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第567話 【予定のないジン・2】


 翌日、ルークさん達はお昼少し前に宿に帰って来て、俺はルークさん達と食堂で依頼についての話し合いを行う事にした。


「折角、ジンが一緒に依頼を出来るなら討伐系が良いよな」


「そうね。最近、ジンがどれだけ強くなったのか見てみたいし、単純に採取依頼にジンの時間を使うのは勿体ないものね」


「俺としてはどちらでも構いませんよ。ルークさん達との依頼ってだけで、貴重な体験ですからね」


 その俺の言葉に対し、ルークさんは「本当に俺は可愛い後輩を持ったよ」と嬉しそうな表情をして言った。


「しかし、討伐系って言っても最近の王都近くは安全で、お前等が受けるような依頼は無いと思うぞ?」


「あ~、確かにそうだった……」


 裏で作業していた筈のリカルドは、いつの間にか俺達の近くに居り最近の王都付近の事情について言葉にした。

 俺はそのリカルドの言葉に対し、忘れていた事実を思い出して頭を悩ませた。


「えっ、王都付近って今はそんなに何も無いのか?」


「まあ、原因はそこに居るけどな」


 ルークさんの驚きの反応に対して、リカルドは俺の事を見ながらそう言った。


「あはは、ランク上げの為に王都付近も含めて色々と受けまくっていたので……」


「……成程ね。それで最近、迷宮に来る冒険者の数が増えていたのね」


「俺達、迷宮に人が増えたから外に出るかって話をしてたけど、まさか原因がジン達だったとはな……」


 ルークさん達にも迷惑を掛けていた事を知った俺は、その場で「俺達のせいで、すみません」と謝罪をした。


「依頼は早い者勝ちだから仕方ないが、取り過ぎて他の冒険者から反感を食らわないようにするんだぞ。いくら、ジン達が人気だと言ってもよく思って無い奴等は居る可能性もあるからな」


「そうね。ドルクの言う通り、全員が全員ジン達の事をよく思ってるとは限らないわ」


 ドルクさんとアニスさんからそう言わると、ルークさんは「まあ、ジンの敵になる奴は考えなしだと思うがな」と笑いながら言った。


「ジンを敵に回した瞬間、伝説の魔女とドラゴン族が援護に来ることは確実だしな」


「ドラゴン族が動くなら、竜人族も動くわね。それにこの国もジン達の事は良く思ってるから、ジンを敵に回すならそれらを相手に戦う事を想定しないといけないわね」


「それに加えて、ジン達自身の能力も化け物級だからな……」


 ルークさん、エリスさん、リカルドは俺の顔を見ながらそう言うと、三人は揃って「敵になる方が馬鹿」と言った。

 それから話が脱線して他の事を話していた俺達は、依頼についての話に戻った。


「で、依頼はどうする? この国での依頼が無いなら、別に竜人国とか他の国に行って受けたりするか? ジンなら転移魔法が直ぐに移動できるだろ?」


「はい。出来ますよ。一応、行った事のある所限定ですけどね」


「それなら、竜人国で依頼を探すのはどうかしら? あそこなら、強い魔物も居るだろうからジンの戦闘能力も見れると思うわ」


 エリスさんのその提案に対し、反対意見は無く竜人国で討伐依頼を探す事に決めた。

 依頼には俺の装備の整備の関係上、明日にならないと装備が戻ってこない為、今日は話し合いだけで終わりにした。

 話し合い後、お昼を食べていない俺とルークさん達は折角ならと一緒にどこか食べに行こうかと話しになり。

 一緒に商業区へと向かい、ルークさん達の行きつけのお店へと向かった。


「そう言えば、迷宮でジンの姉達と会ったけど、あの子達も随分強くなったなよな」


「まあ、悪魔が一匹仲間に居ますからね」


「その事実知ってる身からすると、もう殆ど人間と変わらないわよね。偶に話す事もあるけど、普通の人間に見えるもの」


 フィオロが姉さん達と一緒にパーティーを組み始めて、もう随分と経ちその間にあいつはかなり人間味を増している。

 俺の前では刺々しいが、それ以外だと特に違和感もなく人間に溶け込んでいる。


「まあ、魔法の腕は人間離れしてるけどな。一度、ジンの姉達と迷宮内で遭遇した事があるが、その時にフィオロの魔法をみたがあれは凄かった」


「そうね。私も魔法使いとしてそれなりの自信があったけど、あれをみたら差を感じさせられたわ」


「大分もう力は取り戻してきてますから、人間に比べたらフィオロの魔法はおかしいと俺も思いますよ」


「……でも、そんな力の持ち主をジンは制圧してるんだから、本当にジンは凄いんだなって改めて思ったわ」


 そんなエリスさんの言葉に対して、ルークさん達は頷いて肯定した雰囲気を出していた。

 その後、食事を終えるとルークさん達はギルドに少し報告に行くからと言って冒険者ギルドへと行き。

 俺は特に予定も無い為、宿に先に戻る事にした。

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