ドレイクへ帰還そして
俺たちは、ドレイクに向けて歩を進めて暫く、冒険者集団となって街の前まで来ていた。
少年少女の3人組のうち、2人は帰らぬ形になってしまっても、それ有りきの冒険者稼業って事もあり、落ち込んでばかりもいられない。
この魔法職の女の子は、これからもずっと背負っていかなければならない。この世界では、この業界では、みんな通って来た道なんだ!
「童っぱ、この2人を弔ってやれ!それは、お主の義務であり仕事ぞ!」
レオンに施され、魔法職の女の子は、2人の亡骸に火をつけて祈りを捧げた。その後、サメザメと泣いている。
この子達は、このドレイクで冒険者孤児の3人組だったらしい。色々夢見て、夢半ばで生涯を終える者、背負う者、これから、どうなるかわからんが、頑張って欲しい
俺たちは、魔法職の女の子と別れ、冒険者ギルドへと帰って来た。
受付の眼鏡の嬢にギルドカードを渡して報告する。
「25階層のサイクロプスを討伐完了して来た。」
「少々、お待ちを!」
少しして、応接室に通された。
俺たちが、応接室で待っていると、ギルドマスターペドロが入って来た。
「早速で悪いが、討伐素材を提示願えないだろうか?」
本当に早速だなぁ!
「これが、討伐素材の三眼の目玉なんだが、合っているか?」
ペドロは、目を剥いた!
おいおい、目、目取れるぞ!
「お、お、親方さん、ダンジョンを攻略されたのか?」
そんな吃らないで、攻略してないよ!
「25階層のサイクロプスの素材だよ!ちょっと変わった種だったが、」
「緑色の20mの一つ目であったでしょう?」
「イヤイヤ、赤肌の一つ目だが、胸と後頭部にも目があったぞ!体格は、俺と同じ位だったぞ!」
「親方さん、それ、ダンジョン主ですよ!素材も超々レア素材の三眼ですよ!どうやって攻略されたんですか?」
唾、唾 汚いよ!
「そんなん知らんし、25階層に居たから、サイクロプスって思うでしょ、初見なら」
「お主、25階層でいたんじゃから、ダンジョン主ではないんじゃないのかのぉ?全30階層なんじゃろ!」
「ダンジョン主は、下層なら何処でも現れるらしいですよ!ジッとしてるダンジョン主は、ドラゴンぐらいですよ!」
「お前、攻略狙って俺らに行かせたな!」
「お主、騙されるのが悪いわい!無知で冒険者はやっとれんぞ!」
「黙れ!お前も知ってたんだろ!あぁーあキレた!三眼は絶対に売らんからな!」
ペドロは、俺に縋って横にフルフル首振ってるが、知ったこっちゃない!
俺は三眼をしまって、応接室を出る!
ペドロにトウセンボされたが、拳骨で終わらせた!
ギルドの受付眼鏡嬢に討伐報酬を貰って、キレ気味でギルドを出た!
「レオン、取り敢えず、飯だ!飯!」
街の食堂
俺達は、キノコオムレツとパン サラダを頼んで食事をしている。
「レオン、あれくらいで、大丈夫だろうか?」
「甘いくらいじゃ!自分たちの仕事を押し付けおったんじゃ、もっとキレても良かったと思うぞ!でも、ちょっとは懲りて貰わんと後は知らん!」
そう、キレたのはポーズ
実際は、どうでも良かった!ただ舐められてソーマに迷惑が掛かるのだけは、避けたい
ギルドマスター ペドロ
あぁどうしたものか、攻略されたのは嬉しい 嬉しいが、攻略証明の素材がないんじゃ、私達ギルドが攻略したとは言えない
ダンジョンが攻略されると、攻略素材を使ってダンジョン内の財宝が各階層毎に出る。その際、ダンジョン内にはモンスターは現れない
それを目当てに、国王ないし各貴族等に色んな財宝を売ったり貸しを作ったりして、ギルドは保たれる。
「あの親方を殺すか? いや無理だ!なら金で買収? それも無理だ! 誠意を持って謝っても受け入れられないとあっちゃぁ、 詰んだorz」
明日、親方の宿に赴いて、どうにか討伐素材を譲って貰わねば
そんな事を思いながら、ギルドマスターペドロは、自分の失態を反省するのであった。