三枚目:叶わぬ夢
3枚目まで見ていただきありがとうございます。
全て文の間に空白を入れたので見やすくなったと思います。
宮間「同人誌を作りたい!」
俺はなんで言ってしまったのだろうかそんなことできるはずも無いのに。
竹山「宮間君、同人誌が好きな気持ちはわかるんだけど作るのは無理だよきっと」
竹山は、真剣な目線でこちらを向きそう言った。竹山は同人誌自体あまり好きでは無い時点でわかっていたことだ。
宮間「でもっ」
俺は諦めずに必死に作りたいという気持ちを一生懸命伝えた。同人誌への熱い想いも。
木下「宮間君、楓ちゃんの言う通りじゃ無い?」
木下先輩もさっきまでの空気とは、裏腹に真剣に答えてきた。それはそうだあんな急に言った俺が馬鹿だったんだ。もっと準備が整ってから、でも準備したからってできるのか?やっぱり無理なのかな。
宮間「……でもさ」
夢はそう簡単に諦められない。俺だって分かっている。
竹山「光一君どうするの?もし作ろうとするよ私、木下先輩、光一君で絵はどうするの?本を作るのにだってお金はっかかるし物語だって光一君の妄想でできるかもしれないでそれを光一君以外が見て感動する。面白い。同人誌ってこういう物なんだって伝えられる?絵は、下手くそでも物語が良ければいいかもしれないでもそれじゃ少しいいところなんて伝えられないんじゃ無いかな?絵と物語があってこそ同人誌だと思うの光一君にその決意はあるの?どうやってやるの?どうせ今考えたことなんでしょ。同人誌作りはそんな軽はずみで作っていいものじゃ無いよ。」
その一つ一つの言葉が俺の心に突き刺さる。精神が砕けそうになった。だが諦めきれない。でも、でも……
宮間「……」
竹山「もう、軽はずみなことでも盛り上がらないで欲しいな。」
真剣な一言だった、ものすごく心に響く。
木下「楓ちゃん流石に言い過ぎなんじゃ無いの?」
竹山「急に言って出来るはずが無いじゃないですか」
木下「でもさ、軽い冗談だったんじゃ?」
宮間「冗談じゃ無い」
俺は、そう答えた。キッパリと。
竹山「本気なの?見てるだけじゃダメなの?」
木下「宮間君、同人誌じゃ無いけどゲームを作りたいって思ったことが私にもあったけど結局無理だったんだ……」
宮間「ど、どうしてですか?どうして無理だったんです?」
木下「準備だってできていて作れる環境にはなっていたんだよ。でも、ね」
木下先輩の表情が一瞬にして変わった。同じ後悔はさせたく無いって言ってる時の叔母の顔をしている。
宮間「なんで…」
木下「イラストレーターだっていたし音楽を作る人だっていたんだよ。シナリオライターだっていたけど結局失敗に終わってしまった」
木下「全部私の軽はずみな考えで失敗してしまった。軽い気持ちでそんなことは言ってはいけないよ宮間君?」
いつもの雰囲気からは、想像できない。木下先輩の姿だった。
竹山「光一君?木下先輩の話聞いたでしょ?そろそろ」
宮間「わかった…」
竹山「わかってくれたんだね。よかった。」
宮間「俺、マジで作る。」
竹山「え?わかってくれたんじゃ無いの?」
宮間「竹山、木下先輩、ありがとう。二人の真剣な言葉のおかげで同人誌もっともっと作りたくなってきたよ」
そう、俺は二人の言葉を聞いているうちにやる気が湧いてきた。竹山が心配していること木下先輩の失敗、それを聞いて俺はそれを乗り越えてこそ世界に同人誌を知ってもらいたいと思った。同人誌、同人ゲームの素晴らしさにも気づいた。木下先輩も同人ゲーム作りたくなったってことは、同人誌、同人ゲームは人を引き込む何かを持っている。
そして、決心した。木下先輩ができなかったことをやってやろうと同人活動をしてみようと。
竹山「光一君、本気で言ってる?」
木下「宮間君、私の話聞いたでしょ?」
宮間「聞いたからだよ!二人の話のおかげって言ってるじゃん!俺決めたんだ木下先輩ができなかった事を俺がやってみせる。そして同人業界というものの凄さを、素晴らしさを伝えたいんだ!」
竹山「はぁ」
木下「宮間君」
竹山「やるっていう意思はものすごく伝わった。でも、絵とか物語とか音楽とかどうするつもりなの?」
宮間「木下先輩、その昔一緒にゲームを作ろうとしていた友達と連絡は取れますか?」
木下「取れるけど、もう一年ほど会って無いからなぁ」
宮間「お願いします。少しだけお話をさせて頂けませんか?」
木下「うん、できるだけ説得してみるね」
竹山「もし、そのお友達さんがきたとしてもまだ絵とか音楽とかやってるとは、限りませんよね?」
木下「そうね。一年も会ってないからわかんないけどゲームはみんな大好きだからね。」
宮間「では、計画を練ってきます。」
竹山「やる気満々だね。さっきから人が違うみたいになってるよ」
宮間「あはは」
竹山「戻った…」
宮間「あ、そろそろお邪魔しますね」
竹山「あ、私も」
俺と竹山はもう遅い時間になったので帰ることにした。
宮間「では、お邪魔しました。」
竹山「お邪魔しました。」
木下「また明日ね……」
木下先輩は、少し暗い顔をしていた…
帰る途中俺は、ずっと気になっている事を聞いてみた
宮間「なんで今日はじめあんなに怒ってたんだよ?」
竹山「本当にわかんないの?」
宮間「わからない」
竹山「この鈍感クズ」
宮間「は?そんな呼び方ねぇだろ」
竹山「そのまんま呼んだだけなんだけど」
なぜ俺は、そんな呼び方をされなくちゃいけないんだ。
夜遅かったので竹山を家に送り家に帰った。
その頃
木下「私が、ゲーム製作を壊したのにまた私がゲーム作ろうなんて言ったら誰も私の話なんか聞いてくれない」
でも宮間君のためにも私の夢のためにも。
プルルルル
「今頃何?」
木下「私ゲームが作りたいのだ、だから力を貸して欲しいなって」
「は?」
「あんたのせいでめちゃくちゃになったのにまたあんたの手伝いをしろ?嫌に決まってるだろ?」
木下「」
「うちからの返事なんて、分かり切ってたはずだが?」
木下「最後に聞いてくれる?」
「聞くだけ。やらねぇからな」
木下「私の後輩が同人ゲームを作りたいって言い出したのそれで人もいないのにそんな事言うから必死に止めたんだけど、どうしてもやりたいって言うから。」
「それでなんだよ?」
木下「手伝ってくれないかぁって」
「後輩君の意思にもよるが手伝わないこともないが?」
木下「ありがとう。」
「あんたの頼みは受けない。だが後輩君なら受けるかもしれない。今度合わせてくれ」
木下「わかった。どこで待ち合わせする?」
「あんたの家でいいだろ」
木下「うん」
「じゃあな」
プツン
電話が切れた。
最後まで見ていただきありがとうございます。
4枚目も楽しみにしていてくださいね。
次から、ヘッタクソな絵を挿絵として追加していくのでよろしくお願いします。絵があったほうがわかりやすいと思うしね。