思い出を作ろうとした人
海の人のお話。
僕の夢は、とっても大きいお船を作ること。
そしたら、お母さんたちを乗せてあげてとっても楽しい思い出を作るんだ。
お母さんはいつも辛そうな顔をしているから。お船に乗せて笑わせてあげるんだ。
僕は、少しくしゃっとなった紙にお船のせっけーずを書く。
本をたくさん読んだから、お船のことはたくさん知ってる。
お外では、お船は良くないことに使われてるんだって。
お船は、海がきれいに見えてまるで自分が海の上に立っているみたいになるのに。
何でえらいひとは、楽しいことに使わないんだろう。
僕は楽しいことに使えるよ!お船は僕の夢なんだ!
僕は、もう成長した。
今、外がどうなっているか自分の国のため、何をすべきか。
すべてを知った。
僕は、国のために海へ旅することに決めた。
海は、とても辛い旅になると僕は知っていた。
でも、僕は自分の夢をかなえたいんだ。母の笑顔が見たいんだ。
と、旅出ようと思っていたが僕は、船を作るという任務に就いた。
強い船をたくさん作れば、国が喜んでくれるそうだ。
この国は今、優勢な方にあるらしい。本当かどうかは疑わしい。
僕は船を書き続けた。母を思って、国を思って。
一生懸命に。
国の争いは終わったようだ。
ラジオで聞いたが、どう終わったかは難しくて、聞き取れなかった。
だが、とりあえず終わったのだ。
終わったということは、平和になったということではないか。
僕は今度こそ、自分の夢を描いた。前よりも、もっと真剣に。
設計には、結構時間がかかった。
これを、国に提出した。
国はおおいに喜んだ。僕はそんなに嬉しくなかった。
一番に見せたい人は他にいた。
僕の母だ。
僕は、よく通った田んぼに囲まれた道を走って行った。
この道をしばらく行ったら、僕の家だ。
家に着く。
そこには、前の姿はなかった。
ただ、砂がこびりついてすこし白くなった石が立ててあった。
僕は、それをきれいにして設計図を置いた。
この設計図は、本当に母に見せたかった設計図だ。
国に渡したものよりずっと良い。
僕の最高傑作だ。
これを、土の中へそっと埋めた。
この船は、作ることができなくなってしまった。
僕は、少し帰るのが遅くなってしまった。
今度こそ笑顔で笑ってくれよ、母さん。
俺は夢に見た海へ、思い出を作りたかった純粋な海へ走って行った。
とても、きれいな夕暮れだった
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飛行機ときたら海だろうと、勢いに任せて書きましたが、多分これはボツになりますね~。
白猫保温




