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第9話 【獣人の冒険者・1】

 昨日、部屋で今後の事を考えているといつの間にか寝落ちしてしまい夕食時に起こして貰った。

 食後、シャワーを浴びた俺はそのままベッドに横になり気付いたら朝を迎えていた。


「やっと落ち着けると気が緩んだのかな?」


 家を追い出され宿を探し、金欠状態から少しは暮らせるようになった。

 それでそれまで気を張っていたのが解けたんだろう。


「んっ、ジン。止まってるがどうした、何か食えないもんでもあったか?」


「ああ、いやちょっと考え事をしてただけだ」


 俺が止まっていると、心配した様子でリカルドから声を掛けられ、俺はそう言葉を返した。

 その後、朝食を食べ終えた俺は昨日の報酬を受け取りにギルドへと向かった。


「ジンさん、今日も早いですね」


 ギルドに着き、パートナー登録者専用の窓口でフィーネさんを呼んでもらうと奥からそう言いながら出て来た。

 それから俺はフィーネさんに連れられ、相談室の方へと移動した。


「まず、こちらは昨日の報酬金になります。パートナー登録料は差し引いてますのでご確認下さい」


「……はい、確認しました」


 受け取った麻袋の中身が登録料が引かれた報酬が入ってるのを確認して、俺は【異空間ボックス】に入れた。


「その昨日お聞きできませんでしたが、ジンさんのその収納スキルはどれ程の容量何ですか? オーク5体をポンッと出してたのでかなりの量が入るのは、既に確認してますが」


 ……そう言えば、容量ってどのくらいあるんだろう?

 ゲーム時代はインベントリがあって、こんなスキル必要なかったからスキルの効果を完全に把握して無かった。


「沢山入るのは確認してますけど、どのくらい入るかは検証して無いですね」


「オーク5体分以上の容量はあると、現段階では分かってる感じですかね?」


「そうなりますね。今後、検証をしてどの位入るかわかったら、また報告しますね」


「よろしくお願いします。大容量の収納スキル持ちの人しか出来ない依頼等は、報酬金もかなり大きいので分かり次第教えて頂けますとご紹介できるので」


 そんな依頼もあるのか、ゲーム自体には無かった依頼だな……。

 まあ、でもそうかこの世界だと、収納スキルはレアスキルの一つ。

 特別なスキルが無いと行えない依頼は、報酬を高くして持ってる人にやって貰おうと言うのが依頼者側の考えなんだろう。


「ただ今でもオーク5体分はあると分かっていますので、それくらいの収納スキル持ちの人が出来る依頼を今後ご用意しておきますね」


「分かりました。よろしくお願いします」


 フィーネさんの言葉にそう俺が返すと、本日の依頼の話へと変わった。


「そう言えば、ジンさんは今後もソロで活動をしていく予定ですか?」


「そこに関しては今の所考えてないですね。居たらいたで依頼の幅が広がると思いますが、現時点で自分一人で完結してしまうので」


「そうですね。剣術に魔術どちらにも才能があり、更には収納スキルも持ってるので何も困る事は無いですね」


 俺の力を知るフィーネさんは、呆れた感じにそう言った。


「まあ、でも仲間は欲しいですね。切磋琢磨して強くなるとか、冒険譚の王道ですから」


「あら、ジンさんって意外とそう言うのがお好きなんですか?」


「好きですよ。特に冒険物は」


 とは言っているが、こちらの世界の冒険譚は殆ど知らない。

 俺が好きと言ってるのは、前世で読んでいたラノベの事だ。


「でしたら、私の方でジンさんに合いそうな方を探しておきましょうか? そういった事もパートナー登録者の方に行っていますので」


 フィーネさんの言葉を聞き、そう言えばパートナー登録にはそういったサービスもあったなと思いだした。


「あ~、だったらやって貰っても良いですか? 自分で探すのは苦労しそうなので」


 交友関係0の為、話しかける相手すら限られてる俺はそのサービスを使わせてもらおうと考えた。


「分かりました。それでは、こちらでジンさんに合いそうな方を探しておきますね。相手に関して、特に指定は無いですか?」


「特に無いですね。ただ一つ、口が堅い方が良いですね」


「……そうですね。ジンさんの力を言いふらすような方だと、ジンさんにご迷惑をおかけする事になりそうですね。分かりました口の堅い方で、探しておきます」


 その後、俺はフィーネさんに用意してもらった討伐系の依頼を受け、王都の外へと向かった。

 既に何度か王都の外に出ていて、ゲーム知識もある俺は依頼書に書かれていた魔物の生息地帯に向かうと一人の冒険者が魔物と戦闘をしていた。


「フィーネさんの話だと、こっちに依頼に向かった人は今日は居ないって聞いてたが?」


 そう思いその冒険者の事を見ていると、3体の魔物に押され気味で傷も負っていた。


「おい! そこの冒険者! 助太刀が必要なら、助けるぞ!」


「ッ! た、頼む!」


 もしやと思い声を掛けると、冒険者は魔物から俺を一瞬見てそう叫んだ。

 その返答を聞いた俺は、その場から魔法を放ち魔物を冒険者から距離を取らせた。

 そして、まだ生きている魔物の首をこの数日間世話になりっぱなしの【風魔法】で刈り取り絶命させた。


【作者からのお願い】

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― 新着の感想 ―
[一言] ここまで読んでアッサリ、サクサク進んでるね もう少し読んでみよう。
[一言] >「おい! そこの冒険者! 助太刀が必要なら、助けるぞ!」 今までのギルド以外での喋り方もそうだけど、 12歳の言動とは思えないなw 一人くらい、「危ない。子供は近づくな!」とか、 言う奴…
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