鼻の下
バカ2人
奴隷商館を後にして、夜の街を愉しむべく、下見をする為飲み屋街と、風俗街に脚を向けた!
レオン曰く、奴隷を使った風俗街もあるらしく、変態貴族が夜な夜な通っているほどらしい
まぁ賑わっていると!
この商業区の中央部辺りにその区画がある
「レオン、俺、すっごく楽しみなんだが、ねぇちゃんと酒が呑めるんだろ!」
「いやいや、もっと凄い事も出来るぞ!」
2人とも鼻の下が、どエライことになってしまっている。
これだから、シェリーは連れてこれないんだよ!
もし、連れて来たらそれはそれは、しょうもない旅 グェホン、ゴッホン
とりあえず、下見だ下見!
いまは、まだ昼を過ぎて、夕飯にはまだ早いくらいなので、どこも開いてはいない!
準備をしているお店がチラホラ
そこへ、店の前で掃除をしている従業員っぽい男に、どんなサービスを受けられるのか聞いてみる!
実際、店の見た目は何の店かほとんど分からないのが、この風俗街の当たり前になっているので、お酒を飲むところなのか、他のところなのか、はっきりしない
「あぁお客さんかい?旅の方だろ!まだ店は開いてないから、開店するまで少し時間が掛かるよ!」
「このお店は、どんな店だ?お酒を飲むところなのか?」
「いやぁ、お酒を飲みながら、気に入った娘がいれば金額に応じてサービスを受けられるところだよ!ここら一帯じゃ結構有名ですよ!」
「ありがとう、一度宿に戻って、改めて来させて貰うよ!」
紳士な顔でその場を後にし、通りの角を曲がった瞬間、レオン共々だらしない顔へと変わる
「レオン、天国があそこにあるらしい」
「分かっておる、分かっておるぞ!だらしない顔を何とかしないか!」
「レオンこそ、変質者のそれだぞ!」
っとその時
仮面を付けた黒一色の人物が、バレないと思ったのか大勢の通行人の合間から見える建物の間でこちらを観察していた。
「あぁ奴隷商館から尾けてきた変態か!レオン、行け!」
そう言った後レオンが仮面の人物の背後に位置取り
「お主、いつまでコソコソ嗅ぎ回る!少し来て貰おう」
仮面の人物は、レオンを見失って尚且つ、背後を取られた事に驚愕して、反射的に手持ちの刃物っぽいものでレオンに攻撃を仕掛けた!
しかし、レオンは攻撃範囲外にいた、さも真後ろにいた気配だったのに攻撃が外れている事に又しても驚愕を隠しきれない。
それは、一瞬だった。
目の前までレオンが迫ったと同時に仮面の人物はレオンに意識を刈り取られた。
宿の一室
俺は、レオンと別で宿に帰ってきた。
ただ普通に中央通りを通って、時には通りの屋台で色々買ってから宿に帰るオッサン
一方、レオンは、仮面の人物を片手に他の追っ手の気配から避ける様にしながら宿に戻った。ちなみ、レオンが先に着いていた。
「レオン、仮面って取っても大丈夫かなぁ?」
「いや、辞めておこう、素顔を見られては、自害するかもしれんからのぉ。」
「うっうぅぅうぅ」
仮面の人物が意識を取り戻した。
「っで、お前女かよ!」
そう仮面の人物は、女だった。
「お主、そんなことは、どうでもいい、取り敢えず尋問じゃぞ。」
「あぁそうか!っで奴隷商人の差し金なのは、わかってるから、多分適正を見るためとかじゃないのか?」
女は、黙ったまま座りこんでいる。レオンの目があるため逃げられないのを知っているからなのか、どうする事も出来ないでいた。
「図星か、このまま返しても、色々バレてこいつエライことになるのが、目に見えてるなぁ、まぁ知らんけど、そんなこと言ってると、お仲間が迎えに来たね!」
ご丁寧に宿側のドアから気配がした。
てっきり窓からくるもんだと、思っていたが
「旅のお方、我らが同胞を返してもらえないだろうか?」
ドア越しに問いかけてくる
「なにもしないから入っていいよ!」
ドアが開けられるが、姿がない、奇襲避けなのだろう。
少しの沈黙の後、女と同じ仮面を付けた人物が入ってくる。
「此度は、あなた方の力量を見誤り感服いたす所存、同胞を返してもらえないだろうか?」
「いいけど、どうせ奴隷商人にバレるよ!」
「そのことに関しては、こちらの感知すること、そちらには迷惑はかけはせぬ」
「もう迷惑かかってるよ!いつもこんなことしてんのか?」
「いや、今回は力量はわからない故、我らが調査していた。残り二人は貴殿の街に行っている。」
「あぁたぶんその二人なら!レオン」
そう言って、残りの二人も隣の部屋からレオンが担いでくる、ついでに簡易結界柵も回収している
仮面の男は驚いている風であった。女の方は固まっている。
「隠密に関しては、レオンに並ぶ者は然う然ういないと思うよ!」
「そ、そ、そこまで強い貴殿達であれば奴隷を購入せずとも欲しい素材は、手にはいるのでは?余程の難敵でも相手にされるのか?」
仮面のリーダーっぽい男が聞いてきた。
「いや、嘘だよ!ただ人材が欲しいだけだから!」
ただし8割は、歓楽街で遊びたいから奴隷購入って名目でこの街まで来たんだけどね!ってのは秘密!
ってそろそろお店が開く時間帯になってきたなぁ。宿の飯を食べて向かいたい
「取り敢えず、屋台で買ったもんだけど、食べるか?俺達は、宿の飯を食べるから後は好きにしてくれ、当分部屋には戻らんし」
っと部屋を出ようとした。
「待たれよ!レオン殿の強さはわかった、しかし、貴殿の……いや、やめよう。力量が推し量れない時点で化け物に近しいのだろう!」
「おい、しれっと失礼な事を言うな!」
私たちはこれでっと言うと、仮面の男は2人を担いで、女仮面は回復したのか歩いて出て行った。
奴隷商館
「っで、お前達は、そのレオンっていう犬の獣人にしてやられたと」
仮面の4人は執務室の机の前で跪いている。
「はい、どうしてこうなったのか?未だに我等不甲斐なく……」
リーダーっぽい男が申し訳無さげに言う
「まぁ私の精鋭4人が軽くあしらわれる程の人物ってことだね。時にお前」
仮面の女が指される
「ハッ」
「分かっていると思うが、沙汰は追って通達する。取り敢えず独房に一晩入っておけ!」
仮面の女は術式によって自ら独房に向かう
他の2人は、食事が与えられない感じになった。執務室を後にする。
執務室には、リーダーっぽい男と奴隷商主人の2人
「明日に備えて厳選した奴隷達を準備させておくように」
「御意」
リーダーっぽい男も執務室から、出ていく
「犬の獣人は化け物ってことだが、じゃその主人は?アンドレ殿に良く聞いておけば良かった。」
興味本位で、親方の力量を測る面白さに何も聞かず、失態で終わらせてしまった。明日が憂鬱で仕方がないっと言った感じで眉間に指を添えて揉みほぐす。
「ハァァ」
次は?ぐふふ