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ぷろろーぐ

初執筆のため非常に読みにくいやもしれません。何卒ご容赦下さい。

 努力をすれば報われるという言葉は本当に残酷な言葉だ。逆に言うと報われなければ努力は認められないのだから。と、普通の高校生 前田 洋〈まえだ よう〉は今日返されたテストの点数を思い出しながら思う。見事に赤点だった。

  彼は突出した運動神経がある訳ではない。頭は悪いぐらいだ。顔も平凡だし、体格も中肉中背、というより痩せ気味である。何に対しても大した才能は無い。強いて特徴を挙げるとすると呪われているのかと思う程運がないということと若干オタクっぽいことぐらいか。

 才能がないといっても努力を怠っているわけではない。彼の家系は代々優秀な人材を産み出して来ており、親からの期待に答えようと日々努力しているのだが全て空回りに終わっている。

「ハァ、帰ったらお説教確定だな…。どこかに才能が無くても認めてくれる場所はないものかね。」と独り言を呟いていると、近くの踏切が鳴りだした。今の時間帯は帰宅ラッシュなので1度踏切に引っかかるとかなり待たされることを思い出し急ぐものの間に合わない。「……もうやだ…。」上りの電車がこちらに来るのを見てため息をつく。するとふと違和感を感じた。この踏切の先はカーブになっており電車は速度を落とすのだが、今こちらに来ている電車はやけに速いような気がしたのだ。

 数瞬後、先頭車両の車輪と線路の間から形容し難い音が聞こえた。そして……先頭車両が脱線し、後ろの車両もつられて巨大な蛇のようにのたうちながら脱線していく。勢いはそのままにうねりながら洋のいる踏切の方へと。

 洋は何が起こっているのか分からなかった。そして分かった時にはもう遅かった。凄まじい痛みが走る。そして次に浮遊感。最後に背中から地面に叩きつけられて視界がブラックアウトした。












 目が覚めたら暗い空間に立っていた。ほとんどが闇で埋めつくされた視界に唯一、豪華な玉座が置かれていた。「なんだ……ここ……。俺、確か脱線した電車に吹っ飛ばされたはずだよな……?死後の世界ってやつか……?」洋は困惑しながらつぶやく。そしてゆっくりと玉座に近づく。金色に輝くそれは様々な宝石で飾られており、細かな文様が背もたれに彫られている。

 玉座から3mほど離れた場所まで近づいたときふいに上のほうからとても美しい凛とした声が聞こえた。

「そこで止まりその穢れた頭を床に擦りつけなさい」

 その暴言に洋は困惑する。しかし身体が勝手にすっと跪く。立とうとしても全く動けない。まるで自分の身体ではないかのように。すると先程の声の主がゆっくりと玉座の前に降り立つ気配がした。そして玉座に腰掛けたようだ。再び凛とした声が響く。「その薄汚い面をあげなさい」

 その暴言にまた自分の意思に関係無く身体がうごく。そこにいたものを見て息を呑む。あまりの美しさに声もでなかった。それはまさに天使だった。金の絹のような髪は長く腰まで伸びており、雪のように白い肌、薄いピンク色の唇。美しさの権化のような存在だ。その白い肌によく似合う白と金の衣。そして肩甲骨の辺りからは純白の羽が生えていた。ただ天使にしては慈悲らしい表情はしておらず、むしろ冷たく高圧的な雰囲気だったが。

 そして告げられる。


「あなたは非常に無様に死にました。ですが、あなたは面倒なことにある条件を満たしている様ですのでこのまま来世に転生するか、別の世界に転生するかを選ぶことが無意味だとは思いますができます。ゴミらしく元の世界で再びゴミとして生を受けるか、それとも別の世界で少し種類の違うゴミとなるか、さあ、あなたはどうします?」

 美貌も何も無駄に思えるほど口が悪い天使との出会いであった。

頑張って続けたい…

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