ始まったばかりだぞ」
「疲れるものは疲れるんだよ」
「そこは仕方ないよね~」
「そんなことより昼飯だ」
そんなことを言いながら用意をしてるといきなり綺堂が、
「神地良い話と悪い話、どっちから聞きたい」
と言ってきた。
「いきなりどうしたんだ」
「取り敢えず選べ」
「じゃあ良い方から」
「これ一度でいいから使いたかったんだよね」
いや、もっと良い知らせかと思ったぞ。
「…じゃあ悪い方は?」
「奴等が来た」
「マジかよ!」
そう言い、教室を出て全力で校門に向かった。
この学校で起こされたら、流石にまずい。
俺が校庭に出たとほぼ同時にハイエースが止まり、中から黒いロングコートを着た男が出てきた。
それを見た瞬間、悪寒が走った。
前に見たことがある。
葛城さんの組、「龍園会」のやり方。
借金を返せなくなった人間を遣うやり方だ。
そしてロングコートを着た男は、こちらに向かって走って来た。
よく見ると、ロングコートの間からC4が見えた。
おいおいおいおい!彼ごと吹き飛ばす気かよ!
流石だな、あの人の考えは本当に吹っ飛んでるぜ。
俺も学校で銃を撃つ気は無いからな。
嬉しいことに、遠隔で爆発させるのでは無かったので何とか助かりそうだ。
近づかずにやる…か…
無茶させるよな、本当。
最悪使うしか無いよな…ん?
あれ?無い…M9が無い!
ホルスターに入れてた筈なのに無くなってる!
ナイフは…良かった入ってた。
ナイフを抜かずに持ち構えて、相手の行動を見ていた。
(見た感じ、動きはやり手には見えない…)
そして瞬時にナイフを抜き、ロングコートの男の前になるように、狙って投げた。
丁度男の前の地面に刺さり、予測通り男は恐怖で尻餅をついてしまった。
やっぱりそうだよな、脅迫だもんな。
「なあ、起爆装置を持ってるんだろ?」
男は怯えて何も言わなかった。
「すまないが、渡してくれないか?」
そう俺が言うと、男が口を開いた。
「そ…それは出来ない」
「何故?」
「脅されてるんだ…あんたを殺さなきゃ、娘や嫁を売り飛ばすってな」
よく使う手じゃないか…
借金を払わなきゃ売るとか何とか。
「大丈夫だ安心しろ」
「ほ、本当か!」
「指が1、2本飛ぶだけで済む」
「駄目じゃん!」
「安心しろ、俺が何とかしてやる」
「ほ、本当だな?」
「ああ本当だ…だからそれを渡せ」
そして男は恐る恐るリモコンを渡してくれた。
爆弾処理班や警察官じゃないんだけどな…
取り敢えずこれで大丈夫だな。
「兄ちゃん、その爆弾除けた方がいいぞ」
そう言うと、コートの中にあったC4慌てて取った。
「兄ちゃん、安全な場所に生きな」
そう言うと、急いで裏門へと行った。
なんて言うか…慌ただしい人だな…
そんなことを考えていると、ハイエースから別の男が降りてきた。
目を凝らすと、手に何かを持っていた。
すると、男が手をこちらに向けて来た。
その瞬間、世界がスローになった。
そう言うことか…デリンジャー持ってたのか…
しかも改造してるやん。
やるしかないよな…
そして能力を解放し、弾を減速した。
瞬時にナイフホルダー強化小型ナイフを取り出した。
距離としてはかなり近かったが、難なく弾丸を切った。
たった10秒程度使っただけで、かなり疲れた。
多分飯食ってないからだろうな…
「おい、何者だ」
俺は相手に向かってそう言ってみた。
相手からは返事が無かったが、恐らくやり手だな。
すると、校舎の方から声が聞こえた。
「こら!お前何をやってるんだ!」
やべぇぞ!
今この最悪のタイミングで体育の山中が来たぞ!
やむを得ない…
「来るな!」
「なっ…教師を馬鹿にしとるんか!」
嗚呼…やってしまった…
走ってきたぞ…
「…この決闘(殺り合い)に手を出すな…」
こいつ…今なんて…
そう思った瞬間、山中の体が後ろに数m飛んだ。
それを見た時に思った。
(こいつも能力者か!)
しかしこいつの能力が分からない以上、どう動くべきかが分からない。
しかし能力を無駄に使って悟られれば、こちらがジリ貧になる。
なら、実力でやるしかないよな!
小型ナイフを片付け、拳を何度も素振りした。
ある程度やり終えて、相手に向かって全力で走り出した。
勿論、拳を上げて。
そして近くまで来た瞬間、全体重を右足に乗せて腹を蹴った。
相手も気付いていなかったようだった。
初歩的な事に乗せられたな。
プロだからこそ…なのかな?
男は腹を押さえてでうずくまってしまった。
こいつ…肉弾戦に弱いタイプか…
それでも、何で抵抗しないんだ?
「さて、お前が何の能力を持っているかは分からないから1つか2つ位聞こうかな?」
そう言うと俺は、刺さっているナイフを抜いて男の前に立った。
「まず1つ、誰の引き金だ?」
「…」
「沈黙か…義理堅いんだな」
兄弟の誓いって奴ですかね?
「さて、2つの質問だ」
ふう…と息を整えて言った。
「生きるか死ぬかを選べ」
そう言放った瞬間、男の顔が少し歪んだ。
「俺は…」
ここで初めて口を開いた。
「お前に殺される位なら生きる」
「そうか…では、何か知っていることを話してくれ」
初めは
「親父達は、恐らくお前とアリスと言う奴を狙っている」
やはりか…
「確実に殺しに来るだろうな」
「ああ…親父はやると言ったらやる人だ、嘘は言わないだろう」
「ありがとな、ついでにお前の能力を教えてくれ」
「何故だ」
「またいつかの時に役立てれるかも知れないからな」
「そうか…俺の能力は、バネだ」
バネ?
つまり相手を飛ばすことだけに特化している能力か…
「…そう言うお前は一体何者なんだ?」
「俺か?俺は神地日向、静かに生きているだけの男さ」
「神地日向…そうか…分かった冥土の土産に覚えておこう」
こいつ…冥土の土産って言ったよな?
まさかと思い振り向いた瞬間、男はライフルだと思われる銃器で脳を撃たれていた。
急いで駆け付けたが脳を撃たれた様で、恐らく即死だ。
…これで2人目か。
なんで生きると言ったのに、冥土の土産なんて言ったんだ?
まあ、今更聞いても遅いからな。
ある程度分かったから良しとするか。
「腹減ったぁ…」
「お疲れな、神地」
「ゆっくり飯くらい食わせてくれよな」
「あー、それなんだけどな…」
「ん?」
「あと3分も無いんだよな」
本当にこの世界は酷いよな。
俺に昼飯も食わしてくれないのかよ。
何も食わずに午後の授業を受けたので、ろくに頭に入らなかった。
と言うか、立つ気力さえ残っていなかった。
後で綺堂と黒神にパンを買ってきてもらった。
そういや、アリス何処行った?
今さっき狙われてたのに…
自由だな、本当に…
パンのお陰で持ち直し、家に帰った。
でもやっぱり、足は重かった。
家帰ったら何か食べよう…
家何があったっけ?
そんなことを考えていると、いつの間にか家の前に着いていた。
自分の階に上がった。
すると玄関は閉まっていた。
ん?帰ってないのか?
まあそのうち帰ってくるだろうと思い、重いドアを閉めた。
遅い…
どう考えても遅すぎる…
もうすぐ7時になるのにまだ帰って来ない…
今まで全く話してなかったクラス委員の谷崎に電話を架けた。
電話を架けた瞬間に声が聞こえた。
「はい、もしもし…どちら様ですか?」
「あ、神地です」
「え、神地君!?どうしたの?て言うか何で私の番号知ってるの?」
「隣で言ってたら誰だって覚えるぞ、お前は無用心にも程があるぞ」
「なんか神地君に言われたら、ちょっと腹が立つんだけど…所で何の用?」
俺は一旦呼吸を整えて言った。
「アリスを知らないか?」
「え?アリスちゃん?」
「そうだ、アリスだ」
「知らない…ってあんた、アリスちゃんと知り合いなの?」
「あー…」
「どうなのよ?はっきりして」
「周りに言わないなら良いぜ」
「…分かった、言わない」
「ああ、ありがとう」
「で、どうなのよ?」
「知り合い…って言うか、一緒に住んでる…と言うよりかは、アリスが住み着いてるって言うか…」
そう言った後沈黙が生まれたがすぐに、
「ええ!」
と言う耳が壊れる位の声が、スピーカーから聞こえてきた。
「つ…つ、つまりど、同居してるの?」
「まあ、そう言うことかな?」
「ちょっと待って…一旦落ち着かせて…」
そう言うと、スピーカー越しに息を整える音が聞こえた。
「ごめんね…いきなり」
「ああ大丈夫だ、それで本題何だがアリス知らないか?」
「うーん、私は知らないわよ」
「そうか…すまなかったな」
「別に良いわよ、所で神地君はどうするの?アリスちゃんを探すの?」
「まあ一応探すぜ、ある人に頼まれているからな」
「じゃあ取り敢えず、櫻崎公園に集合して」
分かったと言い、電話を切った。
急いで準備をして、玄関を飛び出した。
そうだと思い出して、綺堂に電話を架けた。
「どうした神地」
「ああ、アリスが消えた」
「はあ?嘘だろ?」
「いや本当だ…今から探しに行くが、誰だと思う?」
「…恐らく複数人居るはずだ」
「今何処にいる?」
「…多分廃工場だな」
「ああ、ありがとな」
「いや、早く見つけ出せよ」
「分かったぜ」
電話を切ると、櫻崎公園の近くになっていた。
公園の入り口に着くと同時に、谷崎が来た。
「来てくれたわね」
「ああ、よし探すぞ」
「ええ、分かったわ」
「所で、この区域で廃工場はいくつある?」
「廃工場?ええと…港に一つだけだと思うけど…」
「よし、そこに行こう」
そう言い、俺と谷崎は駆け出した。
早くしないとアリスが危ない。
絶対に生きててくれよ、アリス!
to be continued!
アリス今回何処行った…
それは作者にもわかりません
どうも五月雨いせえびだゾ
今回もハチャメチャ波を撃った訳だが、たぶん伸びない理由ってこれだと思うんですけど…(名推理)
えーいいですか?
後書きと言う字は、後に書くから後書き何です
因みに次回はFils de Dieuクリスマススペシャルだから見とけよ?見とけよ?
元複タイトルは「それでも僕はクリスマスをぶち壊して太鼓の達人をやる」
ほな、まったの^~




