表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
570/583

第570話 【臨時加入・1】


 ルークさん達と依頼を受けて王都に戻ってきた翌日、俺は姫様から城へと呼び出しを受け。

 朝食を食べた後、俺はいつもの様に城に転移で移動した。


「急に呼び出しなんて、何かあったんですか?」


「あったというより、起きたに近いわね。ジン、昨日竜人国に行ってたのは本当?」


 姫様は俺が部屋に入ると、資料を片手に持ちながらそんな事を聞いて来た。


「はい。昨日はルークさん達と討伐依頼を受ける為に竜人国に行ってましたけど、それがどうかしましたか?」


「その事について向こうから連絡が入ったのよ。突然、ジンが街中に現れた事で昨日から首都に大勢の人が集まって大変な事になってるって」


「……マジですか?」


「ええ、だから竜人国から出来ればこれから来る際は、事前に連絡が欲しいって頼まれたのよ。ジン、一応言っておくけど貴方は自分が思ってる以上に人気者なのよ?」


 姫様からそう言われた俺は、竜人国に謝罪をしに行った方がいいかなと考えた。

 そんな俺の思考を読んだ姫様から、「別に謝罪してほしいとは、竜人国は言って無かったわよ」と言われた。


「竜人国としてもジンが来てくれる事は嬉しいみたいだし、事前に連絡して欲しい理由も騒ぎを未然に防ぐ為って言ってたわよ」


「そうですか、わかりました。これからは先に連絡を入れてから動く事にします」


 そう俺は、これからは事前に連絡を入れると約束をした。

 その後、今回の呼び出し理由は竜人国の件についてだったが、そのまま少しだけ話す事になった。


「今まで色々とやる事が続いてたけど、暇になって何もする事が無いのね」


「はい。正直、暇になったらここまで何もする事が無い人間だったとは自分でも驚いてます」


 そう俺は溜息交じりに呟くと、そんな俺を見て姫様は「暇なら、休暇を楽しめばいいじゃない」と言った。


「私もようやく色々とため込んでた仕事が終わって、最近はゆっくりと過ごしてるのよ。ジンも今まで忙しかったんだから、少しは体を労わって休んでも良いじゃないの?」


「う~ん……そうしても良いんですけど、身体を動かさないと寝つきが悪いんですよね」


「それなら、また兵士の訓練でもしてみる? 皆、ジンが来てくれたら喜ぶと思うわよ。特にユリウスは」


「それについては考えておきます」


 兵士の訓練は別に良いが、ユリウスの相手はな……。

 最近、聞いた話だと迷宮でかなり腕を上げたと聞いている。

 そんなユリウスと訓練なんて、負けはしないだろうけど逆に何度も挑まれて疲労困憊で倒れるだろう。

 その後、姫様との雑談を終えて宿に帰宅すると、朝は居なかった姉さん達が食堂に集まっているのが見えた。


「ジン君、おかえり」


「ただいま。姉さん達も戻って来たんだね」


「ついさっき戻って来たのよ。ジン達が迷宮から出たってヘレナが知ったら、迷宮探索を終えて王都に戻ろうって言い出したのよ」


「ちょ、ちょっとルル。それは秘密って言ったでしょ!」


 ルル姉の言葉に対し、姉さんは慌てた様子でルル姉の口を手で塞いだ。


「成程、それで急に迷宮探索を終えたのね。ヘレナは本当に弟想いね」


「若干、重たい想いだと思うがな」


「オラにも兄弟がいるけど、ここまでは無いな~」


 コロンさん、シャーリーさん、ププルさんは姉さん達のやり取りを見ながらそう言った。

 そしてフィオロは一度俺の事を見てから、「こんな化け物を弟を見れるヘレナは凄いわね」と失礼な事を口にした。


「本物の化け物が何を言ってるんだ?」


「あら、悪魔を化け物って認識してるのにそんな悪魔より強いジンはどうなっちゃうのかしらね?」


 フィオロが俺に対してそんな事を言うと、ルル姉達と言い合っていた姉さんがフィオロの頭を手で優しく叩いた。


「フィオロちゃん、そんな悪口を言っちゃ駄目だよ」


「この位、いつも冗談で言い合ってるじゃない。どうせ、ジンだから庇ってるんでしょ?」


 姉さんから注意をされたフィオロはそう言い返すと、姉さんは明らかに狼狽えた様子で「ち、違うわよ」と言ったが。

 その言葉が嘘という事は、その場に居た全員が見ただけで分かった。


「姉さん、この程度の言葉は気にしてないから大丈夫だよ。それより、姉さん達って明日から何か予定とかある?」


「特に予定は無いわよ。もしかして、ヘレナとデートに行きたいの?」


「ルル姉、ちゃんと俺は〝姉さん達〟って言ったよね?」


 予定を聞いただけで、ルル姉から姉さんとデートに行きたいと思われた俺はそう言い返した。


「実は今、やる事が無くて暇なんだよね。姉さん達が良いなら、一緒に依頼とか行きたいんだけど」


「ジンが暇してるって珍しいわね。クロエ達はどうしたの?」


「クロエとレイとイリスは修行。レンも研究に集中してて、俺だけが予定が無くて暇してるんだよね」


 今のパーティー事情を軽く説明すると、姉さんは「ジン君なら歓迎だよ」と嬉しそうな雰囲気で即座に言った。


「こういう時、普通はパーティーで話し合いするもんでしょ……まあ、それは相手が普通の人ならって話だけどね。ジンなら私達も賛成だわ、そうよね?」


 姉さんの代わりにルル姉がそう仲間達に尋ねると、コロンさん達は「うん」と反対意見は無かった。


【作者からのお願い】

 作品を読んで面白い・続きが気になると思われましたら

 下記の評価・ブックマークをお願いします。

 作者の励みとなり、作品作りへのモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ