表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/583

第54話 【進展・1】


 フローラとの仲直りから数日が経った。

 あれから時折、ノヴェルはフローラを城に連れて来る様になった。

 最初、俺はあまり関わらないでおこと思ったのだが、そんな俺の対応にフローラが「迷惑でしたか?」と悲しそうな風に言って来た。

 推しキャラでもあるフローラにそんな事を言われた俺は、物語に関わりたくない気持ちと天秤にした結果、フローラと交友する道を選んでしまった。


「……物語から逃げようとしてるのに、なんだかんだ本編に絡んだ人物達と絡みまくってるの何でだ」


 序盤の〝家族から虐げられた日々〟を回避して、平民へとなったまでは良かった。

 そこから何故か、主人公のお助けキャラのクロエ、7人の戦女の一人のアスカ、聖女の姫様、元婚約者のフローラ。

 逃げようとしてる筈なのに、逆に物語のジン以上に物語に関わる人物と関わっている。


「俺が最初考えていた。物語への修正力が起こってるのか……」


 時々、〝物語への修正力〟があるのではないかと考えていた。

 最初の頃はこんな事考えていたかったが、姫様に気に入られた頃から考えるようになっていた。

 物語でジンは悪役として立ち回るが、序盤では主人公と戦女であるフローラの出会いの引き立て役でもある。

 そんな俺が消えようとした所を物語の修正力が働いて、元に戻そうとしているのでは無いかと俺は考えている。


「今後、もう少し気を付けて行動した方がいいな……アレ(・・)さえ起らなかったら、ジンはただ能力の高いキャラだからな……」


 とある事を心配に思いながら俺は今日も護衛の仕事がある為、ベッドから起きて朝食を食べに食堂に向かった。

 その後、食事と準備を終えた俺は姫様の部屋の前で待機していると、中に入ったメイドが一人で外に出て来た。


「あれ、姫様はどうしました?」


「それが調子が悪そうでして、今日は学園はお休みする事になりました」


「えっ、大丈夫なんですか?」


 姫様が病気? 原作ではそんな病気をするような、キャラじゃなかった気がするんだけどな……。


「……それが昨日、お風呂上りにベランダで本を読んだまま寝てしまったみたいで」


「あ~……流石にそれは体調悪くしますよ」


「いつもは平気なのに昨日は寒かったからと、変な言い訳をしていました」


「姫様らしいと言えば、らしいですね……」


 そんな俺とメイドさんが話していると、準備が終わったクロエがやって来て「どうしたの?」と聞いて来た。

 何も知らないクロエにメイドさんは俺に話した内容と同じ事を伝えると、クロエも呆れた顔をして「何してるの姫様……」とボソッと言った。


「と言う事は、今日は俺達の仕事も休みって事になるな……護衛出来なきゃ、仕事出来ないし」


「そうだね。どうしよっか?」


 急遽休みとなった俺達、一先ず姫様の容態を確認したいのでメイドさんに入ってもいいか確認を取ると「大丈夫」と言われたので部屋に入った。


「姫様、大丈夫ですか?」


「だ、大丈夫よ……ちょっと、熱が出てるだけ……」


「めっちゃ声ガラガラじゃないですか……」


 俺の質問に対して、姫様はガラガラ声で返事をしてきた。


「さっきメイドさんから今日は学園を休むって聞きましたけど」


「ええ、流石にこの体調で学園に行ったら迷惑を掛けそうだし、医者の先生からは大人しくしていれば直ぐに良くなるって言われたから、今日は休む事にしたの」


「まあ、そうですよね……って事は、今日は俺達はお休みで良いんですか?」


「そうなるわね。折角、準備してくれてたのに」


「そこは別に構いません。取り敢えず、今日は安静にしてくださいね」


 そう言って、俺達は部屋から出た。


「さてと、クロエどうする? 急に休みになったけど」


「そうだね。特にする事は無いし、訓練でもする?」


 俺の質問に対してクロエはそう返してきて、俺もそれでいいかなと思っていると、ふとあるアイテムの事を思いだした。

 そのアイテムというのはゲーム世界では、状態異常を完治させるというアイテム。

 そんな使えるアイテムだが、物語序盤から比較的簡単に手に入れる事が出来て俺もよくそのアイテムに助けられた。

 もし明日以降も風邪が続くようであれば、それを使うのも良いし、もしもの時の為に一つくらい持っておいてもいいな……。


「クロエ、姫様の為に治療に使えるアイテムを取りに行かないか? そこまで酷い容態じゃないけど、もしもの時の為に準備しておくのは良いと思うんだ」


「治療に使えるアイテム? ジン君って、本当に何でも知ってるんだね」


「冒険に役立つ事は大体調べたりしてるからな、それでどうかな?」


「うん、私も良いよ。姫様の事心配で、訓練しようにも集中できないと思うし」


 そうクロエは言って、俺達は治療薬を手に入れる為に城を出て目的地へと向かった。

【作者からのお願い】

 作品を読んで面白い・続きが気になると思われましたら

 下記の評価・ブックマークをお願いします。

 作者の励みとなり、作品作りへのモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 皆よく考えて欲しい。ここの主人公はよその主人公ほど金もねえ状態で家を出てるし人脈もねえ状態だった。即外国行ける方がおかしいんだ。その為に近場で金と後ろ盾的な意味でギルドの信用得ようとしてやら…
[気になる点] 全く修正されていないのに修正力とか妄言吐いてて笑ってしまいました
[一言] 本気で関わりたくないのなら自国でチンタラせず追い出されたその日に他国に行くよな(笑)
2022/04/29 18:52 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ