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第565話 【新薬・4】


「そうだ。ジン達に伝え忘れてたけど、新しい薬が出来たんだ」


 依頼の場所で対象の魔物を討伐し、お昼休憩をしている際にレンからそんな報告をされた。

 新しい薬、それは以前俺が渡した薬草で作った物らしく、効果内容は〝持続系〟の薬みたいだ。


「ちなみに今回の薬に関してだが、今までの怪我に対してでは無くて毒を治療する薬となってる」


「それってつまり一定時間は毒が効かなくなるのすか?」


「全く効かないって訳では無くて、一定時間の間は毒に犯されても瞬時に治療されてる状態だな」


「……それはまた凄い物を作ったな、その薬があれば誰だって〝耐性系〟のスキルを得られる可能性があるな」


 俺の場合は既に全ての状態異常に対する耐性スキルを持っているが、クロエ達はまだ持ってないから今後その薬を使って試すのもありだろう。

 そんな事を考えていると、当人であるクロエ達も自分達も耐性系のスキルを得られるかもしれないとワクワクと楽し気な雰囲気となっていた。


「まあ、取り合えずその薬に関しては今後色々と使えそうだな、俺は耐性スキル持ってるから試せないけどな」


「ジンの持ってる耐性スキルって毒とか麻痺とか、その他諸々の状態異常に対する耐性だから本当に便利だよな」


「ああ、本当に助かってるよ」


 他にも有能なスキルは持っているが、このスキルのおかげで毒や麻痺といった状態異常になる事が無いのは本当に良い。

 ゲームでもジンには状態異常系スキルが一切効かず、そこでも敵役としての難易度を上げていた。


「だけど一つ問題なのが、この薬に使う薬草の量産がまだな事だな……ジン。これに使った薬草はシンシアさんの所で買ったって言ってたけど、また買う事は出来そうか?」


「シンシアに聞かないと分からないな、だけどあれだけ沢山持っていたから量産は既にされてるとは思うから、今日の帰りにでも聞きに行くか」


 そう俺が言うと、レンは「そうだな、早めに確認しておきたいし」と言って今日の帰りに皆でシンシアの店に行くと決めた。

 その後、複数の依頼を終え、ギルドで報告をした俺達は予定通りシンシアの店へと向かった。


「今日は皆と一緒なのね」


「この間、買っていった薬草について聞きに来たんだが。あれってどこから仕入れたのか聞く事は可能か?」


「あら、もしかしてあの薬草の使い道を見つけたの?」


 シンシアは俺が薬草の出所について聞くと、少し驚いた様子でそう聞いて来た。

 そんなシンシアにレンは自分が作った薬を見せて、その薬の量産の為にも薬草の仕入れを確保したいと伝えた。


「成程、それで今日は皆で来たのね。良いわよ。どうせ、私の店じゃあの薬草を売るのは難しかったし、使い道があるならレン君に任せた方がいいものね」


「……そんな簡単に許可してもいいのか? 現時点で仕入れルートはシンシアの店しかないんだから、シンシアの店を介して購入するとかでも良いんだぞ?」


「そこまでお金に困ってないし、逆にあんな私の店じゃ売れない物を在庫として置いておきたくないのよ。今日直ぐには紹介できないから、また後日日程を決めて紹介するわね」


 それからタダで紹介してもらうのは申し訳ないと思い、俺達はシンシアの店で必要な物を少し多めに購入をしてから宿に帰宅した。

 宿に帰って来た時間帯は丁度夕食の時間帯で、俺達は食堂へと行き夕食を食べる事にした。


「今日だけでも沢山依頼を片付けたな、このままのペースでいけばかなり早くランクを上げられそうだな」


「ずっと後回しにしていたからな、なんだかんだ色々あってランクを上げようと行動を始めてから随分と時間が経ってるからな」


「今回こそは上げておかないと、まだズルズルと長引きそうだしな」


 レンの言葉に俺は頷き、問題が起きない事を俺は心の中で祈った。

 その後、夕食を食べ終えた俺はシャワーを浴びて部屋に入り、武具の手居れをしてから眠りについた。

 一日、冒険者活動をしていたおかげかその日は寝つきが物凄く良かった。


「今日も冒険者活動をするのか?」


 翌日、朝早く起きた俺は朝食まで少し時間があったから、宿の裏庭で体を動かしていると、そこにリカルドがやって来た。


「そのつもりだよ。流石にそろそろランクを上げておきたいからな」


「功績だけ考えたら、お前達が最高ランクじゃない事の方がおかしいからな。魔王討伐に協力したり、王都に現れた悪魔を退治したり、功績が一つ一つ大きいからな」


「それのせいで周りに人が多くなって、動き辛いんだけどな……」


「ジンは昔から行動が矛盾してる事が多いからな、目立ちたくないとか言いつつ大きな功績を出したり、最初であった時も金が無いとか言いつつ数日分の金を払って俺の宿に泊まりに来たりしてたからな」


 リカルドは昔の事を思い出し、笑みを浮かべながらそう言ってきた。

 俺はそんなリカルドに対して、「住処は大事だと思ったんだよ」とジト目をしながら言い返した。

 その後、リカルドは朝食の準備へと戻り、俺は一人になって運動の続きをした。

 そして朝食の時間になり、クロエ達と食堂で合流して一緒に朝食を食べる事にした。


「それじゃ、今日も一日冒険者活動を頑張るか!」


 朝食後、準備を終えて俺の部屋に集まり、皆にそう声を掛けた。

 俺の言葉に対して、レン以外は「お~」と元気よく返事をして、クロエ達のやる気を確認して俺は転移で冒険者ギルドの個室へと移動した。

 昨日の時点でギルドにはこの時間帯に来る事は伝えていた為、部屋にはフィーネさん達が待っていた。

 フィーネさん達は昨日と同じように、俺達に合う依頼を用意してくれていた為、その中からいくつか選び俺達は直ぐに依頼へと向かった。

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