覚悟
以前、何かのエッセイ作品で示したこともあったが、全国にいる五万というアマチュア作家の中からプロとして浮かび上がることのできる人は、その内のほんの一握りしかいない… という厳しい現実がある。
そのためには、僅かのチャンスも逃さないという貪欲さや不屈の精神が必要となってくるであろう。
前作で話した通り、例えばインターネット上の小説サイトで作品の大賞などを争う場合、アマチュア作家同士のネット上での目に見えない、順位を争う熾烈なデッドヒートが連日繰り広げられる。みな必死の思いで周囲に投票などを呼びかけているという実態がそこにはある。勿論こういったケースは、なにもこの世界に限った事ではないであろう。
本気でプロを目指すのであれば、まず色々な分野のセクションを手掛ける必要性もきっと出てくるであろう。各種、小説や手記やエッセイやノンフィクションの実話から、はたまた作詞や詩、俳句、川柳や落語に至るまで…。まず幅広く全体を把握した上で、個人の得意分野を選択し絞っていくというのが、最も好ましいように感じられる。
この種のチャレンジは、所詮大きな夢でしかないかも知れないが、少なくとも何もしないで受け身で、ただ手をこまねいて沈黙の不動の姿勢で見ているだけでは、あまりにもつまらなさ過ぎる人生…… という気がしてならない。
だがこれらの挑戦は、きっと永遠にゴールなんてないのであろう。それでも、なにごとも諦めてしまったらそれで終わりと思う。また「自分がこれで満足だ」と考えてしまったなら、もうそこで終わりだと思う。死ぬまでその世界でチャレンジし続ける覚悟が必要であろう。
しかし反面、結果を出さなければ誰も認めてなんかくれないことも、十分に承知しておく必要もある。
それでも死ぬ瞬間に、自分が続けてきた事に、何の後悔もなく自信満々で死んで逝けるのなら、それはそれでいいのではなかろうか?