「お金」!?
いまさら、金銭価値について議論する余地などさらさらないが、とある居酒屋での会話である。たまたま、お金に関しての話題となった。
女性スタッフが言う。
「お金なんて、あればあるように使ってしまうし、なければないなりに済むし、あまり深く考えない方がいいんじゃない?」
もう一人の女性スタッフが、これに反論する。
「そんなの、しょせん『きれいごと』だよ。お金はないよりあった方がいいに決まってるし」
そばにいた男性店長が言う。
「けど、貧乏人には貧乏人の悩みがあるのと同様に、また違う次元で金持ちには金持ちの悩みがあるらしいよ。お金=幸せかな? どっちとも言えないね」
つまり「世の中、金か?」「いや、それだけじゃないか?」という、たいへんシンプルな議論である。
隣の席にいた初老の紳士が、こう呟いた。
「世の中お金だけとは思いませんが、ないよりはあった方が何かといろいろ便利だと思いますよ」
ふと思いつきだが、一方でパチンカス ( パチンコにのめり込む人 のこと ) の人達について考えてみてほしい。4円パチンコだと、終いに一万円札が100円位の感覚になってしまうとよく言われる。彼らは頭ではわかっている。合法的で何か特殊な攻略法でもない限りは、通じて勝てるはずなどないことを。過去はともあれ現在の確率変動機では、残念ながらそれは無理である。
あれは一種の脳の病気である。医学的にまでは解説できないが、大当たりしまくって いっぱい稼いだ時の あの何ともいえない快感を、脳のどこかでずっと覚えている。つまりその快感を呼び起こそうとする欲望が、自己抑止力を遥かに上回ってしまう状態にある。だから、やめようにもやめられない。射幸心の方が、克己心に勝ってしまっている状態である。
これは、ちとピントのずれた余談になってしまった。
ところで随分前に、弟が貸してくれた『億男』という本の冒頭に、次のように書かれていた。
イギリスはロンドン生まれの喜劇役者 チャールズ・チャップリン の残した名言格言です。
「人生は恐れなければ、とても素晴らしいものなんだよ。人生に必要なもの。それは勇気 ( Courage ) と想像力 ( Imagination ) と、ほんの少しのお金 ( Just a little money ) さ。」
これらに関する読者の皆さんのご意見も、是非お聞きしたいものである。




