プロローグ
解体屋のオッサンの話
「おはよ」
ここにきて早12年
俺は、しがない解体屋だ!
冒険者ギルドの裏手にある巨大な広場(500㎡ほど)で主に冒険者から討伐されたモンスター類をギルドが適正価格で買い取りそれを解体し各方面の商人・鍛冶師・薬剤師等に必要部位の素材として卸す簡単なお仕事だ
時に、解体を済ませたまま持ち込む冒険者もいるが、そのまま持ち込んでこちらに解体を頼む方が安く済む場合がある
例えば、大型モンスターの類なんかは、素材を傷つけて使い物にならないなんてことがあって、適正価格より格段に安くなってしまうからだ
あとは、解体の仕方がわからない、解体用の道具がない、数が多くて解体なんてやってられない等様々だが、俺の仕事はここでは無くなるなんてない
さて今日も、受付の嬢ちゃん達に挨拶を済ませて、相棒とギルドマスターの部屋に来ている
ちなみに俺は、30歳の独身男性 身長も180㎝ないくらいの冴えないオッサン 名前は無いから親方って呼ばれているよ(笑)
相棒は、同じ30歳独身雄 身長2m50㎝くらいの犬族 名前はレオン 腐れ縁だ
ドアをノックし返事を待たずに中に入る
「いつも言っているだろう 返事をしてから入って来るようにって何度も何度も はぁ」
溜息を吐いているのがこのギルドのマスター 耳の尖った眉目秀麗なオッサン 名前はソーマ エルフ族らしいよ! 年齢は30歳独身 身長は俺と似たり寄ったり、負けてない断じて5センチほど負けてないから、ちなみにこっちも腐れ縁
「昨日持ち込まれたモンスターの素材を格納庫に持って行った時に気が付いたんだが、持ち込まれたモンスターの数って微妙に減ってる?」
「あぁ、冒険者が王都に流れているから、ここのギルドの冒険者の総合ランクが落ちてしまってね」
「じゃ近々スタンビートが来そうだ」
スタンビート(魔物の氾濫)を予見しつつ俺、ソーマ レオンと話していく
「じゃレオン、俺とちょっくら散歩に行くか?」
「わしを、お主のペットみたいに だが、久々に楽しめそうだの」
「ギルドの解体は裏の広場に適当に置いておくように言うから、親方とレオンは休暇ってことにしておきますよ」
「すまんね!じゃ行ってくるよ」
ギルドマスターの部屋を出て早速、散歩用に愛用している巨大な包丁を取りに解体場に戻った
こんなんで大丈夫かなぁ?