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第562話 【新薬・1】


 ドラゴン族の所で宝を貰った翌日、前日に姫様に手紙を出して連絡をしていた俺は一人で城へと向かった。


「ドラゴン族から友好の証を貰ったって、益々ジン達に手を出したら大変な事になる確率が上がったわね」


「そもそも、ジンさん達に手を出す馬鹿はこの世界には居ないとは思いますけどね。ジンさん達の強さは既にこの国は勿論の事、大陸中に知れ渡ってると思いますから」


 姫様の所へとやってくると、いつもは姫様と二人で話し合いを行うのだが、ルフィウス王子も一緒に居た。


「そうでも無いわよ。ジン達をどうにかして、自分の部下にしたいと考えてる馬鹿は未だに居るもの」


「……そんな馬鹿な人間がまだいるんですね。世界って広いですね」


 姉である姫様の言葉を聞いた王子は、信じられないといった表情をしてそう言った。

 それから部屋で待っていると、俺達の分の素材を兵士達が運んで来てくれてそれを【異空間ボックス】の中へと入れた。

 これで一応、用事自体は終わったが、久しぶりに姫様と会っているのでそのまま近況報告の続きをする事にした。


「迷宮の攻略も大分進んでるみたいね。ユリウスも驚いていたわよ。ジン達の早さが異常で、折角ジンが居ない間に少し近づいていたのにまた離されたって」


「レイとイリスが張り切ってますからね。それに続いてクロエもやる気がありますし、今回のドラゴン族との交流を経てまた攻略の速度が上がると思います」


「ふ~ん……それで、冒険者活動の方はどうするつもりなの?」


「そっちに関しては、元々イリスと一緒にランクを上げようと思ってたんですけど、外の騒ぎ具合が落ち着いたらと考えてます。さっきチラッと王都の様子を見てきましたけど、まだ収まってない様子だったので」


 城に来る前に、王都の様子を見て来たが未だに俺達のファンというかそういう類の人が多く。

 あのリカルドの店にさえ、人が集まっていてまだ無理そうだなと感じた。


「ちやほやされる分にはまだ良いんですけど、あそこまで人が多いと不便さを感じそうですからね……それなら、迷宮に引きこもってた方がまだ良いと思いますし」


「まあ、ジン達の人気は凄いものね……」


「僕も偶に貴族の子と会う事がありますけど、姉さんがジンさん達と繋がりがある事は知られていますから、どうにかして会えないか相談される事があるレベルですからね」


「王子にそんな相談ってしていいんですか?」


 そう俺が聞くと、王子は「それだけジンさん達の人気度が凄いんですよ」と笑みを浮かべながら言った。

 その後、姫様達との近況報告を終えて俺は迷宮に戻る前に、俺は久しぶりにシンシアの所へと寄った。


「あら、有名人が来たわね」


 店の中に入ると、店頭で商品を並べていたシンシアから揶揄われるような感じでそう言われた。


「最近、王都から姿を消してるって噂が流れてたけど、どうしてるの?」


「今は迷宮に籠ってるよ。外だと、騒ぎになるからな」


「まあ、確かにそうね。偶に散歩に行くけど、ジン達の人気は凄いものね」


 シンシアはそう言うと、最近新しく店に仕入れた物があると言い、俺は新商品を見せて貰う事にした。

 その中にはゲーム時代、世話になったアイテム等はあったが今の俺には必要な物はあまりなかった。

 ただ一つ、気になる商品を見つけた。


「珍しいな、シンシアの店に素材のまま売られてるなんて」


 俺が見つけたのは、草のまま袋に詰められた商品だった。


「あ~、それね。ちょっと新しい薬でも作ろうと思って仕入れてみたんだけど、私の実力じゃ商品に出来るレベルの物が出来なくてね。それなら、素材のまま売って少しでも元を取ろうと思ったのよ」


「へ~、見た感じ薬草系みたいだし、レンなら何か使えそうだしお土産として買っていこうかな」


 それから他の商品も見て回ったが、特にこの草意外に目に留まるような物は無く。

 結局、レンのお土産用として草を購入してシンシアの店を出て、迷宮の家へと帰宅した。

 迷宮の家へと帰宅すると、リビングでのんびりと本を読んでるレンが居た。


「おかえり、ジン」


「ただいま、クロエ達は外出して感じ?」


「ああ、ジンが出掛けた後、ちょっとしてから出掛けたよ。俺も誘われたけど、久しぶりにゆっくりしようと思ってな」


 そうレンは言いながら、読んでいた本を閉じて「王都の様子はどうだった?」と聞いて来た。

 俺はそんなレンに今日見て来た光景を伝えると、溜息を吐いて「もう暫くは迷宮に滞在する事になりそうだな」と言った。


「ああ、そうそう。帰りにシンシアの店に寄って来たんだが、珍しい物が売ってあったから買って来たんだ」


 そう言って俺は【異空間ボックス】から、シンシアの店で購入した草をレンに見せた。


「……見た感じ、薬草系なのは間違いないな。シンシアさんは何か言ってたか?」


「回復系の草とは言ってたな、レンはこの草の事は知らないのか?」


「知らないな……ってか、それで言うとジンは【鑑定】スキルを持ってるんだから分かるんじゃないのか?」


 言われてみれば、確かに【鑑定】で見たら一発だな……。

 レンの言葉に俺は無言のまま、草に対して【鑑定】を使用した。


「へ~、これは凄いな……かなり強い治癒系の効果があるみたいだ。濃縮したりしたら、効果が上がるみたいだ」


「これを使えば更に効果のある回復薬が出来そうだな……ジン。これはどのくらいあるんだ?」


「シンシアが在庫抱えて困ってたし、金は沢山あるから買い占めて来たから沢山あるぞ。研究用として使えると思ってな」


「流石、ジンだな」


 その後、早速研究してみるとレンは言い。

 王都に帰れない事が多々あり、迷宮に家に簡易的に作った研究所の方へとレンは草を受け取り歩いて向かった。

 そしてレンと別れた俺は、これから外に出てもやる事が無い為、庭に出て体を動かす事にした。

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