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第61話 【岩石山のダンジョン・1】


 王都から馬車に揺られ約三時間、目的地のダンジョン付近に到着した。

 この先は馬車が通れない為、ここで降りる事になった。


「お迎え時もここで待っております」


「はい、ここまで送ってくださりありがとうございます」


 御者に対してそう俺がお礼を言うと、クロエも続いてお礼を言って御者はこの場から去って行った。

 それから俺達はダンジョンに向かって歩き、数分でダンジョンの入口に到着した。

 ここにも王国の兵士さんが配属されていて、入る時に冒険者カードを見せて中に入った。


「クロエ、さっきの資料は頭の中に入ってるか?」


「……えっと、一応頑張って覚えてたけど、その全部は覚えきれなかったです」


 フィーネさん達が作ってくれた資料には、このダンジョンに出る魔物や採れる素材が細かく書かれていた。

 まあ、俺の場合は前世の時に周回しまくって、ダンジョンについての情報は頭の中に完全に記憶されている。


「了解。取り敢えず、俺は殆ど記憶してるから危ない時は注意するよ」


「ありがとうジン君! 流石、このパーティーの頭脳だね!」


「頭脳って、二人しかいないけどな……」


 そんな会話をしながら俺達は進み、このダンジョン初の魔物と遭遇した。

 遭遇した魔物はこのダンジョンで最も出現する魔物、ゴーレム。

 その中でも、低層からよく出現するノーマルタイプのゴーレムが現れた。


「ゴーレム、初めて見たよ。あんなに大きいんだね」


「見た目は大きく手強そうだが、案外楽に勝てるんだよ。クロエはそこで見ていてくれ、ゴーレムの倒し方を見せるから」


 そう言って俺は前に出て、ゴーレムに向かって走り出した。

 ノーマルゴーレムは、魔物の中で一番行動が遅い生物。

 そんなゴーレムの弱点となるのが、ゴツゴツとした岩の中に隠れてる〝核〟への直接攻撃。

 そこを攻撃すれば、ある程度の力を持つキャラか、特攻属性の魔法であれば一発で倒す事が出来る。


「わっ、凄い! 一撃でゴーレム倒れちゃった!」


「クロエの場合、最近は魔法の訓練もしていたし、良い的当ての練習台になると思うぞ、クロエは眼も良いからな」


「次、出てきたら私も一人でやってみるね!」


 クロエは俺の戦い方を見て、自分も早く戦いたいといった様子でそう言った。

 それから少しして、再びノーマルゴーレムが現れた。

 先程言った通り、クロエは俺を残して前に出てゴーレムへと戦いを挑んだ。

 身体能力、視力、どちらも良いクロエは直ぐにゴーレムの弱点を発見すると、その箇所に水の魔法を放った。

 水、それはゴーレムの弱点属性でもある為、核にその魔法が直撃したゴーレムは一瞬で倒れた。


「わ~い、ジン君倒せたよ!」


「おめでとう、クロエ。魔法の威力も前より大分上がってたし、訓練の成果が出てるな」


「うん!」


 褒められたクロエは、嬉しそうに笑顔を浮かべそう返事をした。

 しかし、原作のクロエはここまで魔法を練習したりしてなかったけど、やっぱり俺が影響してるのかな?

 原作だと、魔法系は確かに使ってはいたが、ここまでのレベルじゃなかった。

 逆に接近戦を得意とするタイプだったから、今のクロエを見てると少し違和感を感じてしまう。


「あれ、ジン君どうしたの? 難しい顔して」


「あっ、いや。何でもないよ」


 クロエについて考えていると、表情に出ていてクロエに注意された俺はそう誤魔化して先に進もうと言った。

 クロエについてはもうそうなってしまったと考えるしかないかな、俺の影響で少なからずキャラに変化してしまったのだろう。

 あのフローラとだって、今は友人関係の様になってしまっているからな……。


「さてと、お互いに訓練の成果も確認出来たし、次は連携して戦ってみるか」


「そうだね。最近、個人で訓練してたから連携技の方が鈍ってるかもだから、勘を取り戻さないとね」


 ゴーレムをワンパン出来たクロエは、楽しそうにそう言った。

 その後、俺達はダンジョンに出て来た魔物を一匹も残さず、狩り続けて行った。

 基本的に一撃で倒していき、数匹出たとしても慌てる事無く、確実に一匹ずつ仕留めてダンジョンの奥へと進んで行った。


「あれ、ジン君。あのゴーレム、色が違うよ?」


「ッ! 出たな、金塊ゴーレム……クロエ、あいつは絶対に倒すぞ」


「えっ、う、うん。そのつもりだけど、どうしたのジン君?」


 色の違うゴーレムを見つけた俺は、のんびりとしていた雰囲気から一気に集中モードへと切り替えるとクロエはそんな俺に戸惑っていた。

 金塊ゴーレム、その名の通り体内に〝金塊〟を生成するゴーレム。

 出る金塊の量はバラバラだが、最低でもそこらの依頼の報酬金よりも高値で買い取ってもらえる。

 ただし、あいつを狩るのは少し難しい。

 あのゴーレムは戦闘に入り、自分が負けそうになると逃げてしまう。

 逃げ足は普通のゴーレムより早く、今の俺達では追い付けないだろう。


「クロエ、ここまでゴーレムを一撃で倒してきたのはあいつを一撃で倒す為に、ゴーレムの狩り方を身に付ける為だったんだ」


「ジン君、さっきから雰囲気違うけど、あのゴーレムって他のゴーレムと何が違うの?」


 金塊ゴーレムについて、資料にちゃんと載っていたけどクロエは金塊ゴーレムの事を見落としていたのか、忘れているようだ。

 俺はそんなクロエに簡単に、金塊ゴーレムについて説明をした。


「絶対に、逃がさない!」


 とまあ、金塊ゴーレムの良さに気付いたクロエは俺と同じくやる気に満ちた顔をした。

 そこから俺とクロエは念入りに作戦会議を行って、金塊ゴーレムとの戦闘を始めた。

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