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第568話 【予定のないジン・3】


「んっ? ジンだけ先に戻って来たのか?」


 宿に戻って来ると、受付に立っていたリカルドからそう声を掛けられた。


「ルークさん達はギルドに用事があるって言ってたから、先に俺だけ帰って来たんだよ」


「そうなのか、ジンも一緒にギルドに行けばよかったんじゃないのか?」


「いや、今行っても騒ぎになるだけだからな、ルークさん達の邪魔になるだろうから先に帰って来たんだよ」


 そう俺はリカルドに言って、俺は階段を上り部屋に入った。

 装備は明日取りに行くとして、俺が国を離れる事は姫様には伝えておいた方が良いかもな。

 そう考えた俺は、宿に居る姫様の部下に明日俺が国を離れる事を伝えに行き、ついでにレンにも伝えておこうと思い拠点へと向かった。


「へ~、ルークさん達と一緒に依頼に行くのか」


「レンも一緒に来るか?」


「いや、今はちょっと研究に集中してる所だから離れる訳には行かないから、俺は良いよ」


 拠点に行くと、丁度休憩で研究室から出ていたレンが居てそのまま俺はレンにルークさん達と依頼に行く事を伝えた。

 折角なら一緒に来るか誘ってみたが、研究があるからと断られた。

 そんなレンは、折角ルークさんと一緒に行くならと薬を沢山譲ってくれた。


「こんなに貰っても今もかなり余ってるからな……ルークさん達に一部渡しても良いか?」


「ああ、その為に少し多めに渡したからね」


 そうレンから言われた俺は、薬の一部はルークさん達に渡そうと決めた。

 その後、宿に戻って来るとルークさん達も戻って来ていて、俺はレンから貰った薬の一部をルークさん達に渡した。


「本当にタダで貰っていいのか? 今じゃ、レンの薬ってだけでかなり高値で取引されてるのはジンも知ってるだろ?」


「知ってますよ。その作りて本人であるレンに渡しても良いって、許可もちゃんと貰ってますから安心してください」


「……ルーク。ここは有難く貰っておきましょう。ジンは絶対に渡す事を諦めないわ」


「……本当に俺達は良い後輩を持ったよ。ありがとな、ジン」


 ルークさん達は俺にお礼を言って、レンの作った薬を受け取ってくれた。

 それから、夕食までの時間は昨日同様に本を読もうとかと考えていたが、ルークさん達と竜人国の地形についての勉強会を行い。

 勉強会後は一緒に夕食を食べて、いつもよりも少し早い時間に寝る事にした。

 そして翌日、俺はリーザの店へと装備を受け取りに向かった。


「新品みたいに綺麗になってるな。流石、リーザだな」


「褒めても何も出ないわよ。そう言えば、その装備を作ってからもう大分経つけど、着にくくなったのかは無いかしら?」


「ん~、特にそんな感じはしないな……まあ、そうなった時は直ぐに来るよ」


「ええ、その時はまた面白い素材をよろしくね」


 そうリーザと会話を交わした後、俺は宿へと戻って来てルークさん達と合流をした。

 そしてルークさん達と共に、俺は竜人国の首都へと転移魔法で移動した。


「本当に転移魔法は便利だな……」


 普段寡黙なタイプのドルクさんは、転移で移動してまわりを見渡しながらボソッとそんな事を口にした。

 その言葉に対して、ルークさん達はそれぞれ似たような反応をしていた。


「ジンも最初は転移魔法を覚えてなかったよな?」


「はい。師匠に教えて貰いました。今じゃ普通に使ってますけど、教わるまではかなり難しかったですね」


「教わって出来てる時点でジンは凄いんだけどね。私も原理をジンから聞いたけど、さっぱりだもの」


「私達が教えて事も直ぐに覚えてたし、ジン君って飲み込みが早かったわよね」


 エリスさんの言葉に対して、アニスさんがそう言った。


「確かにジンは直ぐに覚えてたよな……一番最初は貴族の子供で強くないのかなって思った事もあるけど、そんな事は無かったもんな。出会った頃から、ジンの実力は凄い高くて驚いたのを今でも覚えてるよ」


「そもそも、あのリカルドの宿に子供が来たって時点で俺達は驚いてたけどな」


 ドルクさんのその言葉に、ルークさん達は声を揃えて「確かに」と口にした。


「それ、リカルドが聞いたら怒りますよ」


「そうだけど、間違って宿に入って来たまでは今までもあったが、リカルドを見て宿に泊まると決めた子供はジンが始めてだったからな」


 それからリカルドの顔の話をしながら、俺達は竜人国の首都にある冒険者ギルドへと到着した。

 竜人国の首都の冒険者ギルドなだけあり、ギルド内には沢山の竜人族が居た。

 中には他の種族の冒険者もおり、その中には俺の事を知ってる人物も居た様でギルドに入って直ぐに建物内がざわつき始めた。

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