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第532話 【冒険者活動、再開・1】


 冒険者活動を再開して、そろそろ一週間が経とうとしている。

 この数日間、俺達は休みは無く初日を除いて一日複数の依頼を受け、その全ての依頼を完璧に終わらせてギルドに報告を行った。

 他の冒険者にとっては難しい依頼でも、俺達にかかれば簡単な依頼とほぼ変わらず、特に討伐系はかなり楽だ。


「クロエ。魔物は何処に居るか分かるか?」


「うん。あっちに居るよ~」


 討伐系は二つの意味で難しいと言われてる事があり、一つは単純にその依頼対象が強くて難しいと言う意味だ。

 これに関しては、今の俺達にとって脅威となる魔物はほぼ居ない。

 強いていうなれば、数が多くて森の中だと魔法が扱い辛いという点だろう。

 何しろ抑えたとしても、かなりの威力が出てしまう。

 既にいくつか森を壊しかけた所があり、その度に隠れ里のエルフに頼みに行って森の修復をしてもらっている。


「今日は森の中じゃないし、俺の出番もありそうだな。レイ、少しは魔物くれよ?」


「は~い」


 そして二つ目の難しいのは、単純に魔物発見が難しいと言う意味だ。

 魔物には人を警戒する魔物も居て、冒険者から逃げる魔物も居る。

 普通の場合、そんな魔物を追って見つけるのに苦労するが、俺達の場合はクロエという最強の索敵冒険者が居る。

 微量の魔力だけでその魔物が何かまで当てられるようになったクロエは、既に俺とは比べ物にもならない程の探知能力を持っている。

 その為、依頼場所に行き少しだけ辺りを探索すると、クロエの探知能力で見つけてその現場に直行する事が俺達には出来る。


「本当にクロエの探知能力は凄いよな、少し前までは俺もいい勝負してたのにすっかり追い抜かれたよ」


「えへへ~、ジン君に今まで勝ててる所が無かったけど、一つでも勝てる所が見つかって私は嬉しいよ」


 クロエは俺の言葉に嬉しそうにそう言い、レイはそんなクロエに「私もいつかジン君を追い抜きたいな~」と言った。


「いや、レイのその前衛での動きは俺だけの力だともう追い抜かれてると思うぞ? リウスとかの力を借りた場合は、あいつらの力の分も重なってから強いけど、純粋に俺だけの力だけってなるとレイの前衛での戦闘能力には抜かされてると思うな」


「えっ、それ本当? じゃあ、今度本気で模擬試合しようよ!」


「ランク上げが終わったら、どうせ暇になるだろうから別に良いぞ。久しぶりにお互いの実力もそこで計っておきたいからな、皆もその時は参加するだろ?」


 そう俺が聞くと、クロエ、イリス、レンは頷いて参加の意思を表明してくれた。


「あれ、レンも参加してくれるんだな」


「まあ、実力を測るのは大事だからな。研究者とはいえ、冒険者がまだ本業ではあるからな」


「あれだけの実績を叩き出しておいて、本業が冒険者って本業が研究者の人に聞かれたら怒られそうだな」


「実際に本業はまだ冒険者だから、怒られても仕方ないけどな」


 その後、俺達は目的の魔物を見つけて戦闘を行い、特に問題も無く討伐を終えてギルドへと戻って来た。


「ジンさん達は本当に帰還が早くて、依頼の消化率が凄いですね。昔から変わってないので、慣れたと思っていたんですけど最近のジンさん達は益々早くなっていてギルドの確認が追い付かない程ですよ」


「まあ、転移魔法がありますからね」


 王都付近であれば数時間の馬車の移動で帰還は出来るが、そこから離れると絶対に一日は掛かってしまう。

 それは依頼がどんなに簡単だとしても、移動に時間を取られてしまうからだ。

 しかし、俺達の場合は俺の【転移魔法】がある為、その時間は無く一瞬で依頼先まで行く事が出来る。


「まあ、この直ぐに行けるのも昔、旅していたおかげですけどね。行った所のない場所には転移でも行けませんから」


 先の戦いの獣人国は、行った事が無かった為に数日間の船旅をする事になった。

 しかし、このデュルド王国の国内に限れば俺の行った事の無い場所はほぼなく、依頼が来る場所には大抵旅の時に回った事のある場所だ。


「そう言えば、以前まで迷宮巡りをしていましたけど、最近はしなくなりましたよね」


「そうですね。まあ、単純に行く意味がないですからね。迷宮に行きたくなったら、また遊戯神の迷宮に行きますよ。今はそんな気分では無いですし、神様からも暫くは準備期間が欲しいと言われてるので、依頼に集中しているんです」


「でしたら、ジンさん達が迷宮に行きたいと思う前にランク上げに必要な依頼をご用意しないといけませんね」


 フィーネさんは笑いながらそう言い、報告を終えた俺達は新たな依頼を受け、再びギルドを出て転移でその依頼先へと向かって移動した。


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