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彼氏に振られたら、乙女ゲームを勧められました

この話は-2-の続きではありません。

では、何の話かと問われれば読み進めればわかるかと思います。


「おまえなんて、ただの飯炊きババアなんだよ!!」


彼氏の家で今日の夕飯の肉じゃがとみそ汁を作っていると、3年付き合った彼氏にそんな言葉を投げつけられました。

彼氏…いやもうアレでいいよ、あんなの……。


そんな言葉を放ったアレの隣には可愛らしい女性が側にいて……。

その女性の姿を見て、二股をかけられていたのだと思っていたのだけど、彼女とも思っていなかっただなんて……。


アレとわたしは大学の時に知り合った。

大学の卒業のときにアレの方から告白してきたはずなんだけど…。


大学の卒業式が終わって、みんなでその夜飲もうねと話をしてから、わたしは帰る方向が同じだったアレと一緒に駅に向かった。


「卒業をしたら、もう会うことも減るだろうねぇ~。お互いに仕事で忙しくなるだろうし。」


わたしは成人式の時に買ってもらった振袖にレンタルの袴を着ていて、アレはスーツ姿だった。

スーツマジックはすごい、いつもだれたイメージのあるアレがかっこよく見えていた。

……もともと、顔は悪い方じゃないんだ、アレは。付き合っている女性が途切れることはない。


駅前のカフェで買ったキャラメルラテを飲みながらそういうと、同じくチャイラテを飲みながらアレは答えた。


「あぁ、そうだなぁ。なぁ、お前って付き合ってるやつとかいねーよなぁ?」


「ん?今はいないねぇ。まぁ、新社会人始めるとこだし恋愛は仕事が落ち着いてからゆっくりとね~。」


「俺と付き合っとく?」


「はぁ、なんでまた。彼女いなかったっけ?学食でかわいい子とご飯食べてたでしょ?」


「え、別れたし。いや、ほら…お前の飯とか、うまいし……。」


「まぁ、別にいいけど。」



今考えても、なんていう告白だとおもうけど。友人からの恋人ってのはそんなもんかと割り切っていたわけなのだけど……。


 わたしの三年間を返せ……。アレの前で涙なんか見せたくもない、涙が穢れる!


そう思ってわたしは笑顔でさっきまで作っていた肉じゃがとみそ汁をタッパーや水筒などに詰め込んでいく。

後ろで「なにしてやがる!」とかほざいている声が聞こえるが、もちろん無視である。


この料理の材料を買ってきたのはわたし。この料理を作ったのもわたし。今わたしが詰めているタッパーも味噌汁を入れた水筒わたしが買ったものだ。


そして、アレの家の冷蔵庫にあった野菜や調味料を含め、食べられるものを全て自分のバッグにそれをしまっていく。これらもわたしが買ったものである。

唯一、ビールだけはアレのものなのでそれは置いておくが。


「おれのめしだろ!?」


バカなことを言うので、わたしはそちらを見ながら驚いた表情を作ってみせる。


「何を言ってるの?これも、これも、これも…ぜーんぶ、わたしがわたしのお金で買ったものよね?

 保管場所はお借りしていましたけど、わたしが持って帰ってもおかしいところ一つもありませんよ?」


「ぐっ」と蛙が潰れたような声が聞きつつ、それにまた言葉を重ねる。


「あぁ、これらを作るために使った電気代ガス代はここに置いておきます。おつりはいりません。」


そう言って机にパシンッと札を置くとわたしは潰れた蛙とその彼女さんの横を通り抜け家に帰った。



家に帰ると、持って帰った食材などを冷蔵庫や収納庫に全て納めこんでPCのスイッチを入れる。

そして、冷蔵庫に戻って缶チューハイと肴にビーフジャーキーも持ってきた。



    みぃ『ありえない。むかつく…!』


PCが起動したのでチャットルームに入って、そう書きこんで缶チューハイのプルトップをあけて飲み始める。


「むかつく……。ばかやろぉ~。」

チャットに書き込んだことと変わらないことが口からも漏れた。


    シズ『どしたの~ なんかあったの?』


書き込みをしてすぐに シズ がわたしの言葉に反応をくれた。


シズはわたしがここのチャットルームで知り合った同世代の女性である。

お互い、趣味やファッションや仕事などは全然違うのだけど、ある一つの共通点から仲良くなった。

その共通点というのが、わたしも彼女も「てまりインコ」というキャラクター好きだということである。

てまりインコはてまりのようにまんまるいフォルムのインコで、鳥だというのにコロコロ転がるというなんとも脱力する子で、わたしは体の色が青いアクアというキャラが好きで、彼女は体の色が黄色いコハクというキャラが好きなのである。

住んでいるのも同じ県内なので、○○のゲームセンターにてまりインコの小さなぬいぐるみがあったなどの情報交換もできた。

そして、彼女はアクアのグッズが取れたらわたしにくれて、わたしはコハクのグッズが手に入ったら彼女にあげていた。

なかなか身近にこのてまりインコを好きな友だちがおらず、このチャットルームで彼女と出会えたのは奇跡のようだった。


    みぃ『彼氏んちでご飯作ってたら、女連れて帰ってきた。

       そんで、おまえはただの飯炊きババアだって言われた。』 


    シズ『うわぁ、そんな男なんて忘れて、新しい男探しなよ。

       あんたなら大丈夫でしょ。』


    みぃ『いや、もうあんなのどーでもいい。

       つか、男はもう信用できん。いらない。』


    シズ『えー。そうなのー?じゃあさ。こんなんどう?』


    みぃ『何?男もホストもレンタル彼氏もいりませんけど?』


    シズ『いやぁ、面倒のない男。』


    みぃ『だから、男いらないってばっ』


    シズ『これこれ!』



チャット相手のシズはゲームを紹介してきた。

それは乙女ゲームと言われるもので、いわゆる男の子を落とすゲームだった。

シズはそういうゲームをするのが好きな子で数多くしているとは聞いていた。

わたしは興味がなかったので、そうなんだぁと相槌を打つばかりだった。

ほんとうにシズとわたしの共通点はてまりインコだけだったのだ。



    みぃ『いや、面倒なくていいって……』


    シズ『面倒いらないよ?

       ゲームをプレイするのに電気代はかかるけどご飯作れとも言わないし。

       甘い言葉をくれるし、イケメンだし。

       これは一人ひとりのストーリーを個別にプレイしていくタイプだから

       他キャラが嫉妬してきて、嫌味を言うとかいうのもないし。』


    みぃ『えー。』


    シズ『今一番のおすすめ!やってみ!』


    みぃ『えー、でもわたしゲームの機械とか持ってないし。』


    シズ『おとうとくんがゲームしてるとか言ってなかったっけ?借りれば?』


    みぃ『あぁ~、そうか。んじゃいいや、買ってみる。』


    シズ『おお、やったね!布教成功www』


    みぃ『え、なに。これ、宗教ものなの?入信する気はないよ?』


    シズ『いやいやいや、違う違うwww 布教ってのは言葉のあやだよ~。

       いいからやってみ、んで感想聞かせてっ、ね!』



缶チューハイを飲み干す。

一本しか飲んでないのに、頭が回る……これは悪酔いしてるな……。


ぼーっとしながら、シズが言っていたゲームソフトをネット通販でぽちっと購入してそれをシズに知らせてから、ベッドに倒れこんだ。

そこからわたしは深く眠りについた。缶チューハイ一本でここまで熟睡できるとは思わなかった。




数日後、ソフトが届いた。


「あれ、なんだっけこれ。ゲームソフト……黎のか?でも宛先がわたし……あぁ~、アレか。」

額に手を当てて、悪酔いした数日前の事を思い出す。


買ったものは仕方ない、とりあえずプレイしてみよう。

まずは、ゲーム機の調達から……。



わたしはそのソフトを持って、弟の部屋のドアをノックしてすぐに中に入っていく。


(れい)~?いる?ちょっとゲーム機貸してくんない?」


黎は3つ下の弟で、今年社会人一年をはじめている。

たしか、仕事が忙しくてなかなかゲームもできねぇっとか言ってたから、ゲームの機械を借りても大丈夫だろう。


「あ?ゲーム?姉ちゃん、ゲームすんの?」


「まーいじゃん。なんかえーと、テレビにつなぐやつよ。」


「うわぁ、ゲームのゲの字も知らんやつがなんか言ってるしー。」


黎の言うとおり、わたしはゲームというのをしたことが無い。

いや、黎が時々遊んでいる歴史物のシュミレーションを後ろから覗いたことくらいはあるが、歴史にも興味のないわたしは出てくる人物の名前もわからないので早々に見るのもやめた。


「うっさい。とにかく貸して!あんた最近PCのゲームばっかりしてるんだから、テレビにつなぐやつはいらないでしょっ!」


「まぁ、いいけど。壊すなよ。」


「……まぁ、それは保証できない。」


「…………はぁ、まあいいや。はい、ドーゾ。」



そんな感じで弟からゲーム機を借りてきた。

いつもだったら、黎は決してゲーム機を貸してくれなかっただろう。

だが、わたしがアレと別れたことを知ってからは少し言葉が柔らかくなっていた。

口は悪いが、弟は意外と優しいところもあるのだと長い付き合いで知っている。




さて、乙女ゲームとやらをやってみよう。

タイトルは「霞の森で約束を…」と書かれてあり、パッケージには漫画のような絵で男の子が4人描かれてあった。

シズがよく「みどりの髪の毛の子がね!」とか言って乙女ゲームの事を語っていたりもしたが、この4人はまっくろの髪の毛でないにしろ青や緑やどピンクの髪の子はおらず、実際に存在しそうな髪色の子たちばかりだったので少し安心した。

真ん中の男の子は金髪だったが、あとは緑がかった黒髪、栗毛、黒髪。


説明書を読む。キャラクター紹介というのがあった。


―――――――――――――――――

ヒロイン(名前は未設定)

 高校2年生


スフェーン・S・トウシェク

 高校2年生 留学生


石颪 拓 (イシオロシ タク)

 高校3年生 


風間 雪麻 (カザマ セツマ)

 高校1年生


五十嵐 慧 (イガラシ サト)

 担任

―――――――――――――――――


スフェーンというのが金髪の男の子のようだ。留学生というくらいなので、外国人だろうから金髪でもおかしくはない。

だが、キャラクター紹介のところに『担任』の文字を見て


「え、何。担任が生徒に手を出しちゃうの!?うわぁ、ありえな~い。」


担任が教え子に手を出すのは普通なのだろうか?

そりゃ、ドラマでは時々あるし、実際わたしの高校の生徒指導の先生の嫁が元教え子だとは聞いたことあるけど。



キャラクターを見たところで、ゲームを起動する。

なんだかほわほわした可愛らしい映像が流れて、タイトル画面になった。


このゲームの舞台は 花霞郡霞の森町という架空の場所のようだ。

その霞の森町というのは、大都会でもなくど田舎でもない場所らしい。


わたしは真面目に一番上のスフェーンのストーリーから始めた。

ヒロインの名前は未設定らしいので、自分の名前を入れておいた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

『今日から2年生!わたしも上級生なんだ!フフッがんばろう~!』

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


「うわぁ、こんな発言わたし絶対しないし…9年前のわたしも絶対言わない……。何よ、フフッって……。気持ちわるぅ~。」


発言者の名前として自分の名前が書いてあり、そんな話し方をしないわたしにはとてつもなく違和感があった。

自分が「フフッ」と笑うところを想像してついそんな発言をする。


ゲームを進めていくと、スフェーンと主人公は昔出会っていたということが会話の端々でわかってきた。

サスペンスとか推理ものとかは好きだったので、それくらいわたしには簡単に分かったのだが、主人公はどうにも鈍感らしく気づく気配はない。


 スフェーンって子、むくわれないわねぇ……。


主人公というのは鈍感なものなのだろうか?男の子たちが哀れでならない。

そうして話を進めていくと、物語に終わりが来た。


主人公は昔会ったことがあるというのに気付かずに、それでもスフェーンという子と仲良くなるという終わりだった。


そのエンディングを迎えてから、またチャットルームに入って書き込む。


    みぃ「シズ。スフェーンて子が終わったよ。」


    シズ「おぉ、そうかそうか。

       最初にスフェーンをプレイしたってことは一番好みだったの?」


    みぃ「……え?いや、一番最初に名前があったから。」


    シズ「なんだ、そうなのか。どのエンディングだったの?」


    みぃ「え、どのって?」


    シズ「このゲームは一キャラに対して4つのエンディングがあるんだよ。

       タイトル画面にエンディング一覧ってのがあるから確認してみて。」



シズにそう言われてタイトル画面に戻すと確かにその項目があった。


――――――――――――――――

スフェーン

  ??????

  恋愛ED

  ??????

  ??????

――――――――――――――――


    みぃ「なんか上から2番目の『恋愛ED』って書いてあるのが出てるよ。」


    シズ「あぁ、じゃあ過去を思い出さないver.か。

       ??????ってのがあるでしょ。

       それが他のEDなんだよ。

       あとの3つは…あ、ちょっとネタバレしても大丈夫?」


    みぃ「ネタバレ?

       もしかして主人公と男の子が昔会ったことがあるっていうの?」


    シズ「あ、わかってたんだ。うん、それなんだけど。

       他のEDは友情エンドと過去を思い出して恋愛エンド 

       あとバッドエンドだね」


    みぃ「へぇ、そうなんだ。」



そして、わたしはもう一度スフェーンのストーリーを始めた。

物語を進めていくと、時々絵が表示された。その絵はとてもきれいで進めていくうちに全部見たいなと思った。

タイトル場面にはスチル一覧というのもあり、スフェーンと主人公が描かれた絵がいっぺんに見ることができる。

スフェーンの最後の絵を見てみると、絵には名前があるらしい。

その絵は幼い頃に逢っていたというときに表示されたもので


“幼き日の二人~スフェーン~”と書かれていた。



そうやって、全ての男の子のエンディングを見たあとやりきったと感じていると、個々の物語を選ぶところで、??????というのが出てきたそれまではそんな表示はなかった。


それを押してみると、それまでに出てこなかった別の男の子が現れた。


  夕凪(ゆうなぎ) 奏也(そうや)


学生服が他の子たちと違ったので、別の学校の子という設定らしい。

その子のエンディングも4つすべて見た。


そのあとはもう他の男の子が出てくることはなかった。



そのゲームをすべて終えた頃には元彼(アレ)の存在なんてどうでもよくなっており、良い気分転換になった。



そのゲームで遊びきってからゲームの事を考える。


 確かに甘い言葉はくれるけど、実際にはなかなかあんな言葉を発する男ってホスト位なものなんじゃないかしら。

そう思って苦笑した。

 疑似恋愛であっても、人間はドキドキしていた方が若々しくいられるというのでその点についてはいいゲームなのではないだろうか。



チャットルームでまたシズと話をした。


    シズ「で、全員攻略してみてどの子が一番よかった?」


そう聞かれて、考える。

主人公のアルバイト先にいたマスターさんが結構かっこよかったなぁ。

あとは、そうだ。

声だけで言うと担任の先生の友だちのバンドをしているっていう人が良かったな。

なんかエンディングに流れた曲を歌っている人の声に似ていた気がするんだけど。



    みぃ「んーどうだろうな。あ、そういえばさ。

       五十嵐先生の友だちの人の声?

       あれがエンディング曲の声に似ていた気がするんだけど」


    シズ「ん?先生の友人?あぁ、スルギね。」


    みぃ「あれ?名前って出てきたっけ?」


    シズ「いや、通称スルギ。

       エンディング曲を歌ってる人がSURUGIっていう人たちでね。

       そのボーカルが声をあてたキャラなんだよ。

       だから、ファンの間では通称スルギって呼ばれてるんだよ。」


    みぃ「へぇ~。あの曲結構好きだなぁ。

       それにしても、あんなかっこいい人ばかりがいる町とかすごいよね。

       一度は行ってみたいよ。」


    シズ「確かに!あぁ、そうそう。

       このゲームは花霞郡霞の森町ってところが舞台だったんだけど。

       ココの会社が出してるギャルゲーも同じ世界が舞台なんだよ。

       初代ギャルゲーの舞台が蒼碧町で霞の森と近い場所にあるんだよ。」


    みぃ「へぇ、おもしろいねぇ。」


    シズ「わたしもこの世界に行ってみたいよ。行けるものなら!

       もう、どうして向こうの世界に行けないんだろうな。

       あっ、それより。最初の質問!どうなの、どの子が好きだったの?」


再び聞かれて、うぅ~んと考える。そのスルギっていう人がいいなぁって言ったらだめなんだろうな。

じゃあ、一番普通の子っぽかったあの子かな?


    みぃ「そうだなぁ。夕凪奏也かな?」


そうわたしが書きこむと、それまで普通の会話のように続いていたシズからの書き込みがとぎれた。

不思議に思っていると、少ししてから書き込みがあった。


    シズ「私、同担拒否なの。もう話しかけてこないでね。」


    みぃ「え?急にどうしたの?ねぇ?」


 同担拒否 の意味が分からない。何なんだろう?


そう思いながら書き込みを続けるが、少してチャットルームの文字が書き込まれる部分に事務的な文章が出てきた。


    アクセスが拒否されました


「アクセスが拒否?なにそれ……。急になんなんだろう?同担拒否って何?わたし、何か言っちゃいけないことでも書いた?」


その日から、シズとは連絡が取れなくなった。

シズとはSNSでフレンド登録したり、電話番号やメールアドレスも交換して、一緒にてまりインコを取りに行ったこともあったのだけど、SNSはブロックされ、電話やメールアドレスも着信拒否にされてしまっていた。



彼女とはてまりインコがきっかけで仲良くなった子だったけれど、それ以後連絡を取ることはできなかった。

それからもわたしはずっとてまりインコのグッズを集めたりしていたのだが、黄色いインコのコハクを見るたびに、悲しい気持ちになってしまった。


 同担拒否の意味がずっとわからないんだけど、とりあえずわたしはシズとは何かが違ったんだろうな……。



アレと別れて、勧められた乙女ゲームだったがそれ以来ゲーム自体に触れていない。


ただ、あのゲームのエンディングに流れた曲を歌っていた『SURUGI』という歌手のCDはいろいろと買い集めた。

ライブにも何度も足を運んだ。何度聞いてもSURUGIのボーカルの鈴木累さんの声はいい。

歌も好きだ。

あの声だけは、わたしの悲しい気持ちを思い出させない。


あのゲームをし終えてから、仕事が忙しくなってきた。

仕事自体は楽しかったし、やりがいも感じていた。

家に帰ると、化粧だけ落としてベッドに体を沈めることも多々あった。


あれ以来仕事のせいもあって、彼氏もできなかったし、好きな人ができる暇もなかった。

鈴木累さんの声は好きだったけれど、それはけっして恋ではない。



あれ以後ゲームをすることもなかったわたしは

あの「霞の森で約束を…」の次回作が出たという話も知らない。




あの事故に遭うまでは、ゲームのことについても完全に忘れていた。


同担拒否、好きな人を独占したいという思いはわからなくはないし、それを批判する気はないです。

さすがに、人が買った(好きなキャラの)キーホルダー等を引きちぎっていったり、同担とか全員消えろとか言う人は理解できませんが。


さて、みぃが誰の事かはたぶんわかりますよねぇ…。


【同担拒否】

同じ芸能人やキャラクターを好きだという人と関わりたくない・許せないという人のことだそうです。

自分一人の彼氏だと思っていたのに、他の人もその人のことが好きなのはいやだというような感じでしょうか。

独占欲が強く、ある意味愛の深い方々ことだとわたしは理解しています。


わたしとしては、シズはそこまで痛い子とか悪い子とか思っていないです。

同じキャラが好きな人とは絡みたくないという人もいるよということです。

わたしは同じキャラが好きな人や同じ声優さんや俳優さんが好きな人と絡みたい人です。一緒にキャーキャー言いたいです。

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