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メニュー?

次の投稿は来週の水曜以降になります。

寒い冬?も越えたようで、ヒト族の住むところではどこでも新年のお祭りの時期を迎えたらしい。


青々とした木々に変化はなかったし、森は涼しいと感じるぐらいで寒くはなかったのでいまいち四季が感じにくかったけど四季を一巡したらしい。これから春、夏とまた暖かくなるのだとか。


母さんはお祭りに参加して飲みに行きたそうにしていたのだが、結局お祭りに参加することなく俺と一緒にいる事を選んでくれた。


お酒は来年でも飲めるからね。と母さんは言っていたけど俺をお祭りに連れて行ってくれるのか、1人で行くつもりなのか気になるけどまだ聞けていない。


ただ最近は強化魔法を維持しながら数歩だけだけど歩けるようになってきたので、変化を教えてもらえるのも近いかもしれない。


使えるようになったら色々な場所に連れて行って欲しいなあ。


そういうわけで今日も森暮らしの俺と母さんだったけど、朝食を食べているときにいつもとは違うことがあった。


【Happy 1st Birthday!】


新しい称号を手に入れました。メニューで確認することができます。


食事をしていたら急にピロンっと頭の中に響いたのだ。まるで母さんの念話のような感じで言葉が聞こえてきた。


「母さん念話なんて使った?」

「このばか息子は何言ってるんだい?こんなに近くにいて、他に誰もいないのにわざわざ魔法を使うわけがないでしょう」

「それもそうか…念話みたいに頭の中に直接声が聞こえたんだけど」

「どんな言葉だい?」

「一歳おめでとうとか、称号をメニューで確認とか?」

「…そういえばあんたの生まれたのはこれぐらいの時期だったかね?メニューってのはわからないけど何を確認するのかねえ」


むむむ?っと眉間に皺を数秒作ったと思ったら、すぐに考えるのをやめたらしく食事に戻ってしまった。


メニュー、というより称号といえば思い出した。閻魔様(仮)のお爺さんがそういうコレクション機能をくれるとか言っていたっけ?


どうやって確認すればいいんだろ。称号が見たい?メニューが見たい?なんて色々考えていたら目の前にパソコンのウィンドウみたいな薄っすらと白い画面が現れる。


そこには数行の文字が書かれていた。


名前/クリフ

種族/グリフォン

称号/2 ※


称号を確認しますか?

Y/N


これだけだ。YとNはイエスとノーかな?米印がついてるのは何だろう?あと称号2つって今手に入れたもの以外にも何かあるのか。


「さっさと食べてしまいな。今日こそ歩きながら火の維持をしてもらうからね」


とりあえず母さんに言われた通り残ってる肉を食べてしまう。母さんが急かしているのは随分前に強化しながらなら歩くこともできるようになったのだけど、まだ火を維持しながらは1度も成功していない。


正確には母さんの及第点が貰えていない、なのだが…。


火を出して1歩2歩と歩けはしたのだけれど、火が一緒に動かないのだ。今のところ火を顔の前で維持しながら歩こうとしても、火はその場で燃え続けてしまって、自分に触れそうになるから維持できないか、避けて通ろうとして見えない位置になると維持がうまくいかなくなって消えてしまうのかのどちらかだったりする。


メニューが出たままで見づらいけどむしゃむしゃと齧り付く。最近は顎も強くなったので強化をしなくても肉が簡単に食べられるようになったのだけど、朝は強化をしながら、それ以外は強化せずに食べるのが母さんの練習メニューだ。


見づらいだけで強化もメニューも両方出ている。メニューは魔法じゃないってことかな?


もぐもぐしながら称号を確認したいと考える。が反応はない。仕方ないので嘴でYを押してみる。顔の軌道がおかしくならないように下向きで操作する。


メニュー画面は顔を振るとその方向に画面がついてきてくれるのでできる方法だ。…ほんとなんで魔法でこれができないんだろう?


Yを押すと画面にさらに文字が増えた。


名前/クリフ

種族/グリフォン

称号/ 2 / 50


称号を確認しますか?

Y/N


1.Welcome To The New World

新しい世界へようこそ!この世界へとやってきた全ての生命に送られる称号。

ヒトにも獣にも小さな命に祝福を。


2.Happy 1st Birthday

この世界で1年をすごせた生命に送られる称号。

小さな一歩ではあるけれど、その積み重ねが一生だ。だからこそ最初の1回目は特別だ。お誕生日おめでとう。




一つ目はどうやら生まれてすぐ?に手に入れていたらしい。ヒトにも獣にもって一文がものすごく気になる。この機能はあのお爺さんがくれた物だとけど、称号について母さんは特に思いつくものがない様子だった。


ということはこの世界云々と言ってはいるけれど、これは全て俺に向けて書かれているはずなのに『獣』の一文はおかしい。あのとき俺は人間に生まれたいと望んだし、そのときにこの機能をくれたはずだ…。


もしかしてわかっていたのだろうか?


まあいくら考えてもこの答えは出てこないので、覚えていたら次の機会に聞いてみよう。次に会えるのが一体いつになるのか想像もつかないので覚えているとは思えないけどね。


長いのでメニューのNの方を押してみると再び短い名前と種族、称号だけになった。


名前/クリフ

種族/グリフォン

称号/2 / 50


称号を確認しますか?

Y/N


米印がいつのまにか無くなっている。50分の2個かな?年齢は特別なときにしか出てこない可能性があるからあっても後1個か2個と言ったところだろうか。


手に入れた称号以外は出てこなかったのでヒントが何もない。こういうのは難題はあっても全部集められるようにはなっているとは思うけれど、ヒント無しは大変だなあ…。


「朝飯を食べながら眠っているのかい?ちょっと厳しくやり過ぎてたかねえ」

「別に眠ってたわけじゃないよ」

「じゃあさっさと食べてしまいな。それとももう一杯かい?」

「食べる」


気がついたら母さんはもう食べ終わってこちらを心配そうに見ていた。いきなり声が聞こえたとか言ってご飯も中途半端にしてたら心配されるか。


意外と母さんは心配性なのかもしれない。嬉しくないわけじゃないなと感じるのはこれがマザコンというものだからなのかまだ子どもだからか。…子どもだからだろうな、まだ1歳だし。


メニュー画面が意外と邪魔だなあ、消えないかなあと思っていると消えてしまった。出したり消したりは考えるだけでいいのは楽だな。声に出さないといけなかったら母さんがいると確認できなかったし。


「ごちそうさま」

「軽く休んだら練習するよ。その前にちょっと私は食料を集めてくるかねっと」


俺が食べ終わるのを待っていた母さんがそう言って出かけてしまう。別に魔法の練習をしてもいいんだけど休んでいいなら休もうかな。


メニュー画面をもう一度出してみる。出てこいと強く念じると目の前に現れる。書かれている内容が簡潔すぎてもう少し何か書かれないかと実験したくなったのだ。


「体力が見えるようになれ。魔力が見えるようになれ!……まあ出ないよな」


物は試しとありそうな物を適当にいくつか声に出してみるけど何も変わらない。


つまりこいつは自分の事と称号が見れる(内容が確認できる)だけのようだ。メニュー画面とは言うけれどただの称号確認用機能でなんだか拍子抜けしてしまった。母さんが帰ってくるまで寝てようっと。

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