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私は日本人

警察はタケルや、留学生たちの死に疑問を持った。


今のところこれといった確証はない。


だが、タケルの現場からはダイイングメッセージ、シンディの現場からは部屋で本を読む映像がうつったカメラがみつかった。


どちらもなにもわからない。


しかもあの本の出所がまるでつかめない。


ジングウジモーコという人物に至っても。







ジェニファーはタケルが亡くなったことをニュースで知る。


「タケルはあの本を読んだのよ。死に方まで、エリーやシンディとそっくりじゃない」


ボビーはある案を出した。


「……俺たちでジングウジモーコを探らないか?この事件も止められるぜ」


誰もが反対した。そのときレイニーが口を開いた。


「フランスの弟から聞いたの。彼の友達の日本人が同様の死に方をしたそうよ。その彼はあの本を読んでいた。」


ついに海外にも魔の手がいってしまったのか。


だがレイニーは一つ疑問があった。


「顔にかかれたメッセージがシンディたちと違うの。最後の言葉は(日本にいるからわかるのさ)だと……」


日本に来ればわかるのに……じゃない。


だがシンディたちと同じように殺された……


何か共通点があるはず。


「いいわボビー。ジングウジモーコを探しましょう」








スナックで働く40歳のマリアは最近の事件について引っ掛かるものがある。


「日本に来たらわかるのに……昔聞いたことがる……」






路上生活者のトシフミはこの生活を始めて、20年になる。


場所は転々としているが、昔若干18歳で路上生活者になったある少女を思い出した。


「彼女はどこいったんだろうか……名前は……モーコだったかな……」


別の生活者がトシフミへ酒を持ってきた。 


昼夜問わず酒を呑めるのがこの生活のいいところだ。


「トシフミさん、なんか物騒な事件がおきてるらしいぜ。」


興味はない。死んだような生活をしているからか。


殺してくれるならありがたいもんだ。


「ジングウジモーコという女の本を読んだやつが次々に死んだんだとよ。顔に妙な字を書かれてだ。中には口から物をつっこまれたやつもいるらしい。」


トシフミはその名前と字というのに驚いた。


まさか……あいつの仕業か……


「本当にジングウジモーコで間違いないのか?その名前が書かれていたんだな」










ジェニファーはボビーとともに聞き込みを始めた。


本があった図書館の人に聞いたが何も出なかった。


ただ一つ……もう一人この件に関して調べている人がいるという。


2日前に同じ質問をしてきた。名刺を職員からもらった。


「玉森タイヘイ……」





玉森タイヘイは確信していた。


あの女の仕業だと。


探偵業を始めたのはその女を探すためだった。


探偵社で待機していたら見知らぬ外国人が入ってきた。


「あんたら誰だ?」


「ジェニファーです。こちらはボビーよ。」


「随分日本語がうまいな。」


「研究会にいますから。用件は、あなたがジングウジモーコを探してると聞いたもので。」


タイヘイはおそらく、殺された外国人の知り合いとなにらむ。殺された外国人も某大学の日本語研究部にいたとニュースで流れていた。


「あんたたち、ジングウジモーコのこと知りたいか?」


二人は首を下げた。


「ならば覚悟しろ…あいつは化物だ…」


どういうことだ……意味がわからない……


「あいつは……死んでも死んでも生き返る。俺もよく知ってる……俺の……」


姉だからな……








タイヘイはとんでもないことを言い出した。


(あの本をよこせ。そのレイニーというやつの弟に返して貰うんだ)


すぐにレイニーへ連絡した。


残念ながらフランスの警察に持っていかれたそうだ。


それをタイヘイへ連絡をすると……


「タイヘイ!警察に忍び込むのは無理よ!捕まるわ!」


「……俺一人でもいく。お前らは家で休んでろ」



ジェニファーとタイヘイが探偵社で話してると一人の男がきた。見覚えはない。


「あんたがた……ジングウジモーコのこと探ってるね」


なぜ知ってる……誰だ!?


「ジングウジモーコの弟だ」


なにを言ってるんだ……!?


弟は……


「俺が弟だ!お前なんか知らないぞ!」


「……俺は間違いなく弟だ。」


正確には義理の弟だ。


姉の名前は山村朋子。ジングウジモーコはペンネームだという。


「俺は山村ケンタ。あの本は姉が書いたんだ!間違いない!」









トミーとケイトとソサモンはジェニファーたちとは別に動いていた。


するとジングウジモーコを知る人物を探し当てた。


彼女はスナック店員マリアだった。


その名前を辛辣な顔で説明しだした。


「ジングウジモーコは……私の姉なんです……彼女は私にあの本をよく見せてくれました。」


妹……


「姉は死にました。病気でした。」









レイニーは奉仕活動に専念していた。


この日本でその活動をするのが夢だ。


日本とフランスは料理やスポーツでお互いに助け合っている。


将来はこの二か国語の為に生きていこうとおもっている。


公園の生活をしていると、ある路上生活者が話しかけた。


「外国のおねえちゃん。あんた殺されるぞ……」


その意味はわからなかった。


何者なのか。


「ジングウジモーコは外国人を恨んでいる。外国人を殺すんだ。」


殺されたシンディたちの顔を思い出し、とても不愉快に思う。


「あなたは誰なんですか!?ジングウジモーコのことを知ってるんですか!?」


男は深くうなずいた。


「俺はヨシフミ……あの女は一時期この公園で路上生活をしていた。俺は彼女に何度も本を読ませてもらった……」










ジェニファーたちは一度部室に全員集まりお互いの情報交換を行った。


ジェニファーたちの情報交換


・玉森タイヘイ(35) 探偵

 

 モーコの弟


・山村ケンタ(28)


モーコの義弟



この二人、面識なし


トミーたちの情報 


 サリー(40) スナック店員

  

 モーコは姉  


 昔 本をよく読ませてもらった。


レイニーの情報


 ヨシフミ 路上生活者


 19年前にモーコと過ごした


 その後場所移動で消えた


 ヨシフミによると、モーコは外国人を恨んでいる。




その後のしらべでここに書き出した全員が顔を知らないことがわかる。



誰もが頭を抱えた。


モーコは一体何人いるのか……


そして何者なのか……







二週間後、あるニュースが舞い込んだ。


タイヘイが警察に捕まった。


警察に忍び込み捕まったようだ。


「間違いない……」


あの本を盗もうとしたんだ……


ジェニファーたちは危険と感じ、この件に関してはこれ以上踏み込まないことにした。




さらに翌日、タイヘイは警察の目を盗み本を盗み逃走した。










1週間後、ジェニファーは家へ帰ろうとた。


しかし、そこに見覚えのある男がいる。


「タイヘイ……」


服はボロボロで、無精髭も伸びきっていた。


「あなた、本を持って逃走したんですって!?」


「ああ、中にいれてくれ。」





タイヘイはジェニファーに浴室を借り、例の本を持ってきた。


なぜ持ってきたのか……もう調べるのはやめたのに……


「ジェニファー……おまえらの中の誰かが危険だ……モーコは誰かを選ぼうとしてる……」


まるで意味がわからない。


何を選ぶのか。


「なぜこんなにもモーコの関係者を名乗るものがいるのか考えた。おまえらの友達も見つけたんだよな」


「ええ……」


ジェニファーは自分たちで見つけた情報を全てのその日にタイヘイへ伝えた。


だがしばらくするとタイヘイは警察に忍び込み捕まったのだ。


「この件を終わらせなきゃいけない。俺の予想じゃ、モーコはジェニファーを後継者に決めている。」


……だから後継者とは……何なのだ……


「あの後色々考えた……俺も含めた全ての人物に繋がりはなかった。つまりモーコと名乗るものが複数いるんだ。」


それはジェニファーも考えていた。


ただそれがどうこの事件に繋がるのか。


「だから俺は考えた……」


本当はジングウジモーコなんかいないと……











ジェニファーは一人だった。


そして目の前には……あの本だ。


ジェニファーはその本を開いた。


(ジェルマイアは殺された その近くには香取線香があった。警察はそれが何かわからなかった。事件は迷宮入り。日本にいればわかるのに)

 

(続きよみたい……)


ジェニファーは囁き声を聞いた。


「あんたがシンディやエリーたちを殺したのね!出てきなさい!私は驚かない!」


ジェニファーの声に返答はなかった……


するとジェニファーの周りの光景を、日本の字が埋めていく………………いちかばちか……


(………………)


ジェニファーは……目をつむった……すごく恐ろしかった……だが……その目は開けなかった……


そのときジェニファーの部屋のクローゼットからタイヘイが出てきた。


「ジェニファー!俺の言う通り目をつむってろ!今お前の周りのには名にも起こっていない!!」


(なぜわかった……)


「お前が何の怨霊だか知らないが……お前は存在しないんだ……何がジングウジモーコだ。お前が目に見える恐怖にとりつくことはわかってる!姉さんの言葉の意味がわかった」


〈タイヘイ……人の恨みも全て目と耳から入るもの。それすらないものに死の恐怖はないのよ……〉


「おまえは……この日本を愛する後継者を探したんだろ!!お前の魂胆はわかってる!」


(貴様も殺してやりたい……だが……貴様には手を出せない……生粋の日本人だからな……)


「これ以上罪を重ねるな!!もう終わりだ!消えるんだ」


ジェニファーは目をつむったまま伝えた。


「あなたは……私と同じなのに……違う……あなたは……日本人になりたかった。」


(違う!私は日本人だ!!日本を愛してるんだ!!消えてたまるか……)


ジェニファーは少しずつ目を開けた。


「あなた……マナでしょ……」


字が消えていく……少しずつ……少しずつ……








2時間前……


……タイヘイは自分の考えをジェニファーに伝えた。


「この世には日本に馴染めない外国人が沢山いる。日本と言う国はもともと、外国人との交流が少ない。誰もが英語はうまく話せないし、背も高くて大きな外国人に恐怖すら感じてる人もいる……」


おそらく…… 


「本物のジングウジモーコは日本人ではない……日本が好きなのに、日本に馴染めなかった人間だ。」


そして……


「仲良くしたくて、不幸なものたちにこの本を一緒に書いて貰うよう頼んだ。つまりジングウジモーコは共同ペンネームだ。」





タイヘイたちは父と母が自殺をしていた。


借金苦のようだ。


その後姉弟で施設へ入った。


姉は友達と一緒に書いてるという本をタイヘイに見せてくれた。小さい頃のタイヘイにはよくわからなかったが。


しかし、姉は自殺した。タイヘイを残し。


だがジングウジモーコという姉が使った名前をいう女がいる。


タイヘイは姉の亡霊なのだと思った。


そしてこの事件。




山村ケンタは父と母の蒸発により、ある親戚宅へ預けられた。


ほぼ同時期に施設に強盗に入られ入院してた女の子が親戚の家へきた。 義理姉の山村朋子。


その親戚と合わせて5人で暮らしたが血の繋がってない朋子とケンタは虐待された。


虐待に耐えながらも朋子は友達とともに書いてるというシュールな本をケンタに読ませてくれた。

そして私とケンタは2人家族、あの3人とは家族ではないとケンタに伝えた。


朋子は自分は親に捨てられ施設へ入り生きてる意味がないと思ったがケンタにあえてよかったといっていた。


1996年、地震が起きた。そして親戚の3人は死んだ。


その後施設で仲良く暮らした。





サリーの姉妹はフィリピン人だ。


日本で生まれ日本で育った。


姉は友達に教えてもらった本を書いていた。


サリーも日本語の勉強になるとよく読ませて貰った。


姉は大人になりフィリピンに嫁いだがうまくいかなかった。


路上生活者になり、2009年にレイプをされ、2014年に肺炎で死んでいるところが発見されたらしい。





そして、ヨシフミ。


彼の話によるとモーコは1981年にどこかの国からきたらしい。


そして日本に馴染めるように、気に入られるように日本人好みの本を書いたらしい。


その後不幸な境遇にある友達に一緒に書くようにすすめた。


だが家族が事故死し、1986年に施設に入る。


だが1988年に施設が燃えてしまった。その後別の施設へ行った。


だが、施設は募金がもらえずつぶれた。


1996年に路上生活者となりヨシフミと出会った。


そこでヨシフミによくおかしな本を見せてくれたそうだ。


だが彼女は国籍に異常な拘りを見せた。


私は日本人だと……


しばらくすると彼女はどこかへ消えていた。








「外国人なのは、サリーの姉と、モーコと名乗る女。サリーの姉はフィリピンに行ったところをみると……」


モーコと名乗る女が今回の事件の張本人だ。



「……姉には悪かった……自殺の理由はわからんが……これは姉の仕業じゃない。化物なんて言ってしまって申し訳ねえ……」







……モーコの本名……


「マナ…」


タイヘイは何か言ったか?とジェニファーに訪ねたが首を横に振る。


(部室の黒板の文字……(友達のマナは)……おそらく……)









「あなたはマナでしょ……マナよね」


(……あなたは私の気持ちがわかるのか……)


ジェニファーは首を横に振る。


「殺人の気持ちはわからない。なぜそこまでこだわるのよ」


(わかった……全てを話す…………)


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