第二十六話 離散
「リュウトくん、すまないな。アレーティアのバカめが」
「いいですよ。アリアの本心が聞けたのは、よかったと思うんだ」
「リュウトくん……」
「父さん、いや国王。オレ、どんなに頑張っても国王なんて器じゃないですよ。いい加減だし、だらしないし、強くないし、良いところもないし。大事な一人娘なんでしょ、もっと良い男と結婚させてあげた方が、いいよ。ソラリスとかでいいじゃない。いとこ同士で、お似合いだよ。それにオレは元々この世界にはいない人間だったんだ。この世界に干渉することは、しちゃいけないと思う。お父さんはさ、お父さんなら、アリアの、娘の気持ちを一番に考えてあげてよ」
「……。リュウトくん……すまないな。突飛な思いつきでもなかったのだが。結果的に君に迷惑をかけてしまった」
「ううん。気にしないで! オレ、この国でやれるだけのことをやりたいんだ。マジで危険な国だけど、日本よりずっと、ずっと居心地がいいんだよ、ここ。オレ夢があるんだ。街でできた友だちと、リトレギア王国竜騎士に入るんだ。ドランディオーソだよ。強くなって、王様を、助けるよ。それにオレ……アリアの夢を応援してあげたい。この異世界で一番最初に出会った、一番大事な友だちだから」
「リュウトくん……」
時は流れリュウトは約束通り、竜騎士の学校へと入学した。学校は寮生で、一度入学するとしばらくは帰って来られない。卒業まで個人差があるが、少なくとも三年以上は掛かるだろう。学校での様子は、教官も務めているじいやからアリアに度々報告が入るが、それを重々しい気持ちで、アリアは聞いていた。
結局、誤解が解けないまま、離れ離れになってしまった。




