夢と現実
先日iPadを持参して、市内の中央図書館へ執筆活動に出向いた。週末につき、そこの社会人読書室はたいへん混雑していた。皆それぞれに真剣な眼差しで、読書している人、何か書いている人、険しい表情で目を瞑り腕組みをして何か考えている人、など…… ここでは様々な方々と遭遇する。皆各々に目的がある。
そこで、ある人と出会った。もちろん館内は物音一つ無い静寂の世界であるため、たまたま傍の公園に出て少しだけ話をした。その人は某地方紙の記事を書く記者であり、時々来館して主に観光関係の記事を書いていると言う。つまり彼は書く事をビジネスとして、それで生計を立てているという、言い方は悪いが現実主義者であった。
一方、読書室内では、かたや作家らしきものを夢としてか、ひたすら本を読むか文章を執筆しているかパソコン操作をしている若者から高齢者までが、必死で一生懸命の状態で居る。彼らは必然的に、今やっている事=収入ではない。自分の将来に向かって限りない夢を抱き、精いっぱい努力している。確実な保障はどこにもないのに… いわば夢追人の浪漫チストでもある。アマチュア作家の私のように…
どちらが正しいか? とかいう、そういう問題ではない。 作家志望者たちよ! 願わくば、その夢が実現するといいね…! と心からそう期待する…。
だがプロになるには、多くの本を読みドラマや映画を鑑賞し、より多くの人と接して会話を持ち、作品の題材探しに没頭せねばなるまい。情報収集活動の一環として。
プロへの道のりは、どんなことでも例外なくそうだが、決してそんなに甘くはない!
全国にいま五万という無名の書き手が存在する中で、浮かび上がれるのは、その内のほんの一握りしかいない!という厳しい現実がある。そこには実力に加えて「時の運」も当然あるであろう。
しかし反面、声を大にして言い切りたい。全国の書き手たちよ! それでも決して、その夢を諦めるな!! と……。