表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天空の姫君と異世界の竜騎士  作者: しまいゆり
26/44

第二十四話 結婚

 街に出た日から、数日が経った。相変わらずリトレギア王国は平和で、闇の魔法使いが出たとか、グラン帝国が侵入してきた等の悪い報告は聞かない。


 食堂で、アルディナンド国王、ソラリス、アリア、リュウトの四人で(壁際にはじいやも待機している)、朝食を摂っているときだった。突然、リュウトが意を決したように言った。




「あのさ、みんな聞いて。オレ、竜騎士の学校に入りたいんだ!!」


「おお……! おお?」




 突然の申告に、食堂は静まり返った。




「突然じゃな、リュウトくん」


「突然でもないんだよ、王様」


「何ぃ?」


 


 リュウトは王様に、竜騎士の学校への入学許可を求めた。街で出会った友だちが、次の季節のはじめに竜騎士学校に入るから、同じタイミングで入りたいこと。自分だけいつまでも城に守られているわけにはいかないこと。強くなりたいことを話した。


 国王は頷きながら、黙って聞いていた。




 アリアも聞いていたが、一つ疑問に思うことがあった。




 元の世界に戻りたい気持ちは、どこに行ったんだろう?




 と。




 国王が返事をする前に、マリンが食堂に入ってきた。あれから光の魔法使いでソラリスと同じアスセナ族のマリンは、国王に気に入られ、王直属の侍女として迎えられていた。マリンはあれから塔に行きたいとは言い出さず、素直に国王に従っていた。




「アルディナンド国王さま、頼まれていたものをお持ちしました」


「おお、マリンか。ありがとう」




 マリンと入れ違って、ソラリスが食堂から出て行った。偶然かはわからないが、ソラリスとマリンは会話をすることもなければ、同じ部屋に長く留まることはなかった。マリンが来るとソラリスが決まって部屋を出ていくのだ。


 偶然かな、と思っていたけれど、今日もだ。


 アリアは不思議だった。ソラリスはマリンのことが嫌いなのだろうか? マリンは謎が多いところもあるが、美人で聡明で、嫌いになれるようなところが一つもない。アリアも既に度々彼女の部屋を訪れ、本当の姉のように慕っていた。


 人間は自分に近い者同士で仲良くなる性質がある。だからてっきり、同じ部族のマリンを連れてきたことが、ソラリスにもいい作用を産むと思っていた。しかしそうはならなかった。何故だろう。アリアにはわからない。


 ソラリスにとって、同じ部族の人間がいることが、逆に不利益を被る理由が、あるのだろうか……。


 それとも本当に気のせいかもしれない。




「リュウトくん、いいだろう。竜騎士学校の入学を許可する! 君の熱意、しっかりと伝わったぞ。頑張って、一人前の竜騎士になって、リトレギア王国を守る騎士になってくれ!」


「! お父さん、ありがとう!」




 リュウトはアルディナンド国王を「お父さん」と呼ぶようになっていた。家族のように過ごしてくれていい、と言ったのは国王だったが、それが建前でなく迎え入れられているのは、流石リュウトのコミュニケーション能力だ。




「ところでだ、リュウトくん。それにアレーティア」


「はい……?」


「お前たち、将来についてはどう考えておる?」


「将来…………とは?」


「リュウトくんが竜騎士学校を卒業して、一人前の竜騎士になる頃には、アレーティアも年頃の娘に成長しておるだろう」


「?」


「??」


「単刀直入に言う。お前たち、結婚をしなさい」




「はぁっ!? け、結婚――!?」





 その場にいた召使い、じいや、マリンそしてリュウトとアリア。全員が仰天したことは語るまでもなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ