第530話 【戦いを終えて・4】
「白金級へのランクアップを目指すですか……いい目標だと思いますよ。ジンさん達は実力は高いですから、規定の依頼量さえ達成すればすぐにでもなれると思います」
フィーネさんは嬉しそうにそう言うと、早速俺達に合った依頼を探してきますと言って部屋を出て行った。
「もしかして、フィーネさん俺達が白金級に上がるの前から待ってたのかな?」
「多分、そうかもね」
「白金級になれる冒険者ってそういないから、なれそうな私達が動き出した事が嬉しいんだと思うよ」
フィーネさんが出て行った後、俺達はそう言うとイリスが「あの、私はどうしましょう?」と聞いて来た。
「一応、同じパーティーですけどランクが違いすぎますし……」
「あ~、確かにその事を忘れていたな……でも、フィーネさんの事だからその辺も何か案があると思うから、戻ってきたら聞いてみるか」
自分のランクが違い過ぎて、イリスが心配していたので俺はそう言い、それから俺達はフィーネさんが戻ってくるのを待った。
そして10分程して、フィーネさんは部屋に戻って来たので俺達の依頼の話の前にイリスの話をした。
「その事でしたら大丈夫ですよ。ジンさん達でしたらイリスさんも一緒にとお考えになると思い、イリスさんのランクを上げる分の依頼も用意してきました」
そうフィーネさんは言うと、資料の束をテーブルに置いて依頼の説明を始めた。
まず現時点でイリス以外の俺達のどれだけ依頼を達成したら、白金級にあがるのか教えて貰った。
これまでのギルドに対する功績等や、俺達の実績を考慮して金級冒険者以上が適性の依頼を30個達成すれば上がると言われた。
「ですがイリスさんも同時に上げるとなりますと、金級冒険者以上の依頼ではなく、銀級冒険者以上の依頼を受けて頂く形となり達成しなければいけない依頼の数が増える事になります」
「まあ、多少増える事に関しては大丈夫です。今回はそこまで焦ってもないので、気長に依頼を受け続けようかなと思ってます」
以前ランク上げをしていた際は、早く上げようと頑張っていた。
しかし、今は特にそんなに焦っても居ないからゆっくりとランクを上げても良いと思っている。
「それとイリスさんに関してですが、本来であれば金級冒険者の方が数人いるとはいえ、鉄級冒険者の方に銀級冒険者以上が適性の依頼に同行はさせないようにはしているのですが、イリスさんの実力は私共は大体は把握していますので特別に許可がおりました」
「そうだったんですね。フィーネさん、ありがとうございます」
「ありがとうございます。フィーネさん」
俺とイリスは、態々許可取りまでしてくれたフィーネさんに対しお礼を言うと、フィーネさんは笑みを浮かべ「仕事ですから」と言った。
「ですが、許可が折れたのは銀級冒険者適性の依頼までですのでイリスさんが銀級冒険者に上がるまでは金級冒険者適性の依頼には連れて行く事は出来ない事になっています」
「成程、分かりました。銀級の依頼でも十分です」
そう俺は言った後、フィーネさんが俺達の為に用意してくれた依頼に目を通して、どれを受けようと話し合った。
そうして俺達が選んだのは、討伐系で早期で達成して欲しい依頼があり、丁度銀級以上だと書かれていた依頼だ。
「街が魔物に脅かされてると書かれていますし、この依頼を先に達成した方が良いですよね?」
「はい。ギルドとして、そちらの依頼を受けて頂くと助かります」
それから依頼が決まった俺達は、ギルドを出て丁度行った事のある街だったので俺は皆を連れてその街に転移で向かった。
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