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18年愛  作者: 俊凛美流人《とし・りびると》
第1章:記憶の狭間編
13/54

第13話:2015年 俳優という名の再生

◆俳優として、そして——◆


 舞台の成功、MVの出演、ワークショップ講師としての活動。

小さな成果が、確かな“次”へと繋がっていく。

大劇場からのオファーがあった。


——脇役ながら、映画の出演も果たした。


その映画の撮影現場で、準備を進めていたスタッフのひとりが、ふとシュンの姿を見て呟いた。


「……なあ、君、誰かに似てるな。昔、舞台で名を馳せてた“今井ハヤト”って俳優、知ってる?」

「今井……ハヤト?」

「うん、もう何年も前に亡くなったらしいけどさ。演技の雰囲気が、どこか似てるんだよ。何というか……声の響かせ方とか。」


シュンは曖昧に微笑みながらも、心の奥で、その名前がどこか引っかかった。


(今井ハヤト。演技の雰囲気が似てる?)


(なぜだろう、心が疼く)


映画の撮影は順調に進み、無事にクランクアップ。

その繊細な演技と主役を食うほどの存在感で、監督からも一目置かれ、シュンは確実にステップアップしていった。


ある日、ミュージカル映画の主演候補にも挙がった。


だが——


(ミュージカル映画かぁ……はぁ……でも何でまた歌なんだ……歌は……まだ無理だ……どうする?……)


シュンは、歌を失った過去と、まだ向き合いきれていなかった。


——このままだと、そのチャンスが、また俺の手のひらから滑り落ちていく。


けれど、そこで味わう悔しささえも、今は生きる糧になっていた。

“来栖セナ”という名前が、またひとつ、誰かの記憶に灯りをともしていく。


——そして“今井シュン”という存在も、少しずつ蘇り始めていた。


それは、シュンの再生そのものだった。


(第14話へつづく)

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